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2021.02.10 Wednesday | - | - | -
裏切りの闇で眠れ / Truands

79点/100点満点中

2006年のフレデリック・シェンデルフェール監督によるバイオレンス映画。2008年公開作品。

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パリの裏社会を牛耳る男クロードが投獄されたのをきっかけに、アラブ系のイシャム、ラルビが頂点に上ろうと画策するが・・・。
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暗黒街のトップ、クロードとその一味、父がクロードと知り合いでクロードの世話になっているアラブ系のイシャムとラルビ、どの組織にも属さないで、ブツの受け渡しから人殺しまで危険な仕事を請け負うフランクとその相棒。大きく分けてこの3者が色々画策し合うわけだけど、脚本がすこぶる悪い。敗因は脚本。

クロード役のフィリップ・コーベールはジャック・ニコルソン似で悪党を熱演するし、イシャム役のメーディ・ネブーもラルビ役のトメル・シスレーもそれぞれかっこよく、クロードの後釜を狙う強欲さがにじみ出ていて良かったし、難しいポジションにいるフランクを演じるブノワ・マジメルが何よりすばらしかった。『ゴッドファーザー PART II』に出ていた頃のロバート・デ・ニーロを彷彿とさせる精悍さと残忍さ、そして愛嬌を持ち合わせている。初めて見たけれど、いい面構えだし、ハリウッドでも成功しそう。あと、クロードの情婦役のベアトリス・ダルも良かった。

みんなキャラが立っているのに、脚本が行き当たりばったりで、どうしてこの場面が必要なのというのが多く(外国の訓練施設やフランクの相棒の妻の浮気、飛行場に忍び込むフランクとか)、その洗練されていない感じがある意味暴力で、前向きに捉えれば映画に揺す振られっぱなしのエキサイティングな2時間弱だった。最後までオチが読めず、え、そこで終わるのという感じでエンディングを迎える。マリアンヌ・フェイスフルの歌声は良かったけどさ。

なんだか非常にもったいない作品。意味のないセックスシーンやなくてもいい拷問シーンなど迷走し始める展開に、見たことはないのだけど日本のヤクザ映画やVシネマってこんな感じなのかなと思いながら見ていた。

まあ、予告編を見た段階で、そのパッとしない絵に期待はしていなかったけれど、邦題があまりにかっこよくて見に行った映画だ。今年に入って見た映画では『フローズン・タイム』も原題より邦題の方が圧倒的に詩的かつ内容を表していたけれど、本作も邦題の方がすばらしい。『裏切りの闇で眠れ』。しびれるなぁ。

あ、フランクの最後の殺害シーンはかなり良かった。あの場面が見られただけでも収穫かなと思う。


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ブノワ・マジメル
1974年、フランス・パリ生まれ。
2001年、『ピアニスト』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞。

1988年 人生は長く静かな河
1995年 シングル・ガール
1996年 夜の子供たち
1999年 年下のひと
2000年 王は踊る
2001年 銀幕のメモワール
2001年 ピアニスト
2002年 この胸のときめきを
2002年 スズメバチ
2003年 ピエロの赤い鼻
2004年 石の微笑
2004年 クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち
2005年 デッドリンガー
2005年 ナイト・オブ・ザ・スカイ
2006年 裏切りの闇で眠れ
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2008.02.24 Sunday 23:59 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2021.02.10 Wednesday 23:59 | - | - | -
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