すばらしくてNICE CHOICE

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SMRYTRPS(Samurai Troops) & STERUSS@渋谷O-NEST

SMRYTRPSのラストライブ。
素晴らしかった。
解散するのはわけが分からない。
最高に面白いライブだし、相変わらず日本にはいない位置にいるし、
解散は日本語ラップにとってマイナスでしかないように思う。
"あまりにも居心地の良かったSMRYTRPSという器をぶっ壊して、僕らは前に進んでいく"
とTakatsukiはMCで言っていた。
でも、他にもいろいろな活動をしているわけだし、
居心地がいい場所があってもいいじゃない。
いつになってもいいから6MC1DJで戻ってきて欲しい。
ずっと待っている。

20時56分。
Astroが終わり、少しお客さんの減ったフロアが暗転し、DJ Nabeが最初に回したのは、
1971年のヒット曲、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」。

"また逢う日まで逢える時まで / 別れのその訳は話したくない
 なぜかさみしいだけ / なぜかむなしいだけ / たがいに傷つきずべてをなくすから
 ふたりでドアをしめて / ふたりで名前消して / その時ふたりはなにかを話すだろう"

"5"MC・Y.O.G.、タカツキ、メテオ、ZOE、ZOMが出てきて、1曲目「Universe」へ。
メロウなトラックが別れの曲に思えてくる。
続けて「100の質問」をやった後のメテオのMCが振るっていた。

"初心に戻りまして、ライブします。このイベント名にあるように「まじめ」に「まじめ」に品行方正、これ以上ない サムライ 集まってます。"

そのメテオが紹介した曲は「BEATNIKS」。
ゾムのヘタウマコーラスが冴える。

春に出したシングルに、メジャー1作目だったアルバム『BEATNIKS』の2曲をやった後に、
Y.O.G.は、
"これを最後にちょっとライブをお休みさせてもらうサムライトループスなので、ちょっとしたメモリアル的な感じなんで"
と語り、そのままメンバー紹介へ。
初代DJ Nabeを含め6人のサムライを紹介した後、
"あとひとりMCがいる"
歓声。
"来てるよね。たぶん今震えてる。久し振りだから"
そして、タカツキが言った。
"ラストサムライを紹介しよう"
Y.O.G.の、
"7人目のサムライを紹介しよう。その男の名は・・・"
の直後に回された音はぶっといウッドベースのフレーズ。
「Bring it on/Bring it out」!
期待はしていたけれど、本当に聴けるとは思っていなかった。
オリジナルメンバー・SEMMYも登場。
普通に"この世界の隅で ずっと黙ったまんまでは"と、ラップしている。
しかもうまい。
上がってきた。
正直前半の3曲にはやっぱり違和感があった。
この曲の感じこそが私が好きになったサムライトループスだったし、
生で"一日三回マスカキ。これがメテオスタイル"を聴けたのも嬉しい。
続けて「キープ! コンディション」。
もちろんセミーのヴァースからだ。
練習を結構積んだんだろうけれど、いい声だ。
"気分次第だもう!"のところで、タカツキは腕を何度も突き上げていた。
こんなタカツキはスイカでもタカツキバンドでも見られない。

アストロやオーディエンスに感謝を述べた後、タカツキが静かに語り出した。
"本当にサムライのライブは今日で最後です。えー、4、5年。5、6年?やってて、最後にみんなと一緒に踊れて嬉しいよ。えー、最後になって気付いたことはいくつもあるんだ。やっぱりサムライトループスは最高のクルーだって。
 だから、まだたくさんやることがあったんじゃないか。するべきことがたくさんあったんじゃないかとメンバー全員がリハーサルをやりながら思ったさ。でも僕らはもう次に行く時間がやって来たんだ。だから、もうあまりにも居心地の良かったサムライトループスという器をぶっ壊してぶっ壊して、僕らは前に進んでいく。だから今日、お別れするんだ。
 でも約束するよ。僕らは必ずここにもう一度戻ってくる。それまで灯りを灯して待っていておくれ。思い出すことはなくても忘れないでおくれ、僕らの音を。
 そして、僕らはちりぢりばらばらに次の町へと行く。どこかで街角のコーナーで出会うこともあるかもしれない。でも次を目指してちりぢりばらばらにまた歩いていく。
 この世界の仕組みと君の近況は知りたいような知りたくないような。旅の途中でふと立ち止まって、僕らは空にむかってこうやって言うんだ。
 最後の曲です。今日は本当にありがとう"

最後にサムライトループスが空に向かって言ったことは、「Wassup Yo! Everybody?」だった。
思えば、好きだったバンドの最後のライブを見るのは初めてだった。
タカツキのスピーチに若干涙目になっている自分に気づく。
タカツキだって"やっぱりサムライトループスは最高のクルーだって"のところで、
少し声が変わっていた気がした。
そんなライブの最後の曲はひたすらポジティブを掲げようという曲だった。

