すばらしくてNICE CHOICE

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横山秀夫『臨場』

読了。
☆☆☆/5点中

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L県警刑事部捜査第一課調査官・倉石義男は「終身検視官」の異名を持ち、他の者たちとは異質の「眼」を持っていた。
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「赤い名刺」「眼前の密室」「鉢植えの女」「餞」「声」「真夜中の調書」「黒星」「十七年蝉」の8篇からなる連作短篇。

著者の作品では組織の中で生きる男たちが描かれることが多いが、今作は確かに組織に属してはいるものの、能力・言動の点からやや一匹狼的なところがあり、けれどその人柄ゆえに信仰者がついているという、これまでにない人物像を描いている。

また倉石の活躍が描かれるけれど、倉石自身の視点から書かれた作品はなく、それぞれ
「赤い名刺」は部下の一ノ瀬から、「鉢植えの女」は上司の捜査一課長・高嶋、「餞」は退官直前の刑事部長、「声」は検事、「真夜中の調書」は所轄の刑事一課の刑事、「黒星」はかつて部下だった婦警、「十七年蝉」は一ノ瀬の代わりに調査官心得になった永嶋、といったぐあいに倉石以外の人間が主人公になっている。だからこそ、その能力の高さ、人柄の温かさが伝わってくるのだ。

良かったのは、地方紙の記者が主人公の「眼前の密室」。記者だった経験が生かされたのだろう、生々しいディテールがすばらしく、またトリックもしっかり仕掛けられていて、楽しかった。時々とても生き生きとしたキャラクターを描くときがあるけれど、この智子もそんな魅力的なキャラで読んでいて面白かった。

あとは、「餞」の終わり方も悪くなかったけれど、「黒星」には勝てない。ちょっとしたエピソードなのだけど、本文中の記者同様泣いてしまうんだよなぁ。うまい。

「十七年蝉」は倉石の進退にも関わる話でもあるし、それぞれのエピソードにもっと広がりがありそうで、短篇ではなくて、長篇として読みたかった。
2008.02.07 Thursday 23:59 | | comments(0) | trackbacks(0)
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2020.04.08 Wednesday 23:59 | - | - | -
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