すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
05 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
<< インベージョン / The Invasion | main | SEEDA『街風』 >>
ZEEBRA『World Of Music』

2007年10月10日リリースの5枚目のアルバム。

図体だけが大きくなり、最後には突然の環境変化に適応できなくった恐竜。
そのでかさ故か、あるいは地球上の生物の王者として君臨しながら滅んでいった悲哀さ故か、
どうしても気になる生き物だ。
不細工な造形で昔も今もそれほど好きではないけれど。

音楽にかぎらず、小説でも俳優・映画監督でも、その立派な功績故に作品が出されれば、
一応確認する類の哀れな巨人たちは何人かいる。

ジブラがそこまでの巨人かといえば微妙ではあるけれど、たかだか20数年と短い日本語ラップの歴史に残した足跡は大きいものがあるし、なぜ滅ぶのかを知るにはいい材料だと思う。

年を取るほど昔話をしたがるもので、前作に収録された「Sweet Dreams」のような自慢話が鼻につくM2「運命」。
1999年の「Grateful Days」は"黒歴史"ですか。
降谷建志によるフックアップのおかげで、オーバーグラウンドにのし上がった事実はどこへやら。
また、"みまわそう 360度 / 気ぃ抜けねえぜ365"のリリックには涙を禁じ得ない。
キングギドラのファーストアルバムやソロ一枚目で、あれだけ日本語でラップすることに
人一倍意識し、華麗に実践してきた人のラップが、若手の新しい潮流の影響か、
今では英語混じりに。
しかも、"最近英語が多いせいは More people listenin'"とリリックの中で言い訳する始末。
母国でのラップの中に、突然外国語が挿入されると、激しく違和感を覚えるし、
何かの冗談かと思えることの方が多いけれどね。

ジブラのラップについていえば、耳を貸すような目新しい点は何もない。
"赤ちゃんポスト"を槍玉にあげて、何ちゃって社会派を気取るけれど、
"ただ最低限なんかあって良い"とラップする始末。
「最低限の何か」が赤ちゃんポストなのだろう。
出だしのつまずきで揚げ足をとってどうする。
バカルディやクエルボ、パーティーピープル、そんなことについてラップしていればいいのだ。

前作は客演にTWIGYだとかD.L、Q、MUMMY-Dなどビッグネームが名前を連ねたが、
今作はSimon、D.O、BES、565など若手が目立つ。
まあでも、印象に残ったのはBESぐらいか。
リリックやフロウがうまいとかそういう話ではなく、
ジブラというメジャーなアーティストの1ヴァースを任されながら、
調子づいたりあからさまに手を抜いたりといったある種のポーズをとることなく、
淡々とラップをしている佇まいがユニークだなと思えた。

全16曲で66分だから、短いといえば確かに短いけれど、さらっと聴ける。
トラックが良い曲が多いからだろうと思う。

デトロイト出身で東京在住のFOCIS(フォーカス)が3曲。
そのうちのM7「We Leanin'」が特に良かった。
INOVADERも3曲。
M15「雲の上のHeaven」のゴリゴリと鳴り轟く低音にしびれた。
M13「Everybody Needs Love」のGEEK a.k.a. DJ TAIKIは音の抜き方が気持ちいい。
驚きだったのはRISEのJESSEによるM6「Not Your Boyfriend」。
この作品の中で一番ぐらいに目立っているし、かっこいい曲だと思う。
ギターがメインのトラックでここまでグルーヴが作り出せるのもいい。
M8「Shinin' Like A Diamond」のDJ HASEBEは貫禄勝ち。
久し振りに聴いたけれど、相変わらずのキラキラ感があって、
それに乗っかる女性ボーカルの垢抜けないメロディと歌い回しが曲調やテーマと調和して見事。


大御所と呼ばれるアーティストが前作から1年8ヶ月で次の作品をリリースするのは、
すごいことだとは思う。
しかもコンスタントにシングルを切ってだ。
(まあ、カップリングは全てアルバムに収録しちゃってはいるけど)
私にとってはその点だけが評価できるアルバムでしかなかった。
2007.10.25 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(13) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
2017.05.21 Sunday 23:59 | - | - | -
コメント
seedaの「街風」聞きました?すごくいい作品ですよ。
wanyanaguda | 2007.10.26 Fri 19:51
文句言うためだけに聞いたとしか思えないレビュー。
所謂アングラ厨丸出しですね
wanna | 2007.10.27 Sat 01:48
今回の評論に共感します。
zebbraは日本語ラップの形成や広報に活躍したのは言うまでもないけれど
ラッパーとしてエッジの効いたかっこいい時代は キングギドラ1st時のみだと思います。
あとは 形骸的に王道ハーコースタイルを演じてるだけでラップ表現の面白さは…

