すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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アサイ 『木根さんの1人でキネマ』第1巻

2016年1月発売。

これは楽しい漫画。30代の女性映画ブロガーがその強過ぎる映画愛を全力で語るコメディ漫画で、取り上げられる映画が小憎たらしいフランス映画とか小難しいインディーズ作品ではなく、超有名大作がメインなのが良い。1作目からして『ターミネーター3』で、次はマイケル・ベイ監督、ウィル・スミス主演の『バッド・ボーイズ2バッド』。

"血が飛び散ったり、爆発したり、ドンパチしたり、人が死ぬ映画ばっか見るように"なったという回想や、"私が面白いと思った映画こそが最高に面白い映画なのよ!"(このブログの存在意義を的確に表現してもいる)など、パンチラインばかりで本当に面白い。それと、映画をネタにしているということで、各回の"未公開シーン"があったり、エンドロール後のおまけ映像のような話が足されている構成もいい。

残念なのは、ビジネススーツになぜか下着が透けてたりなどの不自然なサービスカットが結構あることか。そもそもこの表紙がアレだ。そんなことしなくても勝負できる内容の面白さだと思う。
2016.03.06 Sunday 23:58 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
ねむようこ 『ふつつかなヨメですが!』第1巻

2016年2月発売。

小学館の「スピリッツ」で昨年から連載が始まったねむようこの最新作。彼女にとって青年誌は初とのこと。

"高校2年生の小向大の家にやってきた兄嫁の小麦。新居が決まるまでの仮住まいだったはずが、兄・徹の急な海外出張で、そのまま同居することに。この兄嫁、かわいくて気の利く理想のお嫁さんかと思いきや、料理、洗濯が一切できないうえに、危険な秘密の過去まであって・・・"。

元ヤンキーだった過去も含めて、その猫かぶりを剥がされたくない小麦と、純情高校生の義弟・大、彼女を追い出したいブラコンの妹・紫との攻防といった今時ここで笑いを作るのかといったベタに過ぎるホームコメディ。SNSで以前紹介してもらった『とりあえず地球が滅びる前に』がホント面白くて、ドラマ化されてるのを先に見ている『午前3時の無法地帯』もこのねむようこと知って、過去作を少しずつ集めているところなのだけど、最新作は青年誌連載ということも影響しているのか、男性読者を意識し過ぎて正直この1巻を読んだ限りでは微妙。
2016.02.14 Sunday 23:58 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
小池ノクト 『6000 (ロクセン)』全4巻

2011年3月発売。      2011年9月発売。      2012年3月発売。

2012年8月発売。

現在は新作『マッシュルーム』を掲載している幻冬舎の月刊誌「月刊コミック バーズ」で2010年11月から2012年9月まで連載していた深海を舞台にしたホラー漫画。私は古本で揃えたのだけど、新刊にはハリウッドで映画化という帯が巻かれていた。そのニュースを伝えるナタリーの記事を読んで、小池ノクトが兄妹によるユニットだと知る。映像化権が買われたからといって必ずしも作品化されるわけではないけれど、もしそれなりの製作費をかけて作られるなら楽しみ。

6千メートルの深海にある施設を3年ぶりに再稼働することになり、手伝いで降りた主人公が直面する恐怖を描く。逃げ場のない閉鎖空間で、3年前の閉鎖の原因となった謎の事件が徐々に明らかとなっていき、精神的にまいるだけではなく、しっかりバケモノも登場させ、出し惜しみをしないホラーになってはいるが、深海で仕事をしようという技術者・科学者がどうして古代文明について絵が描けるほど詳しいのか?、他にも減圧の問題は?とか気になるところはある(粗探しでしかないが)。とはいえ、よくまとまっているし、読みやすい。
2015.11.10 Tuesday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
かわぐちかいじ 『空母いぶき』第1〜2巻

2015年9月同時発売。

"『沈黙の艦隊』『ジパング』に続く、かわぐちかいじの新軍事エンターテインメント"。『沈黙の艦隊』は設定の面白さに加えて強いメッセージ性にも惹かれて読んでいたが、『ジパング』はその設定でハマれず、『太陽の黙示録』も立ち読み程度で、それほど興味を持てなかった。そこに来て、再び現実的な物語を描き始めたというのでこの新シリーズは手に取った。

