すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
03 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2021.02.10 Wednesday | - | - | -
Paul Chambers『Bass On Top』

Paul Chambers / Bass On Top
Label: Blue Note
Release: 1957

Personnel:
Hank Jones - piano
Kenny Burrell - guitar
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recording Date: 1957.07.14

Song List:
01. Yesterdays
02. You'd Be So Nice To Come Home To
03. Chasin' The Bird
04. Dear Old Stockholm
05. The Theme
06. Confessin'
Bonus Track
07. Chamber Mates



こころのところずっと参考にしている「ブルーノート・ベスト50」で41位だったアルバム。

ポール・チェンバースといえば1950年代後半の名盤に必ずその名前を見かけるベーシストであり、とりあえずで買った名作30枚ほどの中に『Whims of Chambers』が当然のように入っていたわけだけど(上のベスト50内には選ばれていない)、ただそのアルバムではベースが主役というよりもホーンが入っていることでどうもスポットライトは地味な楽器にまでは届いていない印象があった。でも、本作は冒頭から優雅に弓で弾くボウイング奏法が披露され、これはベーシストのアルバムですとしっかり主張しているのは好ましい。

まあでもその反面、ピアノ・ギター・ベース・ドラムのクァルテットのため、ギターがどれほど小気味良い旋律を弾こうと、ピアノが上品に音を転がそうと、まあ地味にならざるを得ないのは仕方ない話なのだろう。

彼は1935年デトロイトに生まれた。学生時代にバリトンホーンから楽器に入り、チューバを経て、1949年頃ベースに出会う。地元ではクラシック・オーケストラに所属するベーシストからレッスンを受けた。1954年にニューヨークに出た彼は、その翌年にはMiles Davisのクインテットに参加し、1963年の解散まで在籍する。その後は1968年までJimmy Cobbと共にWynton Kelly Trioとして活躍するが、長年のアルコールとヘロイン中毒が災いし、1969年わずか33歳で亡くなる。

本作はマイルズのグループで華々しく活躍し、サイドマンとしても数多くのアルバムに顔を出していた22歳の録音作となる。なお、ピアノのハンク・ジョーンズは同月末で39歳になるベテランピアニストであり、『Whims of Chambers』でも相方を務めたギターのケニー・バレルはなんとジョーンズと同じ誕生日(7月31日)でこの当時はギリギリ25歳、ドラムのアート・テイラーは28歳。ということはメンバーは全員年上だったわけだが、それにしては堂々としたプレイを披露している。
2014.06.19 Thursday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Duke Jordan『Flight To Jordan』

Duke Jordan / Flight To Jordan
Label: Blue Note
Release: 1960

Personnel:
Dizzy Reece - trumpet
Stanley Turrentine - tenor sax
Duke Jordan - piano
Reggie Workman - bass
Art Taylor - drums

Recording Date: 1960.08.04

Song List:
01. Flight To Jordan
02. Starbright
03. Squawkin'
04. Deacon Joe
05. Split Quick
06. Si-Joya / シ・ジョヤ (危険な関係のテーマ)
Bonus Track
07. Diamond Stud
08. I Should Care


ブルーノート・ベスト50」で36位ということはそれなりに人気作なのだろうが、ブルーレコードに残されたリーダー作はこの1枚だけだそうだ。

彼は1922年4月ニューヨーク・ブルックリンに生まれる。1940年代後半には新人だった頃のMiles Davisも在籍していたCharlie Parkerのクインテットに参加する。その後はソロとして活動し、タクシー運転手なども経験したようだが、本作の約2ヶ月前にはTina Brooksの事実上のファーストアルバム『True Blue』にも加わる。1978年56歳でデンマーク・コペンハーゲンに移住、2006年84歳で同地で亡くなった。

本作は彼が38歳の時の作品となる。オリジナル盤では全曲彼のオリジナル作だ。ジャマイカで生まれ、すでにプロ活動を始めていた17歳の時に渡欧し、本作を吹き込む前年にニューヨークに進出していたトランペットのディジー・リースやスタンリー・タレンタインのテナープレイが目立ち、主役のはずのデューク・ジョーダンはもっぱら引っ込んでいる印象は拭えない。別にそれが悪いわけではないし、それにブルーノートらしいジャケのごとくしとやかな夜の雰囲気は演出できている。