正直潮時だと思います
大輔 | 2007.10.27 Sat 12:46
私も最近のZEEBRAはちょっと・・・です。
ギドラの1st、2nd、ソロの一枚目みたいなストーリー性、韻、パンチライン、フローなどが凄く好きでしたが、最近は韻踏みも英語になってきてますね。
ただ、私は「STREET DREAMS」のように、日本語ラップを昔から支えてきた人が作る、歴史を語る作品が一つはあっていいと思います。ストレートにあの曲のような熱いリリックをはけるのは、MUROでもDLでもなくZEEBRAだと思います。

長文すいません
wanyanaguda | 2007.10.27 Sat 14:12
wanyanaguda様

こんにちは。お久しぶりですね。
返事遅れまして、すみません。SEEDAの感想文をアップしました。
私にはう〜んって感じでした。ZEEBRAよりは刺激的で良かったですけどね。

> 私は「STREET DREAMS」のように、日本語ラップを昔から支えてきた人が作る、
> 歴史を語る作品が一つはあっていいと思います。
> ストレートにあの曲のような熱いリリックをはけるのは、
> MUROでもDLでもなくZEEBRAだと思います。
確かにそうですね。
ジブラだからこそ書けるというのはよく分かります。
いつでも最前線にいるという自負は伝わってきますし。
ただ、周りにはイエスマンだらけなんだろうなというのも同時に思いますね。

長文歓迎です。
これからもよろしくお願いします。
中途半端なのをアップしましたので、叩いてください。



wanna様

こんにちは。長雨はいやですね。

> 文句言うためだけに聞いたとしか思えないレビュー。所謂アングラ厨丸出しですね
なにをもってアングラというのかイマイチ分かりませんが、ヒップホップ自体、クレバやリップスライム、
シーモ以外は日本ではアングラのような気もします。いかがでしょう。
憎まれ口はさておき、確かに文句が言いたくて書いた感想文ですから、
wannaさんは正しいです。



大輔様

こんにちは。はじめまして。

> ラッパーとしてエッジの効いたかっこいい時代は キングギドラ1st時のみだと思います。
> あとは 形骸的に王道ハーコースタイルを演じてるだけでラップ表現の面白さは…
> 正直潮時だと思います
厳しい意見ですね。
某ブログで、ジブラのラップはロマンだと喝破しているのを読みまして、
私はソロのセカンドが大嫌いなのですが、なるほどと少し納得できました。
プロレスですね。
ショーであるファイトを面白いと思うか思わないか。楽しめるかしらけるか。

まあ、それはさておき、ソロの一作目も結構いいと思うのですが。
gogonyanta | 2007.10.27 Sat 14:53
わざわざコメントしていただきありがとうございました。
今度真田と随喜買おうと思ってます。ポチョムキンと真田人がいいグルーヴを出していると聞いたので。
wanyanaguda | 2007.10.27 Sat 17:02
wanyanaguda様

以前コメント欄で、DOS MOCCOSのセカンド『Moccos Most Wanted』もいいですよ、
と薦められました。
ポチョムキンは大活躍ですね。
本隊でも早く次を出して欲しいです。
gogonyanta | 2007.10.27 Sat 22:37
HIP−HOPとは何ぞや?
それがいまいち掴めてないようですな。
サブロー | 2007.11.04 Sun 10:18
サブロー様

こんにちは。
コメントありがとうございます。

> HIP−HOPとは何ぞや?
ヒップホップって何なのでしょう。私には分かりませんね。
ぜひぜひご教授お願いします。
gogonyanta | 2007.11.04 Sun 11:41
本人がラジオで言ってましたけど、英詩に踏み切った理由はgogonyantaさんの推測とは違うみたいですよ。
アーティストの意思がどうであれ、勝手に言いたい放題言うのが批評だとするなら、それまでですけど。
rew | 2007.11.09 Fri 21:17
rew様

こんばんは。コメントありがとうございます。

> 英詩に踏み切った理由はgogonyantaさんの推測とは違うみたいですよ。
おや失礼。
12曲目の「Lyrical Gunman」にそんなリリックがあったので、勝手に理解していました。
英語混じりになったのは、アジア全域、カナダ、ヨーロッパ、アメリカでさえ、
たくさんの人が聴いてくれるから、と言っているのだと思ってました。
違ったんですね。失礼しました。
gogonyanta | 2007.11.10 Sat 00:28
英詩に踏み切った理由は、それでもやぱちょと違いますね。
ジブっさんは相当スマートだから、てきつーな考えじゃ上から喰われちゃうぜーぃ!!

でもアルバムの感想は大体共感できます。
いい感じス。
カリメロ | 2007.11.27 Tue 14:19
カリメロ様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> アルバムの感想は大体共感できます。いい感じス。
ウイッス。嬉しいです。

ご本人のリリックに
"最近英語が多いせいは More people listenin', homie Step your game up
 居るぜガンガン All over the Asia カナダにヨーロッパ Even in America"
というのがあったので書いたのですが、違うんですね。失敬。
でも、スマートなジブラも下からの追い上げにてんやわんやでしょうから、
上から喰うどころじゃないでしょうね。


gogonyanta | 2007.11.28 Wed 01:52
コメントする











この記事のトラックバックURL
http://gogonyanta.jugem.jp/trackback/1551
トラックバック
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中