すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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tobaccojuice! tobaccojuice! tobaccojuice!

しばしば書いていることだが、このブログは自分が良いと思った作品を広く世に喧伝すべく書いているわけではなく、聴いた端から忘れていくずぶずぶの駄目な脳みその機能を補完するためのものでしかない。しかし、時にこのアーティストは是非とも売れてもらわないと、新しい作品が発表される機会が減り、しまいには解散に至りかねないというグループもいる。そんな事態は、新作を心待ちにし、ある意味で生きる糧としている自分が困ってしまい、不安に駆られるのである。まことに自分勝手なことだが。


tobaccojuiceである。一応メジャーレーベルに所属しているが、売上を考えると風前の灯のような気がしないでもない。意欲作だった昨年のサードアルバムはアルバムチャートの最高位が218位と低く、枚数的にもしれたものだろう。一昨日記事にした最新作は海外のスタンダードナンバーをオリジナルの歌詞でカバーするという何ともマニアックなコンセプトだったが、受けは悪そうだ。チャートには当然のように入っていない。

このまま行くと再びインディーズに逆戻りをしそうで怖い(彼らは一度インディーズ落ちを経験している)。いや、インディーズでも環境さえうまく整えば、メジャーより利益率もいいわけで、悪くないのかもしれない。だが、彼らは本当にいい音楽を作るグループなので、お金のことなど考えずに、ただ音だけに向き合って欲しいと思ってしまうのだ。

僭越なことは分かっている(ホント僭越だよね)が、当ブログに訪れる1日の人数は約1000人。そのうちの半数が検索で辿り着いた人たちなので、置くとして、残りの半数の方はここに何かしらの考えがあってご覧になっているのだろう。もしかしたら私の好む音楽と趣味が合うと思って下さる人もいるかもしれない。そういう方にこそ、このバンドを強力にお薦めしたい!

メディアとしては極めて小さく、ネットの片隅の藻くずのごとくではあるものの、少しでも日本にすばらしいバンドがいることを知って欲しく、YouTubeにアップされているPVを中心に紹介する次第だ。3本しかないのだけど。最新作から2本作られているが、まあ、それはまたの機会に。


前置きが長くてすみません。ようやく本題。

まずは、「ママ」から。これは2006年発表のミニアルバム『Happy Birthday』に収録された曲で、その作品はインディーズからリリースされたが、1年後の2007年にメジャーからミックスし直され、新たにライブ音源4曲が追加され出し直されるという経緯を辿った。

それが『Happy Re-Birthday』だ。お薦めはこっち。

「ママ」を実際に聴いてもらえれば分かるが、歌メロの良さと声質が柔らかいのに時に攻撃的になる辺りが非常にかっこいい。後半のポエトリーが入る辺りはとりわけ魅力的だ。

本作には「ママ」以外にも、「サッチモの青い鳥」、「素敵な三人組」、「ミラクル」といった何とも愛らしくも猛々しい曲が収録
                   されていて、買って絶対に損はナシ。
「ママ」


                作詞:松本敏将 / 作曲:tobaccojuice
                         ※
             風の噂で聞いたのさ あの子がママになったよって
            サラサラサラサラ 髪のなびく あの子がママになったよ

                時をこえ時をこえて 神話や伝説のように
            この時代の喜びも悲しみもいつか子守唄になるだろう

                         ※

          黒い雨が降りそそいだことも 飛行機が引き裂いたあの空も
          少女の日にあの子が流した あの涙さえ子守唄になるだろう

                         ※

                 どっか遠くのフクロウすら知らない森で
               長いこと生きてきた大きな木が倒れたその時に
             この街を歩いてる俺の靴ひもがほどけちまったことを
              偶然だといって終わらせる時代は終わりを告げたよ

