すばらしくてNICE CHOICE

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Dragon Ash『Viva La Revolution』
1998年5月リリースのシングル『陽はまたのぼりくりかえす』、7月の『Under Age's Song』で
スマッシュヒットを飛ばし、ついに9月のセカンド『Buzz Songs』で大ブレイクしたDragon Ash。

それから半年後の1999年3月3日にリリースしたのが、
この4枚目のシングル『Let yourself go, Let myself go』。

表題曲のM1は、もう完全にヒップホップ仕様。
スクラッチと一体化し、リラックスした演奏もかっこいいし、
フックの歌メロも歓喜に満ち満ちている。

"突き抜けろ空へ 両手をいっぱいに広げて行こう
 蹴り飛ばせ不安を 今は目の前のドアを開けよう"

M2「Humanity」も、後にサードアルバムに収録されるバージョンより、
ベースラインが渋く、めちゃくちゃいい。それと、ピアノループ。素敵すぎる。
リリックも熱く共闘をリスナーに呼びかける。

"立ちはだかるのは多難の道 避けては通れぬ茨の道
 突き進むなら傷は必至 承知の上で進むならいいし
 高らかに歌い続ける この言葉盾に歩き続ける
 僕らは歌い続ける キミ達も何かでここに並ぼう"
"周りには仲間がいる 共闘してくれるキミ達がいる
 それでも傷を舐め合うのではなく 共に誇らしく笑い合いたい"

当時の恋人へ向けて歌ったラブソングのM3「M」。
率直に愛を歌うラップって少ないように思うけれど、
こんな感じで歌うなら、いいなと思う。

"満たされることのない生活に 火を灯したアナタは確かに
 僕の中にいつもあるような 不安や恐怖受け止めるような
 海より深く空より広い 大きな愛を与えてくれました
 長く長く暗いトンネル アナタは光をさしてくれました"

フックではさらに優しく歌われる。
"溢れ出す愛をここに綴ろう 共に生きるこの日々について
 この手はアナタを暖めるため この唇は涙ぬぐうため"

オリコン初登場第7位を記録した『Let yourself go, Let myself go』
が、まだ10位内をうろうろしてロングヒットになっていたところに、
1999年5月1日、シングルを2枚同時にリリース。
この『Grateful Days feat.ACO & ZEEBRA』は初登場第3位。
翌週には初のチャートトップに昇りつめた。
売上的にも92.2万枚と、一番売れたシングル。
M1のオリジナルバージョンにはスマッシング・パンプキンズの「Today」が使われていて、
センスの良さが光る。
M2はリミックスで、できは普通。
M3の「Unplugged Mix」は結構いい。アコースティックギターによるアルペジオが素敵。

このシングルの功績は、ドラゴン・アッシュの人気を決定づけたと共に、
ジブラをフックアップしたことだろう。
この年の2月に出されたジブラのリミックスシングル『THE RHYME ANIMAL REMIX E.P.2』に、
収録された「真っ昼間 (Remix)」を降谷建志が手掛けたことで繋がりができたらしい。

ジブラの有名なライン、
"俺は東京生まれ HIP HOP育ち 悪そうな奴は大体友達" が、
当時テレビでも街中でも必ず流れていて、本当に本当に本当にバカっぽくて、
ヒップホップってこんなに頭が悪そうなジャンルなのかと思ったのを覚えている。
ジブラはもちろん、さんぴんCAMPも、DJ KRUSHすら知らなかった私には衝撃だった。
他人だけど、聴くたびに恥ずかしくなったのをよく覚えている。
スチャダラパーやTokyo No.1 Soul Setと同じものとはとてもではないけれど、思えなかった。

ジブラがあのラインを吹き込むときに、どこまで自分の声が届くことになるのか、
想像したのかどうかは知らない。
実際には、90万人以上の人がCDを手にし、さらにメディアに乗って日本中の人々の耳に
あの一度聴いたら耳にこびりついて離れない、秀逸すぎるパンチラインが行き渡った。

それは、ヒップホップにある種の色を付けてしまった瞬間だと思う。
いまだに、"ありとあらゆるグッドミュージックジャンキーからバカにされて、期待もされないで、
ガキの不良のおもちゃだと思われている"のはあのラインにも要因のひとつはあるだろう。
ジブラの功罪は計り知れない。

ただ、こんな思いは、
"ブーツでドアをドカーッとけって ルカーッと叫んでドカドカ行って
 テーブルのピザ プラスモーチキン ビールで一気に流しこみ ゲップでみんなにセイ ハロー"
なんて、ライムが好きな人間が思っていることなのかもしれないけれどさ。
日本語ラップの存在をもう一度世間に知らしめたという意味においては、
降谷建志と共にジブラは賞賛される資格を持つ。


音楽的な面では、降谷のラップの成長が著しい。
ジブラがうまいのは当然だけど、降谷もまたメキメキと上達しているのがうかがわれる。
彼自身が尊敬するラッパーが客演してくれたことが、相当な自信になったのだろう。
また"枯れることなく咲く百合の紋章"と初めて、"百合"という言葉が使われた曲でもある。
それと、今聴いても感心するのはACOのコーラス。
この頃の声と、歌メロのすぐれた曲を歌って欲しい。