日本の防衛問題と軍事拡張を強く推し進める中国の問題を真正面から描いている。この2冊ではまだ世界観の説明で、海江田四郎を彷彿させるかわぐちかいじらしい主人公が、今回もなにやら腹に一物あるようで、その彼が最新鋭空母いぶきの艦長に就任し、日本が現在抱える問題・矛盾を露わにしていくのだろう。面白くなりそう。
2015.11.07 Saturday 23:56 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
都留泰作 『ムシヌユン』第1〜2巻

2014年7月発売。       2015年4月発売。

作者の前作『ナチュン』は2巻まで読んであまりの絵の下手さに放り投げた。本作もSNSで題名だけ紹介され書店で探し当てたら、都留泰作の新シリーズと分かり、最初は手に取るのも嫌だとすぐに棚に戻したが、まあものは試しと挑戦してみた。ウィキペディアによると現在は京都精華大学マンガ学部で教えているらしいが、カメルーンなどでフィールドワークも行う文化人類学者でもあるそう。絵が下手なのは仕方ないのだろう。


今回も作者が大学院の頃に調査研究していた沖縄を舞台に、昆虫博士に憧れるもただ虫が好きなだけではなれずに5回も院試に落ち続けた主人公・上原(童貞)が、失意のもと母を頼り日本最南端の島・与那瀬島に帰る。しかし、ちょうど世紀の天体ショーが見られるということで島は観光客で大賑わいでゆっくりできない。そんな中、宇宙から飛来してきた光が彼に突き刺さり、体の一部が変貌を遂げ始める。


単行本としては2冊出ているが、いまだ話がどういう方向に進むのか分からない。理解できるのは宇宙からのアレやコレやがおそらく関わり突然変異した巨根に振り回され、性欲と食欲をひたすら渇望する童貞青年と化した主人公の哀れな悪戦苦闘ぶりと、『アンダー・ザ・ドーム』の設定を引用するのはまだ早いのではという思いだ(そういえば同じアフタヌーン組の『花井沢町公民館便り』も)。

第1巻を読み、相変らず絵が下手だし(味とはいいたくない)、卑屈な主人公にも辟易させられたのでやっぱりこの漫画家とは合わないと思ったのに、それでも第2巻を買い足したのは、正直に書くとエロ要素が大きい。男は当然、女性を描かせてもさっぱりかわいくもきれいでもないのだけど、不思議とエロい。劇画的なエロさ。あくまでも妄想だけど、この主人公と同じ気持ちをいまだ引きずり続けている作者が積年の想いをひとコマひとコマに刻み付けているのだろう。だから本作の具体的なテーマは知らないが、"性欲"という一点についてはすさまじい勢いで描かれている。その熱意には確かに惹きつけられる何かがある。
2015.11.05 Thursday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
沙村広明 『波よ聞いてくれ』第1巻

2015年5月発売。

沙村広明のデビュー作『無限の住人』は月刊誌「アフタヌーン」を購入していた頃に連載作のひとつとして読んではいた。ただ、それが面白いのかどうかはよく分からず、つい最近まで続いていた(2012年)と知って驚いている。それと、多摩美の油絵科を出ているというのも今ウィキを読んで知ったが、ジャンルを大きく変えられる(読んでないけど単行本の表紙は棚で見た)起用さはそういうことかと納得できた。

ともかく、これもSNSで教わった作品で、その前から気になってはいたのだけど、『無限の住人』の人という印象が強くてどうも手に取れなかったのだけど、まあそんなためらいは本当に無駄だった。つべこべいわずさっさと読むべき新作だ。


札幌のスープカレー屋でホールを担当するアルバイト店員・鼓田ミナレ25歳はひょんなことから地元のラジオ局のディレクター麻藤に見込まれ、ディスクジョッキーへと転身することに。