Clifford Brownがよく吹いていた「Jordu」の作曲者でもあり、またArt Blakey & The Jazz Messengersが音楽を付けたことでも知られる1959年のフランス映画『危険な関係』で流れる曲は全て彼の手による(Fontanaからリリースされたバンド名義の同作を聴いたことがないので確認できないが、ネットで見る限り彼は1曲だけ参加している)。そのうちの「No Problem / 危険な関係のブルース」をM6「Si-Joya」の曲名で自演している。そうしたメロディセンスの良さはどの曲でも遺憾なく発揮されていて、非常に趣味の良いピアノアルバムになった。
2014.06.18 Wednesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Tina Brooks『True Blue』

Tina Brooks / True Blue
Label: Blue Note
Release: 1960

Personnel:
Freddie Hubbard - trumpet
Tina Brooks - tenor sax
Duke Jordan - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recording Date: 1960.06.25

Song List:
01. Good Old Soul
02. Up Tight's Creek
03. Theme For Doris / ドリスのテーマ
04. True Blue
05. Miss Hazel
06. Nothing Ever Changes My Love For You


ブルーノート・ベスト50」では32位。

1932年6月7日ノースカロライナ州生まれ。13歳でニューヨークに引っ越し、40年代末からプロ活動を始める。当初はR&Bバンドに加わり、1955年ライオネル・ハンプトンのツアーを経験。年上のベテラン・トランぺッターのベニー・ハリスと知り合ったことで、1958年ブルーノートと繋がる。最初のレコーディングは同年2月オルガン奏者Jimmy Smithの『The Sermon!』への参加であり、リーダー作としてはその年の3月16日に『Minor Move』を吹き込む。しかし、リリースはその22年後。彼はブルーノートでリーダー作を含め計13回のセッションを残しながら、そのうちの5回分は長い間未発表だったそうだ。1974年42歳の若さで亡くなる。よって、生前ファーストアルバムとして認識されていたのは28歳になった直後に録音された本作となる。

トランペットは1958年に20歳でニューヨークに出てきたフレディ・ハバード。本作直前の6月19日には彼のファーストアルバム『Open Sesame』を録っていて、そっちにもブルックスは参加している(ベースのサム・ジョーンズも)。

程良くスウィングし、最初にレスター・ヤングにのめり込んだと本人が語るように、ブロウにやや線の細さが見受けられるが、それが味なのだろう。その分ハバードがかっ飛ばしてくれるし、なによりM6以外はオリジナル曲なのにどの曲もメロディが良い(さらにいえば、上記の『オープン・セサミ』には表題曲と哀愁溢れる旋律が魅力の「Gypsy Blue」を提供していて、ちょっともったいなかったのではと思えてしまうほど)。他のサイドマンたちもいい仕事ぶりだ。悪くはない及第点のアルバムだけど、もう一味欲しかったと思ってしまうのも事実。

1961年3月のリーダー作『The Waiting Game』(リリースは2002年)以降はヘロイン中毒で体調を崩し、レコーディングすることなく早世したとのこと。
2014.06.17 Tuesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Sonny Rollins『Volume Two』

Sonny Rollins / Volume Two
Label: Atlantic
Release: 1957

Personnel:
Sonny Rollins - tenor sax
J.J. Johnson - trombone
Horace Silver - piano (Tr.4 omit)
Thelonious Monk - piano (Tr.3-4)
Paul Chambers - bass
Art Blakey - drums

Recording Date: 1957.04.14

Song List:
01. Why Don't I
02. Wail March
03. Misterioso
04. Reflections
05. You Stepped Out Of A Dream
06. Poor Butterfly


ブルーノート・ベスト50」では29位の『Newk's Time』に続き、30位だったアルバム。

1930年8月ニューヨークに生まれ、40年代末よりプロとして活躍し、83歳になった現在も現役で吹き続けている偉大過ぎるジャズジャイアント。1956年6月録音の『Saxophone Colossus』で高評価と名声を手にした彼は、同年12月にブルーノートで『Volume 1』をレコーディングする。本作は、3月の西海岸へのツアーの際に録った『Way Out West』を間に挟み、ブルーノートからの第2弾となる。『Way Out West』のようにピアノレスのワンホーンではないのが本当に嬉しい。

基本はロリンズとJJジョンソンのフロントと、ホレス・シルヴァー、パール・チェンバーズ、アート・ブレイキーのクインテット。M3ではセロニアス・モンクが加わることでシルヴァーと連弾になる。