                         ※ ×2

     騙し合い憎み合い殺し合い奪い合いそして愛し合って グチャグチャになっちまった
      こんなくそな世界は終わらしちまえと 最高級ホテルの最上階同士で罵り合ってる
                 くそ野郎どもの声が耳鳴りのように響き続け
              今夜にでも何か起こそうと企んでるのは分かってるけど
     どっか遠くのフクロウすら知らない森で 寒さに耐え忍び続けた小さな花のつぼみが
            その花の命が今開くその時に この街を歩いてる俺たちの頬に
         一筋の風が吹き付けることを 終わらせることは誰にも出来やしないだろう


次は、昨年シングルにもなった「工場町」。

音源になる前、初めてこの曲に出会ったライブを今でもよく覚えている。歌い出しを聴いた瞬間、名曲決定だった。同曲は今のところタバコジュースが作った最高傑作と断言しても決していいすぎではないと思う。

ただ何にでも問題はあるもので、メロディの良さとセンチメンタルさいっぱいの歌詞をシンプルなアレンジで引き立たせていた曲だったのに、シングルではストリングスが投入され冗長さが増した上に、その底上げ的な盛り上げに見合うようにか、後半に新たなメロディ("あの日ぼんやり夢見てたんだ~"のところ)が追加されてしまった。柏原譲のプロデュース曲なのだが、この曲に関しては失敗だと思う。

PVでも1分52秒辺りからやっと歌が入る。ストリングスを抜いたシンプルなバンドサウンドでこの曲本来の味わいを楽しみたい方は是非とも先に紹介したミニアルバム『Happy Re-Birthday』を手に取っていただきたい。付け加えられたライブ音源として同曲が収録されている。4人で演奏されるライブバージョンの方がずっといい。

とはいえ、このPVには余分なドラマがあったりもするが、曲そのものは悪くなく、8分と長めだけどご堪能いただきたい。

オーケストラバージョンの「工場町」が収録されているのが昨年の3枚目のアルバム『Headphone Ghost』。ボーカル・松本の沈痛な叫びが響き渡る「ヘッドフォンゴースト」を始め、「風よりはやく」、「サファイヤ」、「ドリームス」といった良曲が並び、名曲ともいえる「ダイヤモンド」も入っている。

「工場町」


                作詞:松本敏将 / 作曲:tobaccojuice
                 粉々のガラス 廃墟のフェンスを越えて
                   ボロボロの靴さ キラキラ走り回る
               盗んだバーボン ジョーカーの足りないトランプ
                おとぎの国の大人の真似をして遊んでるよ

                   霧のかかる夜に 空は暗いけれど
                   廃墟の俺らには星が見えていたよ
                   天気がいい日には屋上に上って
                   何もかも忘れてラジオを聴いてたよ

              遠くに揺れてる沢山の煙突を1つくわえてフカシながら

                   大きな空の下 小さな廃墟の上から
                  ずっと日が暮れるまで 海を見ているよ

                     あの日 町を出る事にしたのは
                    その日の空が晴れていたからさ
                  信号機にもバス停にもイチョウの木にも
                  廃嘘のパーティーにもそっとお別れしたよ

                遠くに揺れてる沢山の煙突の流す煙が道しるべ

                     あの日ぼんやり夢見てたんだ
                 あの廃墟の上からどこへでも飛んで行けるって
                    どこまでもどこまでも飛び続ければ
                        また君に会えるかな

                   大きな空の下 小さな廃墟の上から
                  ずっと日が暮れるまで 海を見ていたよ
                   大きな空の下 小さな工場町から
                  ずっと日が暮れるまで 海を見ていたよ



いよいよ最後の「トライアングル」。これは3曲の中では一番古く、2005年6月にキングレコードからリリースされたシングル。現在は廃盤。

でもライブでは今でも歌われる曲であり、何より音楽への深い信頼が感じられる歌詞がすばらしい。エマーソン北村がプロデュースした音源では、little tempoの田村玄一が叩くスティール・パンが心地良い。

しかし、肩の力を抜きすぎなこのPVは素敵すぎる。最新作のPVでもずっとフクロウを映しているだけとか、こういったホントにメジャーなのと思うようなゆるさがタバコジュースの魅力のひとつだったりもすると思うのだけど。