大まかな1巻のストーリーではあるが、その細部に詰め込まれたそれぞれの小話が秀逸で、それはセリフからも絵からも、カメへのエサ上げ指示書やラジオから流れる曲といった些細な点にもいかんなく盛り込まれている。そうしたぎっちぎっちの小ネタが怒涛の流れを作る。まだ1巻で物語自体が本当にラジオの話になるのか予断を許さないが、作品の持つ勢いは主人公ミナレが業界歴の長い麻藤に認められた才能そのものでもある。よどみなく話す天性の資質はもちろん、"音域が高く、人を安心させず、アジテーターじみた傲慢な響き"と評されるのだけど、主人公が実際にラジオに出演するシーンはまだ少ないものの、この1巻全体の印象は、まさにその引用通りの雰囲気になっている。これは面白くなりそう。
2015.10.31 Saturday 23:58 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
太田垣康男 『サンダーボルト』第6巻

2015年10月発売。

地球に降り、南洋同盟支配地域を進軍する地球連邦軍ペガサス級強襲揚陸艦スパルタンの前衛部隊が、南極でジオン残党の急襲される。前半は次々に時間をさかのぼる構成で、ガンキャノン・アクアを駆るビアンカ・カーライル少尉が活躍し、後半で我らが主人公のひとりイオ・フレミング少尉のアトラスガンダムが初陣を飾る。そして最後にはスパルタンの霊安室で合掌する兵士がひとり・・・。


相変らずの迫力ある戦闘シーンやディテールの細かさ(刺青のエピソードが特に良かった)に加えて、前半の変化を付けた構成の妙や、新キャラながら女性版イオみたいなビアンカの登場(コーネリアスの嫉妬)など読みどころが多く、今回も楽しいわけだけど、口絵のカラーページで飛躍するアトラスガンダムの図になんだか違和感覚えたのも事実で、これまで納得してきたゴテゴテしたデザインの太田垣版モビルスーツが少しどうなんだろうという疑問を持ち始めた。3本爪ならぬ4本もあるズゴックとか微妙な改良だけど、パワフルさが増していいんだけどね。
2015.10.30 Friday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
烏丸匡 『ドールズ フォークロア』全3巻

2012年2月発売。      2012年7月発売。     2012年11月発売。

「月刊少年ライバル」で2011年9月号から翌年の10月号まで約1年間連載していた漫画。烏丸匡(現・カラスマタスク)の初連載作『REIDEEN』と次の『シャングリ・ラ』は原作ありきの作品だったが、この『ド−ルズ フォークロア』は初のオリジナル作となり、気合が入っていたのか設定がずいぶんと凝っていて面白い。


10年前に発生した108名の児童が連続失踪し、いまだ未解決のハーメルン事件。唯一の生存者・小山田要介は、事件以来悪霊が見える体質になっていた。霊に怯え引きこもりがちな要介の前に、退魔の力を持つ御崎カンノが現れる。悪霊の正体は人間の強い想いが生む"人形(ドール)"だと知らされた要介は彼女に同行し、10年前の事件で要介を助け行方不明となった"お姉ちゃん"と瓜二つのドール・マキナと出会う。


人間の強い想いが凝縮して悪霊/バケモノが生まれるという設定は古今東西ありふれたものだけど、例えば無念な想いを残して死んでいったかどうかという事実関係とは関係なく、その後に人々が怪談めいた噂話としてその物語(フォークロア)を伝えていくだけでも"ドール"が生まれる要因になるという設定はユニークだし、さらにその人々が創り出したイメージの先にはそのドールたちが進めないというのも面白い。

ストーリーを大雑把にまとめれば、主人公・要介がミサキ機関対人形管理局(エヴァのイメージを多分に借りてる)に所属し、カンノや仲間の力を借りながら、自分も被害にあった10年前の事件の真相を突き詰めていく。最凶ドール・マキナの誕生の秘密や創り出した人間の思惑、神の概念など風呂敷の広げ具合も悪くなく、全3巻ですっきり収まってはいるのだけど、すっきりし過ぎて余裕がない印象も受ける。ドール退治のエピソードはもう少し増やせそうだし、打ち切りだったのかあるいは1年とあらかじめ決められた長さだったのかは分からないが、もう少しこの世界観に浸りたい。それだけの容量はしっかり用意されているのだから。

