すばらしくてNICE CHOICE

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海&DJ SUMICO『Inside Blues』

2004年9月8日リリースのファーストアルバム。

良質なアンダーグランドヒップホップを聴きたければ、是非どうぞ、といった感触の一枚。ジャズをも取り入れ始めた頃のヒップホップにあった、無邪気でシンプルで、だけどとても力強い音がここにもある。こういう音が聴きたくて、アメリカのメインストリームとは違うところで、細々と活動している人たちの音を漁ったりしているけれど、日本語でやっている人たちがいたのは嬉しい。

温かみのあるビート、太いベースライン、印象的な鍵盤、しっかりしたフック、そして、差し込まれるスクラッチネタは、1971年に大ヒットした鶴田浩二の「傷だらけの人生」の一節"けだものごっこがまかり通る世の中でございます"という荒技でちゃんと日本語ラップになっているM2「RING MY BELL」や、ATCQを彷彿とさせるM8「MIDNIGHT BLUESY」のピアノの旋律はまさに"真夜中"って感じだし、珍しく声に勢いがあるM10「MEMORY TO LINE」やM13「FANTASTIC PLANET」もいいし、要所要所で挟まれるインストの中でもM15「PRECO LIFE by DJ SUMICO」はブルージーなギターがむせび泣く逸品。言葉は悪いけれど、全体的に小さくまとまっている楽曲中、この曲だけが奔放で、それがまたたまらない。M13のリミックス、M16「FANTASTIC PLANET (BACK ATTACK REMIX)」はホーンが入り、やや派手に生まれ変わっている。ベースラインのみで疾走するラップがかなり好き。

海といえば、餓鬼レンジャーのアルバムに参加した作品から、甲高い声でまくし立てるラップをイメージしていたけれど、スキルも情緒もかなぐり捨てた印象一発勝負のようなひどいラップはこの作品では封印している。また、リリックがすぐに理解できる日本語ラップでは、ひとりで聴く分にはいいけれど、人がいるところでは恥ずかしくて聴けないということが往々にしてある。"なめんなよ、東京を まだまだビンビンだぜ"等のお里が知れるようなリリックが多いからだ。でも、この作品はBGMとしても使えそうなぐらい、そういったお恥ずかしい言葉遣いがない。ラップがおとなしめということもあるかもしれないが、トラックの雰囲気を壊すことなく、調和の方向でフロウし、言葉を選んでいる。海が客演した餓鬼レンジャーの曲でいれば、『DA-PONG』収録の「風詩」に近い。


4年前の作品ではあるけれど、少しも古びていないし、多分5年後も10年後も同じように聴き続けることのできる作品だと思う。
2008.06.09 Monday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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