今日のライブのほとんどが明るいメッセージを発信している曲で占められていた。

"そうHappyにするMy Life 何はともあれ / ハッキリする未来 楽しみたい"
"元気を出しなよ"
"最高な人生にしておくれ / 最高な歓声聴かせておくれ / 最高な関係を築こうぜ"
"笑い飛ばそう 笑い飛ばそう / 喜び悲しみ 笑い飛ばそう"
"見失うなPositivity"

臭いことやまじめなことをラップしてもそれが陳腐にならない希有なグループだ。

シンプルに"ありがとう。ピース"とY.O.G.が言って、6MCは舞台袖に消えていった。
あまりに潔く去って行った後に、DJ Nabeが最後に流したのは、堺正章の「さらば恋人」。

"さよならと書いた手紙 テーブルの上に置いたよ
 あなたの眠る顔みて 黙って外へ飛びだした
 いつも幸せすぎたのに 気づかない二人だった
 冷たい風にふかれて 夜明けの町を一人行く
 悪いのは僕のほうさ 君じゃない"

21時31分終了。

いいライブだった。
本当に実力のある6人が揃ったグループであることが改めて分かるライブだった。
ゾムのソウルフルになりきれない歌声は絶対に必要だし、
ゾエの少しそっぽ向いた感じも味だし、
Y.O.G.の天然のような明るさも、タカツキの明晰さも、
何よりメテオのフリーキーなフロウが力強くサムライトループスを引っ張っている。
そして、セミー。
今日のライブを見たら、彼がいなくなったことが原因のひとつかなと思ってしまった。
普通にうまいMCで、たぶん6人の中で一番バランスがいいのだと思う。

もったいない。
最後という思いからか、タカツキが一番元気だったし、声を出してたし、引っ張っていた。
最高に楽しそうだった。
スイカでもソロでも見られない、極めてラッパーらしい立ち振る舞いが見られる場がなくなるのが悲しい。


1.Universe
2.100の質問
3.BEATNIKS
4.Bring it on/Bring it out
5.キープ! コンディション
6.What's Up Everybody



初STERUSS。
CDを聴く限り、じっくり耳を聴ける価値のあるラップをしているグループだと思っていたから、
実際にライブを見るのは少し怖かった。
まったくのへたっぴだったらどうしようかと。
まあ、杞憂だったけれど。

18時8分。
スパニッシュギターの優しいアルペジオが印象的な曲で、KAZZ-Kが始まりを告げる。
crime 6は白いTシャツでラフな感じ。所作が少しBOSS THE MCっぽい。
belama2はスウェットの下に着たYシャツの衿を礼儀正しく出して、
趣味のいいカーディガンを羽織り、背中にはでかいリュックを背負っていた。
belama2の方は所々で若干聴きづらいところがあるけれど、
ふたりともライブ慣れをしたラップを聴かせてくれた。

アルバムを作っている最中で年内に出せればいいかなと話していた。
SUIKAからtotoも参加しているらしく期待できそうだ。
"29歳という年齢で歌える曲を精一杯書いてやってるから"とMCをした後に、
次のアルバムから「ソラノウタ」という曲をやった。

"青い空浮かぶ白い雲 飛ぶ鳥のよう囚われずに繕う
 みなのものであり みなの下にある ものがきっと世界を満たす"

"今はみな違う空の下築いていった 朝方一緒に踊っていた
 **違ったラッパーダンサー 薄い壁爆破 ひとつのカルチャー
 チケットノルマ 大人の道具じゃないんだ ただみな笑いたいんだ
 ヘイDJかけてくれこの曲 宇宙語ラップでまとめて***"

歌もののフックがあるわけでもないし、極めてオーソドックスなヒップホップで、
伝えるべき言葉を正確な日本語で明瞭にラップする。
当たり前のことだけど、そうではないMCが多くて辟易することが多いのが日本語ラップで、
ステルスには期待したい。

6曲目のcrime 6のヴァース、"一人の女も愛せぬような人間が世界をどう愛すのさ"。
名フレーズだ。
初めて聴く曲でもしっかり聴き取れるラップをする。
それってシンプルだけど一番大事なことだと思う。

18時33分終了。

1.TRI angle
2.風見鶏
3.9月ジャズ
4.大時計のダンス
5.巡り星
6.連なる夜
7.ソラノウタ


【RUB-A-DUB MARKET】18:41〜19:08
強烈だった。
ステルスが終わり、誰もいなくなってしまったフロアにもかかわらず、熱いステージをぶち上げた。
少ないならとステージを降りてのパフォーマンス。
だからこそ次第に人がフロアに出てきたし、盛り上がった。