モンクはいまだ理解できていないので、いいメロディを書くのに実際に弾くと奇天烈な音を出すピアニストというイメージしかなく、M4でもロリンズは一生懸命歌心を発揮し朗々とした低音の音色を響かせる中で、不用意な一音を時折モンクは放り込んでくる。それが良くいえば緊張感ということなのだろうか。

前年に袂を分かったブレイキーとシルヴァーが共演しているのも興味深い。ここを読むと、ギャラの未払いが原因のようだったようで、当時はユニオンを通してやり合っていた頃なのだろうか。しかしブレイキーも麻薬をやっていたというのは知らなかったので衝撃。あの当時はみんなはまっていたのだろうけど、そういう印象が全くなかったから。

良くも悪くもセッションアルバム。瞬間瞬間でそうそこ!そのフレーズ良過ぎってのはあるが、曲としてのまとまり、アルバム1枚での完成度となるとそうした瞬間での妙を超えるには至らない。ジャズはたいていそうんなんだけど。バードのようにテナーをブロウするM2としっとりとしたM6かな、気に入ったのは。
2014.06.15 Sunday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Horace Parlan『Us Three』

Horace Parlan / Us Three
Label: Blue Note
Release: 1960

Personnel:
Horace Parlan - piano
George Tucker - bass
Al Harewood - drums

Recording Date: 1960.04.20

Song List:
01. Us Three
02. I Want To Be Loved
03. Come Rain Or Come Shine
04. Wadin'
05. The Lady Is A Tramp
06. Walkin'
07. Return Engagement


ブルーノート・ベスト50」で23位に選ばれたアルバム。

1931年にペンシルベニア州ピッツバーグに生まれる。5歳の時に小児麻痺を患い、部分的に右手が変形してしまう(YouTube。3分過ぎから手元が見られる)。"右手の薬指と小指は全く使っていない。コードのヴォイシングは原則として左手で行い、その補助役として右手の人差し指と中指、必要に応じて親指が使われる"そうだ。

それでも同地の音楽大学とカーネギー大学で学び、1952年からプロ活動を開始し、1957年にはニューヨークへの進出を果たす。チャーリー・ミンガスのバンドに2年間在籍し、1959年6月からLou Donaldsonのグループに加わり、本作でのベースとドラムもその時の同僚たちだ。ただ、彼のアルバムに参加したのはこの年の7月に録音された『Midnight Sun』までのよう。1973年にパーランはアメリカを離れ、デンマークに移住する。

ミュージシャンとして最も大事な指に障害を抱えながら一線で活動していたことは驚嘆と賞賛の念しかないが、その一方でそのピアノ主体のスリーピースとなると、音数に制限が生まれるためか淡泊になりがちで、どの曲も平坦に聴こえるのは否めない。

上記したブルーノートの人気盤を選出している本の中で、オーディオライターが"ブルーノートなんでもベスト5"というミニ企画で「サウンド・ベスト5」を挙げていて、本作が音のいいアルバム1位になっている。何でも、"とにかくベースのはじけ方が凄まじい"と褒め、"タイトル曲は、もはや恐怖に近い切迫感がある。夜道で不審な男に追いかけられているような感じすらする"とまで書いている。確かにSonny Rollinsのワンホーンアルバムを聴いていて、ベースになると音小さっ!って驚くことがあるけれど、本作にはそれがない。
2014.06.13 Friday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Art Blakey & The Jazz Messengers『Mosaic』

Art Blakey & The Jazz Messengers / Mosaic
Label: Blue Note
Release: 1961

Personnel:
Freddie Hubbard - trumpet
Wayne Shorter - tenor sax
Curtis Fuller - trombone
Cedar Walton - piano
Jymie Merritt - bass
Art Blakey - drums

Recording Date: 1961.10.02

Song List:
01. Mosaic
02. Down Under
03. Children Of The Night
04. Arabia
05. Crisis


ブルーノートファンが選ぶ同レーベルアルバムの「ベスト50」にランクインしたアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ作品としては、4位の『Moanin'』、10位『バードランドの夜Vol.1』、14位『チュニジアの夜』に続くアルバムで21位につけている。

麻薬汚染組のLee MorganとBobby Timmonsが抜けた直後の作品となり、新たにフレディ・ハバードが加入しフロント3菅体制は維持される。ウェイン・ショーター、カーティス・フラー、新加入のシダー・ウォルトンが各1曲、ハバードだけ2曲を提供し、全てオリジナル曲となる。