本作は、セカンドアルバム『幸せの海』にも収録されている。同作は「トライアングル」はもちろん、「僕のペガサス」、「パーティーブルース」といったライブでは必殺の曲が入っているのにもかかわらず、あまり輝いていない不思議な作品。

「トライアングル」


                作詞:松本敏将 / 作曲:tobaccojuice
                   今日のバーティーが終わるまでは
                    魔法かけるよ 呼吸合わせて
                    どうかパーティーが終わるまでは
                    神様 俺達を見守ってください

                     ミュージック それはマジック
                     心のミュージック ミュージック

                  音楽がなれば 枯れた花が咲きはじめる
                  殺し合う人々が殺し合ってる事に気付く
                 疲れきった鳥たちが勇気を出し またはばたく
               ほら空を見ろよ 悲しみを越えて 喜びがやってくるさ

                     ミュージック それはマジック
                     心のミュージック ミュージック
                   俺等のミュージック それはマジック
                    楽しいミュージック ミュージック
                   俺等のミュージック それはマジック
                     心のミュージック ミュージック
                   俺等のミュージック それはマジック
                    楽しいミュージック ミュージック

                   今日のバーティーが終わるまでは
                    魔法かけるよ 呼吸合わせて
                    どうかパーティーが終わるまでは



以上です。貴重なお時間を使い、長い文章を読んでいただきありがとうございます。こんな思い込みだらけの記事で貢献できる売上など高が知れているが、何もしないよりはましだろうという思いから綴りました。最後はタバコジュースのディスコグラフィーです。


【現在発売されている作品】
ジャケット画像をクリックするとアマゾンに飛びます(主義としてアフィリエイトはやっていません)。

2003.04.15 1st mini AL『喜びがやって来る』
記事

ベースが今の人とは違っていた頃の体制でのデビュー作。共同プロデュースの「トライアングル」も収録されている。「プカプカプーカ」や「なにもない」が好き。

2004.09.23 2nd mini AL『青い鳥』
記事

佐藤タイジがプロデュース。PVがないので少しも触れられなかったが、本作は必聴。名作「ガーベラ」が収録されているのだ(歌詞はココ)。"死ぬまでにあと何回このきれいな場所へやって来れるのかい"のリフレインは何度聴いても泣ける。「星の夜」や「はいてすてる」、「幻メルヘンシティー」といった聴かないともったいない曲も入っている。「幻メルヘンシティー」は『Happy Re-Birthday』でライブバージョンが聴ける。

2005.01.13 1st AL『ピカピカサンセットレインボーブルース』
記事

記念すべきファーストフルアルバム。最近の曲とは違い、主義主張の強い曲が多い印象で、荒削りな音共々味わいがある。「リトルボーイがやってくる」や「虹の降りる街」、ライブの定番「スモーキーラム」がお気に入り。

2005.11.02 2nd AL『幸せの海』
記事

上でも書いたが、あまり聴かないアルバム。静かな曲が多く、凪いだ海のよう。決して悪いわけではないけどね。

2006.12.06 3rd mini AL『Happy Birthday』
記事

復活作にして名盤。ただ、『Happy Re-Birthday』が出た今となっては、そっちを聴いた方がいい。ミックスの違いがあまり分からないろくでなしの私の耳にはボリュームがある方がお得だ。でもジャケットは断然こっち。

2007.11.07 【再発】3rd mini AL『Happy Re-Birthday』

上のサードミニアルバムの曲をミックスし直し、ライブ音源を4曲プラスした作品。tobaccojuice入門編としては今作を強力にプッシュしたい。次は『青い鳥』かな。

