すばらしくてNICE CHOICE

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Dragon Ash『HARVEST』
2001年3月に4枚目のフルアルバム『LILY OF DA VALLEY』をリリース後に、
27本にもおよぶ全国ツアーを5月まで行ったDragon Ash。
アルバムの累計売上は81万枚を突破。

さらに、降谷建志とBOTSによるプロデュースチームだった「Steady&Co.」に、
3月に『STEPPER'S DELIGHT』でメジャーデビューしたばかりのリップスライム・ILMARIと
スケボーキングのSHIGEOを加えて、7月、10月にシングルをリリースし、
11月にはアルバム『CHAMBERS』を発表。

ドラゴン・アッシュの2001年の活動としてはアルバム1枚と2本の全国ツアーを行うのみだった。

明けて、2002年1月23日にリリースされたのが、
10枚目のシングル、『Life goes on』。
携帯電話のCMのタイアップもあり、初登場1位。
しかも4週連続3位内をキープした。
フックの歌メロも楽しげで、スクラッチもキッチュ。
英単語を多用したラップはちょっと不満だけど、いい曲だと思う。

"誰にも俺のフロウは止められないぜ
 俺達は今でもきれいに咲き誇っている。この音を聞けば分かるだろう?"

という英詩で始まる。思いっきり意訳だけど。

"傘も差さずただ雨に打たれようが 微かな不確かな物を涙で包んで守ろう 旅立て
 激しい流れに巻かれ 俺達は何故に真っ赤で膨らんだ顔笑ってる 明日には太陽また照る"

とラップされる2ヴァース目のリリックも深読みしようと思えばいろいろ読み取れるけれど、
"それでも日々は続く"と歌われる力強い歌とラップは素晴らしい。

M2「Snow Scape」は音がめちゃくちゃこもり、荒々しく録音されたロックで、
それなりの曲だけど、
"男の子ならばね 辛い時こそほら 笑っていたいけど 口に出せないけど
 時には眠れずに 枕を濡らすでしょう キミは流した涙でほら 今より強くなれる"
というM3「Be with you」の歌詞には、妄想をたくましくしてしまう。
曲自体は声にエフェクト掛けて、とてもかわいらしい曲調なんだけど。

続いて、2002年3月6日リリースの11枚目のシングル、
『FANTASISTA』。
日韓共催で行われたワールドカップ公式テーマソングで、
オリコン初登場1位。
前作『Life goes on』と同じく2週連続1位を記録した。
M1「FANTASISTA」は軽快なロック。
だけど、ドラゴン・アッシュにしかできないような曲調だと思う。
こんな分かりにくい曲が売れるのは、当時のドラゴン・アッシュに相当な勢いがあった証明だ。

リズムといい、歌詞といい、普通にチャートに掛け上がるタイプの曲とは一線を画している。
この曲から次の曲調が見えてきたのかなと思う。

M2「Mob Squad feat.PASSER, HUNTER, 黒兄 & ONO-G」は、
これまで通りのヒップホップ路線。
「麻波25」のPASSERとHUNTER、「SOURCE」の黒兄とONO-Gが参加した曲。
降谷を加えた5人によるマイクリレーが楽しめるが、みんなスキルがあるわけではなく、
ドラゴン・アッシュにとっては今さらな曲。
ロック側がヒップホップを盛り上げていくぜという視点は面白いかな。

緩やかなレゲエのリズムに合わせて、
"We need patience"
とラップされるM3「Patience」はいい曲だと思う。

ドラゴン・アッシュは華やかに快進撃を続けていた一方で、
この翌月の4月11日には、6年ぶりに再結成を果たした「キングギドラ」が、
シングル『UNSTOPPABLE』『F.F.B.』の2枚を同時リリース。
チャートでも後者が初登場5位、前者が6位と話題だけではなく売上でも健闘を見せた。
そして10月17日、キングギドラはセカンドアルバム『最終兵器』をリリース。
なんとオリコン初登場3位。

その3曲目「公式処刑 feat.BOY-KEN」のZEEBRAのヴァースがすごかった。
ライムがどうとかではなく、これまでにない直接的なディスの破壊力のすごさ。
名指しにされた本人でなくても、嫌な気分になる。

"Hey Yo そこのカス野郎 オマエに3つの選択肢を与えよう
 死ぬか? 戦うか? ビッチみたく訴えるか?"

"星の数ほどいるワックMC これ聞いてビビって泣くMC
 まぁせいぜいスキル磨きなめいめい 覚悟決めるのはオメェだ Kj
 他の奴ら? 用はねぇ バンド、取り巻き? 用はねぇ
 クセエェ金魚の糞? 用はねぇ おめえのグレートフルデイズも今日まで
 この先は通さねぇぜフェイク野郎 この俺が自ら手下そう
 この前のアワードの会場じゃ 生じゃねえし どーしようもないもんな
 俺が来るの知ってて来やがって スレ違えばペコペコしやがって
 こっちはシカトだ テメーのふぬけ面 マジどうしたらそんなんで許せるか
 声パクリ そしてフローパクリ ステージでの振る舞いも超パクリ
 マジ神経疑うぜ まるでモノマネ歌合戦 親子で出にゃつまらんぜ
 じゃなきゃ俺のファンクラブでも作りゃ ちったチャンスやる
 YOU LOV HIPHOP だが HIPHOP DON'T LOV YOU ひっぱたかれて速攻 FUCK U"

2005年にジブラは自身のラジオ番組で降谷に謝罪したとネットで読んだ。
本当だろうか。

ドラゴン・アッシュは9月から11月にかけて、29本の全国ツアー「Dragon Ash Tour 02」を
行うものの、音源の発表はなし。
2003年に入り、サポートメンバーだったギターリストと、ふたりのダンサーを正式加入させ、
3月には麻波25、SOURCEと共に新レーベル「MOB SQUAD」を設立。

