シカゴランダム『ロック・ハリウッド』

2007年6月14日リリースのファーストアルバム。
JUUとJ-RECというふたりのMCとDJ JINMAN、DJ SHINOによる、福岡は博多出身の4人組。
視聴機でイントロからの流れを聴いただけで、買うことを決めたけど、間違いなかった。
すごくいい。
ここ数日ずっと聴いてる。
飽きがこない。
"夕日をバックに彼は言った「オレ達の国境は地平線さ」"
と、ラップされるM3「PUNKY BAD」。
まさかヒップホップで、Blankey Jet Cityの詩が聴けるとは。
「フォルテシッシモヒーターボックス」のバックのカッティングギターもブランキーっぽい。
ふたりのMCは若干声質が似ているが、比較的オーソドックスなスタイルのJUUと、
それに比べればフリーキーなフロウを聴かせるJ-REC。
餓鬼レンジャーのGPが参加した1曲とリミックス2曲以外の曲をプロデュースした、
CHABASS10(ネットで検索すると「CAHBASS10」という表記もあった。
しかも、JUUCAWAと同一人物らしい)のトラックが本当に素晴らしい。
サンプリング重視のトラックが暖かみとファンキーさを醸し出している。
1曲目から13曲目まで捨て曲なし。
客演もBONB044や海、BIG FACE、SINGYO AL-M(この人のラップはなかなか良かった)と
少なく、主役のふたりのラップを楽しめるのがいい。
ふたりの実力なら客演もいらなかったのではないかと思うぐらい。
奇をてらった音やフロウがあるわけではなく、
純粋にヒップホップという音楽を楽しめるアルバムだ。
これまでもありそうでなかった。
各種のパーツはよくありそうだが、ここまで揃って素晴らしいのはなかったと思う。
音の種類の話ではなく、あくまでも受けた衝撃の話だが、
この感じ方はJurassic 5を最初に聴いたときに近いかも。
かつてはありふれたスタイルだったけれど、今では誰もやっていなかったので、逆に新鮮だった。
それに近いのかな。
楽曲とラップを磨けば、まだまだヒップホップには明るい未来があることを証明するような作品。
とてもいい。