伸びやかなハバードのトランペットと、雄弁なショーター、背中からどやし続けるブレイキーと各々の確かな技量を感じさせはするけれど、3管らしい絡みの妙が足りず、自分のパートをただ吹いている風にしか聴こえず、アルバムとしてはあまり面白さを覚えない。M4の熱の入った演奏と、M5のメロディの良さには惹かれるのでレコードならB面を聴き込んだのだろう。

ブレイキーはこの時42歳の誕生日を9日後に控えた41歳。一方、58年にニューヨークに進出し早くも名門コンボでブイブイいわせんとするハバードが23歳、ショーターで28歳、フラー26歳、ウォルトン27歳とみんな若い。同じリズム隊のジミー・メリットが辛うじて35歳だったわけで、気心が通じたのだろうか。そんな彼も自分を誘ってくれた同郷の仲間ベニー・ゴルソン、モーガン、ティモンズが抜けたこともあるのか、この翌年に脱退したそうだ。
2014.06.12 Thursday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Dexter Gordon『Gettin' Around』

Dexter Gordon / Gettin' Around
Label: Blue Note
Release: 1965

Personnel:
Dexter Gordon - tenor sax
Bobby Hutcherson - vibraphone
Barry Harris - piano
Bob Cranshaw - bass
Billy Higgins - drums

Recording Date:
1965.05.28: Tr.1, 5-6
1965.05.29: Tr.2-4

Song List:
01. Manha De Carnaval / 黒いオルフェ
02. Who Can I Turn To
03. Heartaches
04. Shiny Stockings
05. Everybody's Somebody's Fool
06. Le Coiffeur


1923年2月ロサンゼルスに生まれたデクスター・ゴードンが42歳の時に録音したアルバム。1961年から65年までのブルーノート時代の最後のアルバムでもある。そのブルーノートファンが選ぶ同レーベルの人気作ランキングでは20位。解説によると当時ジャズ喫茶で大人気盤だったとか。日本人が好きそうな哀愁帯びたメロディのM1を彼の切々としていながら人生の深みすら表現されるテナーで吹かれてはそれも納得だ。どちらかといえばM1ほどは旋律の妙に頼らないM2が好み。デクスターの渋みをさらに深くしているのがボビー・ハッチャーソンのヴァイブラフォンでこの組み合わせは強い。M5もたまらない。人気出るはずだ。

デクスターが主演した1986年の『ラウンド・ミッドナイト』(そういえばハッチャーソンも出てた!)はバド・パウエルの最晩年をモデルにした映画だった。彼は1959年にパリへと渡り、1966年に帰米、そして同年7月に亡くなった。デクスターもまた40年代から華々しく活躍していたものの、50年代後半はヘロインに苦しみ、61年にようやく復帰し、ブルーノートで9枚のリーダー作を残す。そのブルーノート期にパウエル同様、1962年末の欧州ツアーをきっかけにデンマークはコペンハーゲンで暮らすようになる。本作は65年に一時帰国した際にニューヨークで録音した作品となる。

映画ではデクスター扮するデイル・ターナーはパリ生活でアルコールを絶ち、母国に帰り、凱旋公演も成功させるが、再びヨーロッパに戻ることは叶わなかった。デクスターは約20年前の自分にできて、友人だったパウエルにはできなかったことを演じていたわけで、そんなことを思い出しながらブルックリン橋を背景にした若いフランスの友人フランシスとのシーンを撮影したのだろう。今見たらまた違う気持ちで鑑賞できそうだ。デクスターは1976年にアメリカに戻った。

本作はジャズでイメージするところの、あるいはサックスで思い描くところの大人な音楽、かっこいい夜の音楽という表層的ではあるけれど、それでも入り口としては最適な1枚だ。何より理屈抜きに聴きやすい。良盤。
2014.06.06 Friday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Wayne Shorter『Speak No Evil』

Wayne Shorter / Speak No Evil
Label: Blue Note
Release: 1965

Personnel:
Freddie Hubbard - trumpet
Wayne Shorter - tenor sax
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Elvin Jones - drums

Recording Date: 1964.12.24

Song List:
01. Witch Hunt
02. Fee-Fi-Fo-Fum
03. Dance Cadaverous
04. Speak No Evil
05. Infant Eyes
06. Wild Flower


