すばらしくてNICE CHOICE

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Eccy『FLOATING LIKE INCENSE』

2007年12月14日リリースのファーストアルバム。

今ごろ聴いているのも何だけど、結構いい。とてもきれいな上音で、時にジャジーに時にハードにと変化にも富んでいるし、22歳だったかな、若いけど器用なトラックメイカーという印象。

最初のうちは、等間隔に整然と並んだビートや弱いボトムに、グルーヴは大事だぞって思ったりもしたけれど、曲が進むうちに気にならなくなる。ラップ曲の間に挟まれたインストもトラックメイカーが主役の作品にもかかわらず、短めで好感がもてる。

Sugar Plantのヴォーカル・正山千夏によるソロプロジェクトcinnabomの曲を前半に大胆起用したM13「The Daybreak」は、アコギの音と涼やかな歌声にかすかにひぐらしの鳴き声がかぶさり、たまらない気持ちにさせられる。蝉の声といえば、DJ QUIETSTORMのセカンドアルバム『Soramiro』収録の「Cicada」もそう。こんな季節外れでも、蝉の鳴き声には郷愁を誘う不思議な力があるんだよなぁ。いい。

その蝉の声が鳴り止まぬままM14「Monochrome Searchlight」へ。悪いわけがない。しかもEccyと、あるぱちかぶと、シマダカズユキという2MCで構成されたグループThe Reservoir Voxxによる曲で、特にあるぱちかぶとがすばらしい。彼がMySpaceで公開しているEccyプロデュースの曲は、志人とまではいわないけれど、それに近い詩情が感じられるリリックで惹きつけられる。

で、M15「Road Novel」。なんでこんなすごい曲をへっぽこ作家に渡してしまうのだろう。愚行もいいところだ。Mic Jack Productionにでも渡していれば、名曲間違いなしだったと思う。もったいないなぁ。本作は優等生ではあるけれど、今ひとつ飛び抜けた曲がなくて、そこに物足りなさを感じる。で、この曲こそが平均を大きく超える曲だと思うけれど、それを駄作にしてしまっては何とやら。もったいない。

M4「嘘のセメント」でのCandleのフック、"朝起きると目の前にレザーフェイス"はちょっと怖い状景だけど、ラップ自体はいつものCandle。このラップが丸々アルバム一枚分も詰め込まれると息苦しいが、1曲だけだといいアクセントになる。

Y.O.G.は相変わらず若々しいラップをする。どちらが若造か分からなくなる。同じように若手とやったサイプレス上野はいつもと違いさわやかさのあるラップで、一瞬だれって思ってしまう。ATOMの歯切れの良さは気持ちいい。SUIKAだけではなく、もっと前に出てくればいいのに。嫌みのないポジティブなラップをするMCって少ないし、彼の居場所はたくさんあると思うけれど。

トラックメイカーのアルバムが楽しいのは今まで聴いたことがないMCと出会えることで、上記の中堅どころとそれぞれタッグを組んだ若手3人は、音源を初めて聴いたが、十分楽しめた。

オロカモノポテチはいい。うまい。昨年のBBOY PARKでフリースタイルをしているのを見て、迫力に圧倒されたものだけど、音源でもいい。単純にラップがうまいだよなぁ。MySpaceにアップしている曲もいいしね。

Y.O.G.と一緒にやったhaiiro(haiiro de Rossi)もナイーブな感じのラップがなかなか魅力的だ。オロカモノポテチ同様にMySpaceに上げられている音源も悪くはない。このふたりとEccyで組んだGlasemillaというグループは3月にシングルをリリースするようで、楽しみだ。

ATOMとは抹。抹が2年前のSSWSの予選トーナメントで優勝したときに、ATOMから一緒にやろうと声をかけられて、ようやく実現したのが今回のようだ(ブログ参照)。そのブログはもう放棄されているようだけど、KEN THE 390からの影響なども綴られていて面白く読んだ。確かにそのフロウからはKEN THE 390の影を見て取ることができる。他にも3年ほど前にmuzieにアップした音源にはKREVA風のものがあったりする。この人もラップがうまい。KEN THE 390を聴くなら抹を聴きたい。まだ伸びしろがありそうだから。

ネットを探索しているとEccyも含め様々な音源がアップされていて面白い。数年前のEccyのオフィシャルHP(http://sound.jp/trv/)には、アルバムに収録された曲のプロトタイプのようなインストがあるし、抹のブログからは「Ai no Shogen feat.mcgundam, あるぱちかぶと, 抹, Butter Dogg, Tac-Champarr, #0 & Simba」がダウンロードできる。「証言」のEccy版だ。Libraの「暴言」よりも断然面白い。YouTubeにはライブバージョンがアップされている。Tac-Champarrや#0というMCは今も活動しているのかしら。気になった。「Nostalgic Mix」もあり、こちらは蝉の鳴き声が効果的に使われたメロウな1曲に仕上がっている。「証言」のトラックを使ったバージョンよりいいかも。


どんどんアルバムからずれてきているけれど、若手の台頭を感じさせる作品で、しかも、昨今目覚ましい活躍をみせるいわゆるハーコーな路線とは違うタイプのMCたちが頑張っていて、大いに期待したい。ラップのうまさやフロウのオリジナリティは満足できたので、あとは内容か。


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2004     影予言者「I am the MC (ECCY Remix)」 from『アングラの詩的な進化論
         「Outro 〜re:set (B.C. 1985)」
2004     「Lifeless feat.Y to the One」 from『アングラの詩的な進化論 VOL.2
2005     「The Scarlet feat.Jen.k」 from『アングラの詩的な進化論 VOL.3
2005     「風嗚呼勇? (whoareyou)」 from『◆◆(ダブル・ダイアモンド) VOL.1
2007.03.09 KK「Lift The Fog Up feat.Shing02 (Eccy Remix)」from Blog
2007.04.06 Beastie Boys「3 the Hard Way (Eccy Remix)」from Blog
2007.10.05 1st SG『ULTIMATE HIGH feat.Shing02』
2007.12.14 1st AL『FLOATING LIKE INCENSE』
2008.03.07 【Glasemilla】SG『Burnin' EP』
2008.06.20 【環roy×Eccy】mini AL『More?』
2009.01.21 1st mini ALNarcotic Perfumer
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2008.02.06 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(4) | trackbacks(0)
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2017.12.14 Thursday 23:59 | - | - | -
コメント
ここにいますよ。
デモが配布されています。
ai no shogen | 2008.02.08 Fri 20:29
ai no shogen 様

こんばんは。
「scrapbookstore」というグループに「#0」が所属しているんですね。なるほど、情報、感謝です。機会があれば聴いてみたいですね。わざわざありがとうございました。
gogonyanta | 2008.02.09 Sat 00:17
Monochrome Searchlightは名曲ですよね。
どっちも好きですけど、私はシマダカズユキの方が好みでした。

確かmcgundam,Tac-Champarr,#0は同じグループだったと思います。

あと、今は無いみたいですが、Road NovelのTrackにThe Reservoir Voxxが乗ったTo Heaven From My Bedという曲が以前myspaceかどこかで公開されていました。
第三者会議室 | 2008.02.09 Sat 03:06
第三者会議室様

こんばんは。さっむいですね。
The Reservoir Voxxバージョンの「Road Novel」があるんですか。聴いてみたいなぁ。タイトルもいいですね。いろいろ情報ありがとうございます。探してみます。
gogonyanta | 2008.02.09 Sat 22:58
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