すばらしくてNICE CHOICE

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山仁『愛(LOVE)』

2006年5月10日リリースのサードアルバム。

山仁がかつて在籍していたヒップホップバンドLoop Junktion。バークリー音楽院に留学していた俊英のスキルフルな演奏と熱い魂をむき出しにしたラップの組み合わせが絶妙な化学反応を生み出しているという評価を方々で聴く。けれどもファーストアルバム『Ties』しか聴いたことのない私には、演奏陣が紡ぐあれだけのかっこいい音の上に乗るラッパーとしては、山仁は力不足との印象を否めなかった。

とはいえ、THA BLUE HERBのILL BOSSTINOとレコーディングしたという話を聞いたりすると、俄然興味も湧いてくるし、機会があったので手に取った。


最初の印象から大きく変わった。異能な人だ。D.LやNIPPSと同じ系統というか。まあ、アルバムタイトルを『愛』とするぐらいだから、普通ではないとすぐに分かるけれど、言葉の組み合わせ方やテーマ、歌うようなソウルフルなフロウ。どれをとっても圧倒される。聴き込むほどに良くなる。

Loop Junktionの解散後、バックが結成したインストバンドCro-magnonを呼んだM4「女-良」辺りまでは、ジャジーな、いってみればLoop Junktionよりのトラックだったのが、次第にジャンクなビートにソウルな鍵盤がかぶさり、さらには音割れ寸前のようなブリブリのベースが絡みつく音に変わっていく。M9「REBEL MUSIC」では三宅洋平を呼び寄せ、まさに存在そのものがレベル・ミュージックなふたりがど迫力に歌い上げる。私にはここがこの作品のピークだった。

M4では全編で歌いまくったように、ラップもするけれど、ヴァースでは当然のように魂のこもった歌い回しを聴かせ、時にポエトリーを挟み、山仁という人間が抱える思想を思いのままに表現する。ラップも押韻がどうのというよりもフロウで聴かすタイプだから、ヴァースが長ければ長いほど熱をはらんでいく。しかも次第にラップなのか歌なのか分からなくなるほどで、はっきりしているのはその声を浴びていることがただただ気持ち良いということだ。

この人の声や思想には行儀のいい音よりも、このアルバムで聴けるような生々しく土臭いトラックの方が合っている。上でも書いたBOSSとの曲は気になるけれど、志人やD.Lとやったらどうなるのかや、TWIGYとやっても面白かもとか、色々想像して楽しくなる。いやぁ、満足。ライブが見たくなってきた。


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2005.04.10 1st AL『DOWNTOWN POP & CHEEP』
2005.10.20 2nd AL『LOVE & CHEEP』
2006.05.10 3rd AL『愛(LOVE)』
2007.08.21 4th AL『PLANET ATTACK & CHEEP』
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2008.06.03 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(3) | trackbacks(0)
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2017.10.17 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
ほう。
山仁、ちゃんと聴いた事ないんですよ。今回のレビュー呼んだら、俄然興味が沸いてきました。しっかし、ハイペースでリリースしてますねぇ彼。1stから順番に行くのも時間喰いそうですね。私もこのアルバムしか、店でも見た事ないですし…。
男爵ディーノ | 2008.06.04 Wed 23:59
男爵ディーノ様

こんばんは。

> ハイペースでリリースしてますねぇ
サードアルバムの『愛』だけが、市販されているみたいです。他のアルバムは彼のHPからかライブ会場のみの販売になるんだと思います。でもそのHPに、『愛』がラインナップされていないのは謎なんですが。近いうちに、ライブラからシンガーとして録音したアルバムが出るみたいですよ。

まあ、でも聴いてみるもんだと思いました。だから今ホフディランに興味津々です。当時、ディラン・マッケイのジャケのシングルだけ持っていた覚えがあるのですが、アルバムは聴いたことないんですよね。
gogonyanta | 2008.06.06 Fri 00:55
こんばんは。

>他のアルバムは彼のHPからかライブ会場のみの販売
なるほどですね。どうりで見ないわけです。取り合えず、この「愛」はレンタル屋には置いてなさそうなので、聴くには買うしかなさそうですね。

>ディラン・マッケイのジャケのシングルだけ持っていた覚えが
あのシングルはホフのPOPサイドというか、ベイビーテイストのみのシングルなので私の中では今ひとつですね。是非、機会がありましたらアルバムも挑戦下さいませ。

男爵ディーノ | 2008.06.07 Sat 01:43
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