2008.03.26 2nd SG『工場町』

アニメ「トム・ソーヤーの冒険」の主題歌をカバーしたカップリングの「誰よりも遠くへ」はここでしか聴けない。

2008.06.18 3rd AL『HEADPHONE GHOST』
記事

よりロック色が強くなった作品でもあり、バンドとしての一体感も出ている。まだまだ新しい顔を見せるタバコジュースがすばらしい。『青い鳥』の次はこれかな。

2009.04.22 cover mini AL『ゆめのうた』
記事

決して悪い作品ではないし、歌詞にはタバコジュースの色が出ていたり、カバーだからこそ出せた味もあったりして面白いのだが、如何せんコストパフォーマンスが悪すぎる。でも、「ザ・ローズ」や「ブルーベリー・ヒル」は聴く価値あり。
2009.05.03 Sunday 23:59 | お勧めの逸品 | comments(12) | trackbacks(0)
お勧めの逸品
気づいたらずいぶんな記事の数になっていて、手早く書き手の趣味趣向が分かるまとめページ的なものが欲しいというリクエストがあり、このカテゴリーを作りました。

音楽(ポップス&ロック、日本語ラップ、洋楽)、小説、映画についてすでに書いてあるものを中心に随時まとめていきます。また、これまでも余興で音楽と映画ついては年間ランキングを作っています。もしよろしければそちらもチェックしてみてください。

【音楽】
→ポップス&ロック
→日本語ラップ その1
→洋楽


【小説】


【映画】


【年間ランキング】
※音楽
2005年
2006年
2007年
2008年

※映画
2006年
2007年
2008年
2003.01.01 Wednesday 23:59 | お勧めの逸品 | comments(0) | trackbacks(0)
音楽 ヒップホップ編 その1
まず最初に、2年ぐらい前の話ですが、「ヒップホップ☆チェキィ!」というサイト(現在は更新停止)で、あなたが選ぶ日本語ラップの10枚という企画があり、それに送った10枚を挙げておきます。今とあまり変わりませんので。1行コメントも当時のままです。


第1位

降神『降神』 →記事
日本語ラップがより精神性の高いものになっていくのだなと感じた1枚。


第2位

THA BLUE HERB『STILLING, STILL DREAMING』 →記事
ボスの凶暴なリリックとO.N.O.の不穏なトラックが絶妙に絡み合ったアルバム。生々しさが最高。


第3位

Shing02『緑黄色人種』 →記事
知性溢れる、深みのあるリリックに圧倒される1枚。


第4位

スチャダラパー『FUN-KEY LP』 →記事
5th Wheel 2 the coach』も大好きだが、韻をしっかり踏むことも簡単にできるゾと証明したこのアルバムはよく聴いた。なによりファンキーなシンコのトラックがいい。


第5位

Takatsuki『hiphop music』 →記事
ウッドベースに関西弁の独特なリリック。2枚目も捨てがたいが、「なつ」が入っているこっちを。


第6位

SOUL SCREAM『Future is Now』
捨て曲なし。『The positive gravity ~案とヒント~』は「蜂と蝶」が収録されていてかなりいいが、説教臭い「7つの敵」や「7つの味方」がイヤなので、こっちのアルバムの方がいい。


第7位

BUDDHA BRAND『病める無限のブッダの世界 ~BEST OF THE BEST(金字塔)~』 →記事
インストが、初めて聴いていて楽しいと思ったアルバム。


第8位

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND『NITRO MICROPHONE UNDERGROUND』 →記事
当時はこの総勢8名の勢いといったらなかった。トラックのファンキーさも際だっていたし、この1枚で日本語ラップの歴史は確実に変わったと思う。


第9位

TWIGY『SEVEN DIMENSIONS』 →記事
どこから切り込んでくるか分からないTWIGYのラップは聴いていて楽しい。


第10位

MURO『PAN RHYTHM:Flight No.11154』 →記事
MUROもDLと同じようにインストの素晴らしさを教えてくれたアルバム。気持ち悪い声なのに不思議と聴き入ってしまうラップもいい。
2003.01.01 Wednesday 20:59 | お勧めの逸品 | comments(1) | trackbacks(0)
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