1999年5月1日同時リリースのシングル『I LOVE HIP HOP』。
こっちはワンランク下がって、オリコン初登場4位。
Joan Jett & The Blackheartsの「I Love Rock & Roll」を
巧くというか、ベタにサンプリング。これはもうチョイスした者が勝者だろう。
痛快のひと言。
"満を持してこんな時代に登場 HIPHOP PUNKS 織り交ぜて今参上
 期待の選手 We're Dragon Ash 共に行こう駆け抜けろ青春"

とヒップホップに希望を抱え、無邪気にラップする姿が今となっては悲しい。
なんとも直球すぎるタイトルをつけた降谷。
明るい未来が見えたんだろうなぁ。

M2「Freedom of Expression」に続く、繋ぎのリリックに、
英詩で、"そうさ、表現の自由を手に入れたんだ"と歌われ、
そのM2では、さらにヒップホップへの純粋な気持ちが吐露されている。
英詩を意訳すると、

"ロックンロールはこのばかげた国に生まれ育った僕の青春そのものだった
 ヒップホップは僕にとって賛美歌のようなもので、僕の全てだ"


シングルがチャートで猛威を振るう中、1999年7月23日、サードアルバムがリリースされた。

ドラムロールが鳴り響くM1「Intro」を経て、M2が「Communication」。
権利関係でもめたらしく「I LOVE HIP HOP」のトラックを差し替えた作品。
元曲にあった面白味がかなり薄れてしまっている。
当然だけど、「I Love Rock & Roll」だから笑えたのだ。

M1からM7「Let yourself go, Let myself go」までがヒップホップサイド。
丸々英詩でラップするヴァースがあったりするところからは、
日本語でラップをすることに四苦八苦していた先人達とは違う立ち位置にいることが伺える。
下手な発音でラップされる英詩のリリックよりも、
降谷の持ち味は日本語でこそ生かされると思うけれどね。
M3「Rock the beat」には、"Respect for the ZEEBRA"というリリックがある。

M8「Dark cherries」はゆるいレゲエのリズムにスノボ賛歌が歌われる。
"Dark cherries"とは降谷が率いるスノーボードチームらしい。

M9「Drugs can't kill teens」からM12「Freedom of Expression」までは、
POTSHOTやSCAFUL KING、Hi-STANDARDあたりの影響を受けたような曲調で、
英詩ではあるけれど、親しみやすいメロディのため、あまり気にしないで聴ける。

M13「Nouvelle Vague #2」でインストを挟み、再びラップを2曲。
M14「Viva la revolution」は、ライブの最後に歌われ、
降谷は歌いながら感極まって泣き出すほどの大切な曲らしい。
自分が聴いていた当時はどう思っていたのかも思い出せないけれど、
今はどこがいいのかさっぱり分からない。
ドラゴン・アッシュらしい曲だなと思うぐらいか。

"はるか遠くの地では残酷な日々が続くのにこんな僕ら
 ちっぽけな壁を目の前に立ちすくんでるような
 海のむこうの空 赤く染まる頃こんな僕ら
 ちっぽけな壁なんざぶちこわして次のこと始めよう さあ"
"勝ちとった小さなプライドポケットにつめ込んで
 またここに立ってみる 少し誇らしげな顔の自分がいる
 満面の笑みを浮かべているキミ達がすぐ目の前に見える"

このアルバムを通して、百合のしるしの下に集い、共闘を呼びかけてきたドラゴン・アッシュ。
そして、何かしらを覆し、その成し遂げたことを誇る歌なのか。

続くM14「Grateful Days feat.ACO & ZEEBRA」では感謝の気持ちが歌われる。

約1分ほどの「Outro」を経て無音が続き、17分26分過ぎに短めのふざけた寸劇があり、
その後にシークレットトラック「Hot Cake」が収録されている。
毎回何かしらの隠しトラックがあるけれど、前作の「Iceman」と同じで、至極真っ当なロック。
自分たちの出自を確認するような曲なのだろうか。
このバンドは変化していくことにこそ存在意義があると勝手に思っているので、
旧態然とした曲調で面白くない。

ドラゴン・アッシュの中では一番売れた作品で、唯一ミリオンを突破したアルバムでもある。
確かにアルバムの構成にメリハリがあり、ラップだけでは飽きてしまうところに、
タイミング良くゆったりした曲を入れ、短めのロックを数曲挟み、締めで大ヒットシングル。
全部で15曲も収録されていながら、同じ曲数の『Mustang!』のような重たいイメージがない。
実に軽やかに聴き通せるアルバムだと思う。


あ、このアルバムからは国民投票で8曲も選ばれていた。
第3位 「Viva la revolution」
第7位 「Let yourself go, Let myself go」
第12位 「Grateful Days feat. ACO & ZEEBRA」
第14位 「Hot Cake」
第27位 「Drugs can't kill teens」
第28位 「Freedom of Expression」
第30位 「Dark cherries」
第32位 「Just I'll say」

シングルのみでの発表の「I LOVE HIP HOP」は第21位。
2007.08.30 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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