ブルーノートファンが選んだ同レーベルからリリースされたアルバム100枚の内16位の作品。

1933年にニュージャージー州ニューアークで生まれた彼は1956年に私大のニューヨーク大学を卒業後2年間の軍隊生活を経験し、その後ニューヨークで活躍するようになる。1959年にはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに加入し5年間の在籍。マイルズ・デイヴィスは1960年にジョン・コルトレーンが抜けた後、後任にショーターを据えたかったが、ジャズ・メッセンジャーズでの契約があるため叶わず、彼はソニー・スティットを始め、ハンク・モブレー、ジョージ・コールマン、サム・リヴァースと替えていくことになる。1963年にハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスが加わり、さらに翌年秋についにショーターを加入させられたことで、"黄金クインテット"とも称される第二期クインテットが生まれた。

本作はまさにマイルズのバンドに入団した直後のソロ作。黄金クインテットのハンコック、カーターが参加している。64年から1970年にかけて11枚のアルバムをブルーノートに吹き込み、その中で本作が一番の人気盤だ。悪くはないし、オーソドックスなジャズとして充実している。過不足ない熱も感じられる。サイド陣だって相当な気合を感じる(特にハンコックが光る)。が、不思議と惹かれない。もう少し聴き込む必要がありそう。

ジャケットの日本人っぽい女性は彼が1961年に結婚した日系人のTeruka "Irene" Nakagamiという人のようで、彼女との間にできた娘Miyakoに捧げた曲が本作のM5になると米ウィキにあった。アイリーンとの結婚はこの1964年に終わったそう。具体的な日付を知らないが、クリスマスイヴ(!)にレコーディングされているわけで、発売は翌年だったろうし、別れた奥さんの顔が大写しになったアルバムを出すということはよほど未練たらたらだったのだろうか。
2014.06.05 Thursday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Kenny Burrell『Midnight Blue』

Kenny Burrell / Midnight Blue
Label: Blue Note
Release: 1963

Personnel:
Stanley Turrentine - tenor sax
Kenny Burrell - guitar
Major Holley Jr. - bass
Bill English - drums
Ray Barretto - conga

Recording Date: 1963.01.07(8?)

Song List:
01. Chitlins Con Carne
02. Mule
03. Soul Lament
04. Midnight Blue
05. Wavy Gravy
06. Gee Baby Ain't I Good To You
07. Saturday Night Blues
Bonus Track
08. Kenny's Sound
09. K Twist


ブルーノートファンが選出した人気盤100作で15位に入ったアルバム。1931年ミシガン州デトロイト生まれのギターリストで、今も存命のよう。御年82歳。昨年12月に同じジャズギターの大御所ジム・ホールが亡くなっているが、バレルは今もコンスタントにアルバムをリリースしていてまあすごいものだ。

その彼が31歳の時に、ほぼオリジナル曲で固めたブルーズアルバム。シングルトーンの音色は痒いところに手がよく届き、そうそこ!そこをもっとという巧みな演奏が聴ける。ワンホーンでブルーズ一色に染めているため派手さはないが、ベタに題名通りの時間に聴くとハマるのだろう。
2014.06.04 Wednesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Hank Mobley『Soul Station』

Hank Mobley / Soul Station
Label: Blue Note
Release: 1960

Personnel:
Hank Mobley - tenor sax
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Art Blakey - drums

Recording Date: 1960.02.07

Song List:
01. Remember
02. This I Dig of You
03. Dig Dis
04. Split Feelin's
05. Soul Station
06. If I Should Lose You


M1の出だしから歌心ありまくりなテナーのブロウがもう最高で、B級B級いわれながらもジャズファンから愛されているハンク・モブレーの良さを実感できるワンホーン・アルバム。ブルーノートファンが選んだ100作の中で9位につけたのも納得。1票差でLee Morganの『Candy』に負けたわけだけど、私には断然こちらの方が楽しめた。

ウィントン・ケリーの洒脱なブルーズタッチのピアノも素晴らしくて、彼の場合はどうしてリーダー作で奮わないのか不思議になる。ブルーズであるのに、泥臭さとは無縁で都会的でネオンライトがきらめくイメージを持たせる彼の音は聴けばすぐに分かる実に粋な音だ。ベースのポール・チェンバースは不調なのかサイドでリズムキープする分には悪くないが、ソロだと精彩に欠けるのは残念。アート・ブレイキーは悪目立ちすることなく脇に徹していて、モブレーとケリーに花を持たせる。どこまでもスィングし続け、気軽に楽しめる良盤。
2014.06.03 Tuesday 00:00 | ジャズ | comments(0) | trackbacks(0)
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中