すばらしくてNICE CHOICE

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SOUL'd OUT『ATTITUDE』

2008年1月23日リリースの4枚目のアルバム。

数千枚あるいは数百枚単位しか売れないヒップホップ村を飛び出すシリーズの第3回目。SouljaFUNKY MONKEY BABYSに続くのは新作を出したばかりのSOUL'd OUT。K DUB SHINEからは、"変な曲 何語だそれ そうだそういや Sell Outの過去形"(「なんでそんなに」)と罵られ、BIGZAMごときにも"きもいぜ ウェカピポポップスター"(NITRO MICROPHONE UNDERGRAUND「STILL SHININ'」)と罵倒されるヒップホップの異端児、SOUL'd OUT。

5年前に「ウェカピポ」でデビューしたときに、m.c.A・Tみたいなバッタもんがまた出てきたぞと思い、無視してきたので、じっくり作品を聴くのは今作が初めて。

で、聴いたら、これが意外や意外結構いい。というかDiggy-MO'のラップが非常にうまい。テレビで見ていると意味不明なリリックにちょっと残念なラップをしている印象だったけれど、音源で聴くと、ビートへの言葉の乗せ方が絶妙で、かつ歌心のあるフロウをするので、少しも単調にならず楽しめる。アクの強い声にはグルーヴすら感じられる。M5「GASOLINE」のフック冒頭の"OH YEAH"という叫びには、"腹から声出していないラッパー"は見習って欲しいような力強さがある。またM5もそうなのだけど、M12「Widespread Panic」などで、岡村ちゃんとタメを張れるようなファンク声を堪能できるのも嬉しい。

ヴァースでラップして、フックで歌うパターンが基本路線の彼らだけど、M7「FUNNY GIRL DUCKY BOY」では曲の頭から丸々歌いまくり。楽しい。M13「GROWN KIDZ」も冒頭からいきなり、"衒いなんて捨てて さぁ歌えよ心の声で 未来だって描けるさ"と歌い始める。しかし、歌のツマとしてのラップにはなっておらず、ラップと歌がうまい具合に共存しているのがいい。シンガーを呼ぶわけではなく、ひとりの人間がどちらもやるからいいのかもしれない。

もう一方のラッパーはDiggy-MO'ほどの技術はないものの、足を引っ張るほど下手でもないし、いいアクセントになっている。M9「Cinozoic」は、その片割れがひとりでラップするオールドスクールノリの曲で、SOUL'd OUTがDiggy-MO'のグループであることを確認できる。

批判の多いリリックについていえば、シングルにもなったM3「TONGUE TE TONGUE」のDiggy-MO'のヴァースは以下の通りで、耳で聴いているだけだと全く意味不明。歌詞カードを読んでも不明だけど。

"理想的なProcessとは裏腹に It's like a game of chess
 もうどうです ね Gooddess オレ思う You need to get some rest
 Because you got this rattlin' in your chest
 Ti 奇想天外でアクセク Coprolalia 慣れっこな方ですって Oh Miss
 あり余る緊張感も Extremist ならではの至る今日です
 I'm just standin' on tha coner of Diamond Diamond Ave.
 で ほら もう オレ MULLER woo la チェキリ 待つ チェキリ 待つ
 しきりに待つ 物事 really fucked up
 So gorgeous So fine なオモチャもだって"ナンダカンダ言う"
 で MO' & MO' uhhhh...We're livin' in tha luxury どうでも って右に Passerby
 目の前には... C'mon"

長々と引用してしまったけれど、内容なんてものがあるのかどうかさえ判然とせず、例えあったとしても解読は極めて難しそうだ。だけど、このリリックが音として耳に飛び込んでくると途端にスムースな何物かに成り、心地良くついつい聴いてしまう。意味なんてないのならM1「STEALTH」のように全て英詩にしてしまえばいいとも思う。歌メロの歌詞は日本語が多めだけど、日本語の比重が大きいヴァースもある。例えばM5「GASOLIN」がそうだ。結構うまくビートにも乗せている。まあ頭悪そうなリリックではあるが。