そして2003年6月25日、1年3か月ぶりに12枚目のシングル、
『morrow』をリリース。
初登場こそオリコン第2位だったが、
売上は15万枚以上と振るわなかった。
未聴。アルバムとの違うアレンジなので聴いてみたい。


2003年7月23日に、5枚目のアルバム『HARVEST』をリリース。

発表当時はたいして印象に残らなかったけれど、今聴くとかなりいい。
傑作アルバムではないのか。
これまでの5枚のフルアルバムと2枚のミニアルバムの中で、一番捨て曲が少ない。
最新アルバム『INDEPENDIENTE』と比較しても遜色ない出来だと思う。

M5「United Rhythm feat.43K & EIG」と
M10「Mob Squad (RITMO ACELARADO RMX)」、
M11「Episode 4 feat.SHUN & SHIGEO」がなければ、
もっとアルバムの色がはっきりして、良かったと思えるけれど。

インストが全17曲中5曲と増えたのも特徴的だ。

ブレイクビーツ多用の音はどれも同じように聞こえてくるところがあるけれど、
降谷のやさしい歌声が乗った曲が多く、それだけいいと思える。
特に、M7「morrow (Alternative Version)」、M8「Landscape」、
M12「Massy Evolution」、M13「Canvas」、M15「Harvest」が良かった。

歌詞は抽象度が上がっていて、以前のような"百合の紋章の下に集え"というような、
共闘・革命を呼びかける歌詞は皆無。

「morrow」の歌詞に、
"気ままに描いたこのストーリー 続きはそうタイトロープ 振り向けば奴らのRap song
 進んでけば待つあの約束の地へ 身を焦がす涙つれ 今はほら旅立つね"

とあるけれど、ここでの"奴らのRap song"がキングギドラ等を指すのかは私には疑問。
降谷が "奴ら" という言葉遣いをするのだろうか。
でも、確かに降谷の中でヒップホップブームは終わり、"旅立った"のは確かだろう。

M10「Mob Squad (RITMO ACELARADO RMX)」。
この類の曲をこのアルバムに入れる必要があったのかも疑問。
もし収録するならもっと徹底的にリミックスされても良かったのではないだろうか。
後半はちょっと気持ちいい感じが、前半からも出ていればいいのに。

スケボーキング参加のM11「Episode 4 feat.SHUN & SHIGEO」。
ダンスミュージックのように歌詞に意味性が薄れ、ただの音として機能しているのがいい。
ラップが載っているのだけど、いわゆるヒップホップ的トラックから逸脱していて、
この自由さがあるからこそ、ドラゴン・アッシュは期待できるミクスチャーバンドなのだと思う。

シングルにもなったM13「Fantasista」は、この曲群のなかに置かれるとしっくりとくる。

M15「Harvest」は、ラップではなく歌い上げているのにもかかわらず、
徹底的に韻を踏んだ歌詞に、降谷の意地を感じる。

"いつ木々は実り増し 幹は陽に舞う憩ある汀(みぎわ)
 賑うおざなりの日々は 行き交う人々の息が
 掻き消して暗がりを返す 繰り返しの Dice
 先決して言わないの Rise 振り出しの合図"

「Harvest」終了から数秒後に始まるシークレットトラックは駄作。
こういうのはもったいない。


国民投票でこのアルバムから選ばれたのは、
第5位 「Fantasista」
第10位 「Canvas』
第11位 「morrow」
第43位 「EPISODE 4 feat.SHUN & SHIGEO」
第46位 「Revive」
第47位 「Patience」

シングルでのみリリースされた「Life goes on」が第4位。
そのシングルの2曲目に収録されていた「Snowscape」は第44位。
2007.09.01 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(3) | trackbacks(0)
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2017.07.26 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
結局この頃のドラゴン・アッシュって、
高校デビューして調子のってたら怖い先輩にしめられた、
みたいなものだと解釈してるんですが、
それにしてもこの時期の勢いというものが以降感じられなくなったのは残念だし、
ジブラはジブラで少し大人気ないですよね。

自分のことしたってる後輩が、自分の真似しただけなんだから、
あんなにたたく必要はなかったと思うんですけどね。

結局ジブラって良くも悪くもシーンに囚われすぎて、ここぞというところで毒を飲めないんですよね。
まぁ「日本語ラップ」の人ってほとんどそうだと思うけど。
shooter | 2007.09.04 Tue 13:57
謝罪のくだりは2ちゃんねる情報ですか?プ
ピロシキ | 2007.09.04 Tue 21:02
shooter 様

コメントありがとうございます。

> 結局この頃のドラゴン・アッシュって、高校デビューして調子のってたら
> 怖い先輩にしめられた、みたいなものだと解釈してる
ブログにもそのあたりことを書かれていましたよね。読んでいました。
身も蓋もない例えで、降谷の哀れさが一層増しますね。

> それにしてもこの時期の勢いというものが以降感じられなくなったのは残念
確かに勢いが失われたり、共闘と叫ぶことがなくなったりするのですが、
私にとっては、音楽的には今の方がずっといいですね。
今回、『HARVEST』まで通して聴いてみて、一番『HARVEST』が良かったです。
ある意味、通過儀礼とも言えるあの時期があったからこその、
豊潤な音楽性になったのだと思います。



ピロシキ様

こんばんは。初めまして。

> 謝罪のくだりは2ちゃんねる情報ですか?
いえいえ、「ZEEBRA ラジオ 謝罪」で検索してみてください。
gogonyanta | 2007.09.04 Tue 22:03
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