すばらしくてNICE CHOICE

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R.E.M.『OUT OF TIME』

1991年3月12日リリースの7枚目のアルバム。

Nirvanaがシングル『Smells Like Teen Spirits』(9月)を出して、グランジブームが一気に加速した年。その前夜に出され、アコースティックな音を全面に押し出し、非常に楽しげなメロディを持った曲ばかりが並ぶ作品。

"Hey, I can't find nothing on the radio. Yo! turn to that station."というKRS-Oneの陽気なセリフで始まるM1「Radio Song」からして、腰にグイグイとくるベースラインが実に蠱惑的で、グランジブームのバンドが漂わせていた沈鬱さなど微塵も感じさせない。

このアルバムが1000万枚以上の売上を記録した要因のひとつが2曲目の「Losing My Religion」だ。ファーストシングルとして切られ、当時はチャンネルをMTVにすると必ず流れていた。私にとっても特別な曲だ。これまで色々な音楽を聴いてきたけれど、鳥肌が立つほどの衝撃があった曲というのは数曲しかない。この曲はその数少ない経験をした1曲だ。マンドリンのアルペジオに導かれるように、アコギのコードストローク、ベース、ドラムというシンプルな演奏に、Michael Stipeのいつもの声が乗っかるだけの至って普通のR.E.M.な曲ではあるけれど、メロディがなんともいえない悲しみを表現する。陽性なマンドリンの旋律がその悲哀を強調するものだから、余計にやりきれない気分にさせられる。

とはいっても、歌詞はさっぱり意味が分からない。この曲に出会って10年以上経つけれど、いつまで経っても掴めやしない。最後のくだりで、"でもそれはただの夢だったんだ、そうさ夢にすぎなかったのさ"と歌われるわけで、直面した苦悩や現実の過酷さを歌っているのだろうなというのは何となく分かるけれど、抽象的すぎるがゆえにマイケル・スタイプ本人だけが理解できる歌詞で、聴き手は置いてきぼりにされる。

歌詞の全てを理解できていないにもかかわらず、琴線が強烈に揺す振られわけで、この曲はすごいとしかいいようがない。

M3「Low」はタイトル通り低音の歌声とベースが活躍する曲。ついつい歌いたくなってしまうメロディ。サビの"ロウ、ロウ、ロウ"は絶対に歌う。マイケル・スタイプがMike Millsにボーカルを任せたM4「Near Wild Heaven」はアコギによるアルペジオが軽快で、ポップなコーラスも楽しい。歌詞なしでラララと歌われるアコギ主体のM5「Endgame」は途中のヴァイオリンによるピチカートが美しい。

前作の「Stand」はあまり好きではないけれど、M6「Shiny Happy People」は同じおバカ路線の曲調にもかかわらず好きなのはどうしてだろう。B-52'sのKate Piersonが参加している。M7「Belong」は反対にメロディらしいメロディがないけれど、聴き入ってしまう。M8「Half A World Away」もまたピアノの柔らかい音色とマンドリンの間をたゆたうマイケルの歌声とメロディがじっくり堪能できる。

M9「Texarkana」はM4同様マイク・ミルズがボーカルを担う曲。この人は本来ベーシストだし、声が細いのは致し方ないのだけど、その分優しく歌っていて、それが味わいになっている。弦楽器もいい塩梅にカバーしていて、バランスのいい曲だと思う。コーラスで聴けるマイケルの高音はやっぱり美しい。

このアルバムの中で敢えてもう1曲挙げよといわれれば、M10「Country Feedback」だろう。アルバム『NEW ADVENTURES IN HI-FI』にも通じるブルースがある。不安げに震えるギターのディストーションがかっこいい。

最後のM11「Me In Honey」はM6と同じようにケイト・ピアソンの歌声が聴ける。ちょっと明るめの曲調でアルバムの幕を下ろす。


前作『GREEN』でも数曲あったアコースティック路線を大々的に取り入れた作品になっていて、いつ聴いても古びることのない普遍性を勝ち得ている。「Losing My Religion」にばかり耳がいくけれど、それ以外の曲もメロディは秀逸だし、アレンジも心地いいし、ホント優れたアルバムだと思う。


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<本作からのシングル>
1st SG『Losing My Religion』
1991.03 UK
 1.Losing My Religion
 2.Rotary Eleven →アルバム未収録
 3.After Hours (Live) from『Tourfilm』/Velvet Undergroundのカバー(1969)
1991.03 UK
 1.Losing My Religion
 2.Stand (Live) from『Tourfilm』
 3.Turn You Inside-Out (Live) from『Tourfilm』 →『IN TIME』(Disc 2)
 4.World Leader Pretend (Live) from『Tourfilm』
1992.03
 1.Losing My Religion
 2.Fretless →『IN TIME』(Disc 2)
 3.Losing My Religion (Live Acoustic 1991.04.01)
 4.Rotary Eleven

2nd SG『Shiny Happy People』
1991.06 UK
 1.Shiny Happy People
 2.Forty Second Song →アルバム未収録
 3.Losing My Religion (Live Acoustic 1991.04.01)
1991.06 UK
 1.Shiny Happy People
 2.I Remember California (Live) from『Tourfilm』
 3.Get Up (Live) from『Tourfilm』
 4.Pop Song '89 (Live) from『Tourfilm』

3rd SG『Near Wild Heaven』
1991.08 UK
 1.Near Wild Heaven
 2.Tom's Diner (Live 1991.03.15)/Suzanne Vegaのカバー(1987)
 3.Low (Live 1991.03.15)
 4.Endgame (Live 1991.04.28)
1991.08 UK(12")
 1.Near Wild Heaven
 2.Pop Song '89 (Live 1991.03.15)
 3.Half A World Away (Live 1991.04.01)

4th SG『Radio Song』
1991.11 USA
 1.Radio Song (Tower Of Luv Bug Mix)
 2.Love Is All Around (Live 1991.04.01)
 3.Belong (Live 1989.11.10)
1991.10 Germany
 1.Radio Song
 2.You Are The Everything (Live ?.?.?)
 3.Orange Crush (Live 1989.11.13)
 4.Belong (Live 1989.11.10)
1991.11 UK(12")
 1.Radio Song
 2.Love Is All Around (Live 1991.04.01)/The Troggsのカバー(1967)
 3.Shiny Happy People (Music Mix)

LIVE DATE & PLACE
1989.11.10:at the Coliseum, Greensboro, North Carolina
1989.11.13:at the Fox Theater, Atlanta, Georgia
1991.03.15:at The Borderline Club, London
1991.04.01:on Rockline, Los Angeles
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2008.03.03 Monday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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