ただ、最近の少年誌(でいいのかな?)の常なのか、やけに胸が大きくそれを強調したカットの羅列などいかにな"オタク"向けの絵には辟易させられる。また、主人公のキャラ付けを強くしたいのか、"ッス"を多用する話し方も最後まで引っかかった。バケモノであるドールの姿も独特で、絵柄そのものは良いもの持ってるし、それで設定もよくねられているわけで、なんだかもったいない。
2015.10.24 Saturday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
佐々大河 『ふしぎの国のバード』第1巻

2015年5月発売。

これは良い漫画。『ダンジョン飯』や『A子さんの恋人』が掲載されている(ほぼ)月刊誌の「ハルタ」が気になって、最新号「ハルタ 2015 - OCTOBER volume 28」を買ってみたのだけど、これが面白くない。その2作が際立っていて、読み切りの作品でもいくつか光るものはあったが、連載物は軒並みダメだった。その中でも唯一良かったのが本作。ウィキで雑誌のページを見ると、"新人作家を中心に掲載するというコンセプトを持つ隔月刊の漫画誌として2008年10月14日に刊行を開始する。連載作品数の割に読み切り作品の数も比較的多いという珍しい誌面構成の漫画誌となった"とあったから生きの良い漫画家に出会えると期待しただけに残念だ。

明治初頭、まだ外国人の自由な旅行が認められていなかった時代に、伊藤鶴吉という通訳ひとりを従えて、蝦夷まで旅をし、『Unbeaten Tracks in Japan / 日本奥地紀行』を記した英国人女流冒険家イザベラ・バードの日本発見紀行漫画。

その旅行記を読んでいないので、どこからが創作なのか分からないが、江戸期までの奇跡的に純粋培養されていたような日本が、西洋文明と出会ったことで"ひとつの文明が滅びた"わけだけど、その端境期の人々の生活や慣習が切り取られている。とはいえ江戸までの日本が何も本当のこの国の姿ではないし、もともと中国や朝鮮半島からの文化を土台として発展した文明であり、"純粋培養"でもなんでもないわけだけど、それでもかつての日本の姿を垣間見られるのは面白い。

願わくば、外国人が日本を絶賛するのを映すだけの今の気持ち悪いテレビ番組のようにはならないで欲しい。当時の西洋人(もちろんそれは決して文明人というわけではない)が忌憚のない視点で見て感じとったことこそが興味深いのであり、勉強にもなるのだから。以前は、『菊と刀』を持ち出すまでもなく、そうした外国人の批評や感想をありがたく頂戴して教えられていたように思うのだけど、国が弱くなると持ち上げてもらうことに汲々として、何とも浅ましい限りだ。
2015.10.20 Tuesday 23:57 | 漫画 | comments(1) | trackbacks(0)
新井英樹 『なぎさにて』第1巻

2015年9月発売。

新井英樹。ご多分に漏れず『ザ・ワールド・イズ・マイン』は楽しんだし、ボクシング漫画『シュガー』『RIN』も好きだったけれど、『キーチ!!』は途中までで当然その続編『キーチVS』は手を付けられず、近作『SCATTER』も読んでいない。でもまあ今年は急に自分の中で漫画に目覚めてしまったし、ちょうど第1巻なのだからと手に取ってみたはいいが、どうにもハマれない。

世界各地に巨大な"豆の木"が突然生え始め、それがある日破裂すると飛び出た樹液で人々が死に、土壌も汚染させれていく。2011年に1本目が南アフリカ・ケープタウンに生えてから4年間で50万人が亡くなった。そして日本でも"豆の木"が伸び、その下で暮らす東京・下町の女子高生・杉浦渚は否が応でも世界の終わりを意識してしまう。顔が好みだからと名前も知らない男の子に告白するが・・・。

主人公・渚がこれまでの新井作品らしい(例えば石川凛)ひたすら落ち着かない言動のキャラクターで、その家族も露悪的でありながら同時に他者に気づかもできるみたいなどこかで見た性質のキャラばかりで新鮮味がない。そうなると救いは終末ものになるらしい設定のみだが、この1巻だけではどう転ぶかまだ分からない。とはいえ、『ザ・ワールド・イズ・マイン』のようにぶっ飛んだ漫画にならないのは確かだろう。
2015.10.11 Sunday 23:57 | 漫画 | comments(0) | trackbacks(0)
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