"オレんとっちゃダリーだけ / ユニークな主張やお寒い条件も全くタリーぜ
 ワリーねオレ ヤりてーことヤるぜ キモチーことヤるぜ / てな SHAKEてってな SHAKE
 Fruity で最高の Great deal of feat で始まりな Beat
 血吐け! なんかのコンペに落ちたエリートもハマる / 心臓出そうなアソビ"

しかし、この曲の肝はサビ。"ガソ、ガソ、ガソリン"と思わず口ずさんでしまうポップさ。

全体的にトラックは微妙。再生ボタンを押したときに最初に流れてくるベースには心躍るが、続くビートが安っぽく、またSOUL'd OUTを特徴づけているシンセの音もまるで蛍光灯のような白々しい明るさで興ざめ気味。M2「COZMIC TRAVEL」ではTM NETWORKのような懐かしいシンセ音が、M6「SHUFFLE DAYZ pt.2」ではミネアポリス・サウンドのようなキーボードがバタくさく、どこまでも曲に絡みつくのはいかがなものかと思うけれど、ベースラインだけは不思議と魅力的。M11「Master's Groove 2」のインストは正直たるい。それと、おもちゃみたいなスクラッチ音は余計。

アルバムの最後を飾るM14「Starlight Destiny」ではふてぶてしく感動的に歌い上げて終わる。そのドスの利いた歌声を聴いていると、何だかもうヒップホップがどうのこうのというより、どこまでもSOUL'd OUTの音楽であり、揺るぎないスタイルであり、でもそれってヒップホップじゃない、となる。


通して聴くと、K DUB SHINEよりもビートを乗りこなしているし、BIGZAMよりもラップがうまいことは明白。まあそれはいいとして、一連の売れているラップ音楽の中では一番ハードなヒップホップをしていると思う。ラップらしいラップをしているのに売れているのは、キャッチーなフロウとポップな歌メロ(1曲に3〜4本もメロディラインがあるのは実に贅沢)が魅力的だからだろう。ヒップホップファンには敬遠されているようだけど、もしサンプリング重視のトラックに全編英詩のラップを乗せるという採算度外視のアルバムを出したら、ヒップホップ村の住民はぐうの音も出ないと思う。

聴かず嫌いはいけないと思った。


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2002.11   1st mini AL『DEMO TRACKS』
2003.01.22 1st SG『ウェカピポ』
2003.04.09 2nd SG『Flyte Tyme』
2003.07.09 3rd SG『Dream Drive / Shut Out』
2003.08.27 1st AL『SOUL'd OUT』
2003.11.19 4th SG『Love, Peace & Soul』
2003.12.10 remix AL『Movies & Remixies』
2004.04.21 5th SG『1,000,000 MONSTERS ATTACK』
2004.07.14 6th SG『Magenta Magenta』
2004.11.03 7th SG『BLUES』
2005.01.01 8th SG『To All Tha Dreamers』
2005.02.02 2nd AL『To All Tha Dreamers』
2005.05.18 remix AL『Movies & Remixies 2』
2005.08.31 9th SG『イルカ』
2005.12.07 10th SG『ALIVE』
2006.02.08 11th SG『TOKYO通信 〜Urbs Communication〜』
2006.03.08 3rd AL『ALIVE』
2006.04.26 12th SG『Catwalk』
2006.06.21 remix AL『Remixies & Outside』
2006.09.27 13th SG『Starlight Destiny』
2006.12.27 best AL『Single Collection』
2007.02.21 14th SG『GROWN KIDZ / VOODOO KINGDOM』
2007.09.05 15th SG『MEGALOPOLIS PATROL』
2007.10.03 16th SG『TONGUE TE TONGUE』
2007.11.28 17th SG『COZMIC TRAVEL』
2008.01.23 4th AL『ATTITUDE』
2008.03.05 b-side best AL『Flip Side Collection』
2008.11.26 【Diggy-MO'】1st SG『爆走夢歌』
2009.02.04 【Diggy-MO'】2nd SG『JUVES / VEGA』
2009.03.25 【Diggy-MO'】1st ALDiggyism
2009.07.22 【EdgePlayer】1st mini AL『IN HUMANITY』
2009.08.05 【Diggy-MO'】3rd SG『ToMiTaMi ToMiTaMo』
2009.09.02 best AL『Single Collection』
2009.09.02 【EdgePlayer】1st SG『流れて』
2009.11.18 【Diggy-MO'】4th SG『Arcadia』
2010.05.12 【Diggy-MO'】5th SG『STAY BEAUTIFUL』
2010.06.09 【S'capade】1st AL『S'CAPADE』
2010.07.07 【Diggy-MO'】2nd ALDiggyism II
2010.07.28 【EdgePlayer】1st AL『TWISTED』
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2008.02.19 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(7) | trackbacks(0)
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2017.06.22 Thursday 23:59 | - | - | -
コメント
BIGZAMごとき、という表現に笑いました。
確かにアレは無いですね。なんであんなのがニトロに名を連ねてるのか・・・。
あとどうでもいいことなんですが、今はBIGZAMじゃなくてBIG−Zだそうです。
KK | 2008.02.20 Wed 23:50
おっしゃるとおりだと思います。ぼくもDiggy-MO'のラップはうまいと思っていました。
今、売れているというか、チャートに入ってくるラップの中ではかなりのものだと思います。

