すばらしくてNICE CHOICE

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殺人の追憶 / Memories Of Murder

90点/100点満点中

2003年の韓国映画(日本公開は2004年3月)。
見終わった直後、すごい映画だと感じたが、
その後も「すごかったな、すごかったな」と
じわじわ思い出される映画だ。

1986年から1991年まで続いた韓国農村部での
女性のみ計10人が殺された「ファソン連続殺人事件」を題材にしている。
事件は未解決だ。

最初の1時間ぐらいは、田舎刑事のグダグダな捜査が続き、
下手くそなコメディを見せられるが、
後半に向かう勢いは目を見張る。

印象的なのは、やはり犯人とされる徴兵帰りの男の眼だ。
いかにもこいつが真犯人だと描かれる。
ソウルから応援に来た刑事が、ついにブチ切れて拳銃を突きつけるが、
田舎刑事に止められ、にらみ合うシーン。
ここに、すべてが詰まっている。
この高みまで登ってくるために、それまでの
くだらない場面があったのかとすら思える。

映画の中では、真犯人と疑われる男は、犯行に及ぶ日には
ラジオ番組にある曲をリクエストする。
(このエピソードはHPの監督インタビューによると創作とのこと)
その葉書には自分の住所氏名まで書いてあった。
ここからこの容疑者を見つけ出すのだが、
シリアルキラーものによくある話だ。
自分を見つけて欲しいのだ。
殺人なんてもう止めたいと思っているけれど、
独りではその衝動を止められないからだ。
その欲求から楽になりたいから、見つけられたいのだ。

刑事とにらみ合うシーンで、
自分が犯人であることを、そして捕まえて欲しいという思いと、
逮捕なんてされたくないという両方の相反する感情が
容疑者役のその顔から読み取れるのだ。
あれはすごい演技力だと思う。

また、極めて良質なホラー要素もある映画だ。

ラストシーン。
数年後、田舎刑事は警察を辞めてパソコン系の営業マンになっていた。
営業の途中、ふと立ち寄る最初の死体発見現場。
男は、映画の冒頭と同じようにゆっくり排水溝をのぞきみる。
カメラもまた静かにその動きを追う。
なかなか中を見せない。
見ている観客は、また無惨な死体があるのではないかと想像してしまう。
頼むから映すなよと。
それでも、委細かまわずほの暗い排水溝を映し出す。

死体などは当然ないのだが、
ほっとするまでのあの短い時間には本格ホラー映画でも
なかなか味わえない恐怖があった。

その後の、これまた冒頭と同じように子どもが
話しかけてくる場面はいらないと思った。
その子どもが、「ちょっと前にも同じようにのぞき込んでいる人がいた」
と言い、その男は、「自分が昔ここでしたことを思い出していた」
と話したと、元刑事に告げる。
「どんな顔をしていたのか」と問うと、
子どもは「普通の顔だった。どこにでもいる顔だった」と答える。

未解決の事件。
犯人はどこかで普通に生活しているという恐怖を描くが、
蛇足ではないだろうか?
排水溝をのぞき見るシーンで終わるのが余韻もあっていいように思った。


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<ポン・ジュノ監督作品>
2000年 ほえる犬は噛まない
2003年 殺人の追憶
2004年 三人三色
2005年 南極日誌【脚本のみ】
2006年 グエムル -漢江の怪物-
2008年 TOKYO!【オムニバス】
2009年 母なる証明
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2006.02.01 Wednesday 00:00 | 映画 | comments(0) | trackbacks(1)
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