読了。
☆☆☆/5点中
第110回直木賞受賞作品。
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新宿で舐めるだけで効く新型覚せい剤がはやり出した。
鮫島は執拗に密売ルートを追う。密造犯は東北の財閥・香川家の昇・進兄弟だった。
薬の独占を狙う藤野組・角の策略に、麻薬取締官の露骨な妨害、そして、恋人・晶が…。
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エンターテイメントに徹した一作で、特に後半からは一気読み状態。
新宿署防犯課に転属させられて5年、『
新宿鮫 III』から2年、
「フーズハニイ」デビューから1年。
東京から離れた北の街で、晶の恋人ということで、鮫島の名前が知られるのに、
若干の無理を感じたり、香川昇についてもう少し人物像を掘り下げたら良かったのに、
等々思うところもあるけれど、スピード感とディテールの重厚さのバランスもいいし、
面白いものは面白い。
文庫にして570ページ。しっかりとした土台の上に、様々な娯楽要素が存分に盛り込まれ、
シリーズの中でも一番ぐらいに完成度が高いと思う。