てか、あの歌詞を考えて書いているDiggy-MO'は
ある意味天才ですよね(笑)
ピクニック | 2008.02.21 Thu 00:13
KK様

こんばんは。
ああ、BIG-Zですね。了解です。ニトロも出せば出すほど化けの皮がはがれていくわけで、まあ彼がいても当然なのかなとは思ったり思わなかったりという感じですね。



ピクニック様

こんばんは。お久し振りです。

>あの歌詞を考えて書いているDiggy-MO'はある意味天才ですよね
同感です。彼もそうですが、オレンジレンジの彼らも同様で、ほとんど意味のなさない歌詞を考え、覚えているわけですよね。素直にすごいと思います。
gogonyanta | 2008.02.21 Thu 01:24
上から物言ってんじゃないよ


K-DUBなんかと一緒にすんな



あんたの文章も大概頭悪そうだなwww


理解できない程度の感性なら聴く必要はない



せいぜい人気重視のラップでも聴いて知った顔してなさい
通行人B | 2008.09.04 Thu 22:52
通行人B様

こんばんは。
わざわざコメントをありがとうございます。

> 上から物言ってんじゃないよ
そんなセリフを上からいわれましても困ります。腰をかがめて下から頼み込んで下さい。そしたら聞かないこともないですよ。

> K-DUBなんかと一緒にすんな
Diggy-MO'をあんなへたれと一緒にするな! 一度聴いてから出直してきなさい。

> せいぜい人気重視のラップでも聴いて知った顔してなさい
私からすれば、K-DUB SHINEこそ売れっ子の人気者ですけどね。
gogonyanta | 2008.09.05 Fri 01:03
昔の記事に失礼します。

Diggy-MO'のBeatへの対応力とFLOWのキレは毎度 凄いですよね
Bro.HI(Diggy-MO'じゃない方のMC)もDiggy-MO'程、個性的で特徴的なラップはしていないですが別ユニットの
EDGE PLAYERではkjみたいなスムースなFLOWや軽いだみ声の歌を聴かしてくれますよ
(他のメンバーが正に日本語ラップって感じの言葉のハメ方やダサい英語でうんざりしますが)


個人的には今現在
レンタルや中古購入で安く聴けるSOUL'd OUTの1stと2ndの感想も是非、聞きたいです!
Gue. | 2012.12.19 Wed 19:33
Gue.様

こんにちは。
お返事が遅れてすみません。

> Bro.HIもDiggy-MO'程、個性的で特徴的なラップはしていないですが
> 別ユニットのEDGE PLAYERではkjみたいなスムースなFLOWや
> 軽いだみ声の歌を聴かしてくれます

そうなんですか。彼もDiggy-MOと一緒に大きな舞台に立ち、多くのファンを魅了するラッパーなわけですもんね。グループとしてのキャラ分けみたいなことも必要でしょうし、SOUL'd OUTでは見せていない実力もあるのですね。

> SOUL'd OUTの1stと2ndの感想も是非、聞きたい

リクエストもありがとうございます!ただ、日本語ラップは今、売上的には厳しいですが、新作リリースが増える一方で、さらに無料のミックステープも多く出回り、かなりいっぱいいっぱいな状況でして、、、お答えしたいのはやまやまなのですが。。。すみません。
gogonyanta | 2013.01.14 Mon 17:26
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