FLOAT JAMのひとりが同様なフロアを見て前に来た方がいいと無粋な注意していたけれど、
そんなのは自分たちのスキルでさせるものなんだと身を以て示していた。
普段まったく聴かないジャンルだし、何言ってるのかさっぱり分からないけれど、楽しい。
どうせなら照りつける太陽の下で、ビールでも片手に聴きたくなる音楽。
たぶん、サムライトループスのステージがなければ一番だったかもしれない。


【Heavy Sounds】17:28〜17:59
ベースとドラムと打ち込みによるバンド。
助っ人でサックスがほんとどの曲で加わり、1曲だけアストロのMCが参加していた。
ベースの弾くフレーズに閃きが足りないとか、打ち込みの音に負けているのではとか、
斜に構えて見ていたら、いつの間にドラムの人力ブレイクビーツに圧倒された。
少ないドラムパーツで繰り出す打ち込みを凌駕するようなビート。すげえ。


【LOW JACK THREE】19:39〜20:05
横長の台にPCやらCDJやらMPCやらを置き、6人が横並びで音を作りだす。
このグループも良かった。
真ん中ぐらいにやった高音(ギターのチョーキングかな)が印象的な曲(?)と、
最後のクラシックを使った曲が特に良かった。
楽しい。
わらわらとフロアに人が溢れ出して、真っ暗な空間の中を踊っていた。
色々混ぜすぎるほど音をミックスしているけれど、
自然と体が反応してしまう分かりやすさもあって、次第に笑えてくる楽しさがあった。


【Astro】20:17〜20:45
最初に書くのを忘れたけれど、このイベントはアストロ主催の「まじめ」というイベントだった。
たった1500円。
それだけで、サムライトループスもステルスも見られたうえに、RUB-A-DUB MARKETやHeavy Sounds、LOW JACK THREEという愉快な音に出会えたイベント。とても良かった。感謝。


帰り際、サムライトループスのメンバー7人がビールで乾杯しているのを見かけた。
今日のように7人がひとつのところに集い、サムライトループスの原点ともいえる
「Bring it on/Bring it out」をやることはあるのだろうか。
再び、"ウチらとさあともに行こう"と誘ってくれる日があるのだろうか。
そうなることを期待しているし、いつまでも待っていたい。
"すばらしい今日の場所はヤバすぎる"
確かにこの一言につきたライブだったと思う。
2007.09.22 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(6) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
はじめまして!
レポートお疲れさまです。
前からここ覗かせてもらってますがいろいろ面白いことかいてらっしゃいますね。


ブルハや降神が好きなんですね。降神は私も大好きです。私は押韻ラップが好きなんで韻の甘いbossはあまり好きじゃないですが(^^;)



今日のレポートを見させて頂いて、サムライに興味を持ちました。もともとタカツキは好きだったんですが、サムライはメンツがちょっと・・・だったんです。笑
特にメテオにはフリスタで散々がっかりしてきましたから。

で、おすすめのアルバムなど教えていただけたら嬉しいです。
wanyanaguda | 2007.09.24 Mon 00:47
wanyanaguda様

こんにちは。
読んでいただきありがとうございます。
悪文のうえ長文ですみませんでした。

> サムライに興味を持ちました。もともとタカツキは好きだったんですが、
> サムライはメンツがちょっと・・・だったんです。笑
> 特にメテオにはフリスタで散々がっかりしてきましたから。
確かにメテオのフリスタ、ラップは私自身も満足しませんが、でもあれはあれで、
サムライトループスのアクセントだと思いますね、ライブを見ると。
いろいろな個性があるからこそ、サムライトループスは楽しいのだと思いました。

> おすすめのアルバム
サムライトループスのアルバムですよね。
そうなるとファースト『サムライトループス』とセカンド『ことばの音楽』です。
特にセカンドは最高です。
どうしてこんなに良いのに、安いんだろうと当時すごく不思議に思っていました。
gogonyanta | 2007.09.24 Mon 11:14
返答のほうありがとうございます。とりあえずファーストを買ってみます。
wanyanaguda | 2007.09.24 Mon 12:20
ファーストって廃盤じゃないっすか?
口はさんですみません。。
よっしー | 2007.09.24 Mon 13:10
よっしー様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> ファーストって廃盤じゃないっすか?
今、タワレコのHPを調べてみたら、もう載ってませんでした。
ですので、廃盤ですね。
教えて下さってありがとうございます。

というわけですので、wanyanagudaさん、申し訳ないです。
まあ、ファーストは16曲中サムライトループスの全員でやってるのは2曲だけですし、
メテオのソロ曲なども収録されています。
それはそれで面白いのですが。
ですので、お聴きになるのなら、まだ発売されているセカンドアルバムを是非。
ライブアルバムもありますが、そっちはあんまりです。
gogonyanta | 2007.09.24 Mon 20:45
わかりました。いろいろありがとうございます。よっしーさんもありがとうございました。
wanyanaguda | 2007.09.24 Mon 21:02
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