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KREVA『クレバのベスト盤』

2008年3月19日リリースのベストアルバム。

これまで出したシングル12枚と、サードアルバムから「ビコーズ」、セカンドから「H.A.P.P.Y」と「It's for you」を収録。それと新曲の「あかさたなはまやらわをん」を加えた全16曲が収められたベストアルバム。

これまでのシングルやアルバムは聴いてきているので、改めて聴くことはなかったのだけど、新曲がいいという評判を聞いて試してみることに。

最新シングル「ストロングスタイル」から始まり、徐々にさかのぼっていく構成で、ファーストシングルにあたる「希望の炎」が終わって、最後の16曲目に収録されたのが、「あかさたなはまやらわをん」だ。

"猫はニャー 犬ならワン 象はパオーン ライオン ガオーッ 僕たちは人間だもん あかさたなはまやらわをん"、というフックで始まる、意表をつかれた曲ではあるし、最近のクレバにしては面白いと思える曲でもあるけれど、どことなくちぐはぐ。どうせここまで愉快なリリックにするなら、ヴァースでも子供向けの分かりやすい言葉を使い、子供すら乗らせてしまうラップにすればいいのにと思ったり思わなかったり。

宇多田ヒカルが「ぼくはくま」を作ったように、平易な言葉でも大人が考えさせられる歌詞はできるわけだし、単純な言葉の中に真理を散りばめる、けれどラップそのものは楽しいという方向性だったら、"猫はニャー"は画期的なのにニャー。

もともとキック・ザ・カン・クルーは嫌いではなかったし、ラストアルバムに向けての鬼気迫る頑張りは熱烈なファンではないものの、すごいすごいと思いながら応援していた。あの音は3人でこそ成立するものと思っていたので、ソロになったクレバがキックのラストアルバムの音楽性をさらに押し進めたのは嬉しかった。特に「音色」でのラップと歌メロ、シンプルなビートのバランスは格別だった。

けれど、クレバのソロキャリアを今回改めて振り返ってみると、キック時代にどんどん削ぎ落としていったはずの虚飾を再びまとい始めた道であることがよく分かる。
2008.03.29 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(4) | trackbacks(0)
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2017.07.31 Monday 23:59 | - | - | -
コメント
キック時代の「虚飾」が何を指しているか理解できていませんが、最近のクレバの「虚飾」に関しては、ラーメンズ(というか小林賢太郎)のものに近い気がしています。(まぁクレバがラーメンズファンを公言しているからって理由で余計そう見えているんですが。)

このあいだの「ヒップホップの解体」をテーマ(?)としたソロライブのパフォーマンスも、新曲の"あかさたなはまやらわをん"の言葉遊び的なラップの解体もそうですが、それはキッズにヒップホップを理解させて間口を広げるものというより、日本語ラップの可能性を探るために「元の手法に立ち返っている」という実験的なニュアンスのほうが強いと感じました。

そういう意味では、"国民的行事"からいままでのクレバのスタイルとしては、「リスナーへのスタディ」を意識しているかもしれませんが、根本は「日本語ラップの再構築」を狙っているような気がしているので、キックの頃に感じられた「虚飾」とは別物でしょうし、「愉快なリリック」も単に子供狙いなだけでは無いんじゃないか、という一意見です。
微熱王子 | 2008.04.01 Tue 16:08
微熱王子様

こんばんは。
「様」がここまで似合うハンドルネームの方は初めてです。
「微熱教授」氏とは別の方なんですよね。愛読者なので一瞬ドキッとしました。

> キック時代の「虚飾」が何を指しているか理解できていませんが、
「虚飾」というのは音に関してです。音の贅肉をどんどん削ぎ落として辿り着いたのがキックのラストアルバムという印象があるのです。トラックがビートによる骨格だけで出来上がり、それがまたえらくかっこよく、その上にタイトなラップがのっかるという。

反対にラーメンズの「虚飾」が私には不明です。昔まだ彼らがNHKに出ている頃はライブに行ったりしていましたが、最近はテレビに出ることも少なく(俳優としては別ですが。あ、年末のは見ました)、どんな活動をしているか知らないのです。

> 日本語ラップの可能性を探るために「元の手法に立ち返っている」という実験的なニュアンス
> "国民的行事"からいままでのクレバのスタイルとしては、「リスナーへのスタディ」を意識して
> いるかもしれませんが、根本は「日本語ラップの再構築」を狙っているような気がしている
ああ、なるほど「日本語ラップの再構築」ですか。そこまで難しく考えませんでした。面白いか面白くないかという至極即物的な判断のもと、はっきりつまらないと思えてしまうのが最近のクレバだなぁ、と。そして、それが「日本語ラップの再構築」の過程によるもので、その試行錯誤を経た後のラップが面白くなるのであれば、また応援していきたいですね。

私は「再構築」という考えには思い至らず、クレバのファーストからセカンドへの方向転換はキック時代も頑張っていましたが、状況がなんら変わらない音楽シーン(これを語るほど知っているわけではないですけどね)に、日本語ラップを根づかせる(この意識が「リスナーへのスタディ」なのかな)ために、普段ヒップホップを聴かない層へも届くよう、耳馴染みの良いトラックを起用するようになったとだけ考えていました。

ですので、新曲「あかさたなはまやらわをん」が、それをさらに押し進めて三つ子の魂ではないですが、幼稚園児をも楽しくラップさせ、日本語ラップがより広く浸透するような曲だったら面白かったのにと思ったのです。クレバのことですから、視線は幼稚園児に合わせても、よく聴くと「クレヨンしんちゃん」のごとく大人を唸らせる深いものができるとも思いますし。

でも、微熱王子さんの「日本語ラップの再構築」という指摘は興味深かったです。もう少し聴き込んでみます。
gogonyanta | 2008.04.02 Wed 02:04
あぁ、「虚飾」というのは音の話でしたか。確かに、キックの最後のほうはUSメインストリームを意識していそうなスカスカ感がありましたね。よくわかります。

クレバのソロライブについては、宇多丸のラジオでどんな感じだったのか詳細が聞けます。(http://www.nicovideo.jp/watch/sm1619197  ニコニコなんですが。。)
その話を踏まえてもらえると非常にわかりやすいと思うのですが、「ヒップホップを解体するというネタを披露したうえで、しかもそこにクレヴァーなオチをつける」あたりが非常にラーメンズ的というか、お笑い的というか、そこを意識していないとは言わせないぞ、と勝手に思っています。新曲もそうですが、「パフォーマンス」という言葉が似つかわしいので、そういった意味での「虚飾」が顕著だなぁ、と。

で、「パフォーマンス」である以上は、「実験性」を意識してはいるだろうな、じゃあその実験って「日本語ラップの再構築」を意図しているんじゃないだろうか、という超深読みをしているときに、この記事を読ませていただき興味を持ったのでコメントさせていただきました。

ブログ、ご愛読いただいているようで、ありがとうございます。
微熱王子 | 2008.04.02 Wed 21:25
こんばんは。

「パフォーマンス」 → 「実験性」の意識 → 「日本語ラップの再構築」の意図、という流れはすごいですね。そういう深い考察を経て、あのブログができあがるわけですね。クレバについての記事を楽しみにしています。
gogonyanta | 2008.04.03 Thu 01:07
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