すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
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SIMON『Simon Says』

2008年6月25日リリースのセカンドアルバム。

ヒップホップはコスプレではない。ぶかぶかの服を着て、同じようなキャップをかぶり、磨き上げたスニーカーを履いていれば、ヒップホップになるかといえば、そんなことはない。俺が一番すごいだとか、女がどうだとか、昔から俺は変わらないぜとかいっていれば、ラップかといえばもちろんそれも違う。

この作品を聴いていると、いわゆる「ヒップホップ」らしさを一生懸命身に付けて、演じているようにしか見えない。ZEEBRAが拓き、DABOが辿った道にまだ続く若者がいることに驚く。彼らの音を聴いて、"だせーもんはだせー"と思わないのだろうか。

ヒップホップは人とは違う表現方法を他ジャンルよりも強く求められる音楽で、様式美は決して美徳ではない。先月発表された2枚のアルバム──TWIGY般若の新作を聴いても、それぞれ言葉の選択、音作り、フロウ等々でオリジナルであることを深く追求したすばらしい作品だった。

ただ、SIMONにとってはまだ2枚目の作品ということで、彼らと同じものを求めるのは酷なのかもしれない。"言ってる言葉が全部聴き取れる"ようにラップしていることは評価できるのだから、あとは彼にしか表現できないテーマや言葉を聴きたい。


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2006.04.12 1st AL『STREET KNOWLEDGE』
2006.09.15 mix CD『TIME 4 GAME』
2008.06.25 2nd AL『Simon Says』
2011.06.08 3rd ALTWICE BORN
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2008.08.07 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(13) | trackbacks(0)
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2017.10.17 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
いつも興味深く読ませていただいております。

様式美は美徳ではないとおっしゃいますが、HIPHOPには確かに様式美というものが存在すると思います。
例えばシュガーヒルのラッパー達のフローや、BCCのラッパー達のダラダラしたラガ調のラップなど、何人ものラッパー達が一つの美学のもとでラップするというのも、ヒップホップの面白い特徴であると思っています。
狭い村社会の中、既成のヒップホップに絶対的な価値を求めて、それに近づいていこうとする姿勢って、今日び殊勝というか、ヒップホップに対する正義感みたいなものを感じて、応援したくなるんですよね(笑)

また、「ヒップホップは人とは違う表現方法を他ジャンルよりも強く求められる」とのことですが、SIMONのようなタイプのMCにとっての「人」というのは、「他のMC」ではなく「他のジャンルの音楽」なのではないでしょうか。彼らは、「俺個人」よりも「俺達」を重視しているように感じます。こういう、若いくせに凄く保守的なところも、ヒップホップの憎めないところだと私は思っています(笑)

完全なお節介ですが、オリジナリティーばかり求めていたらせっかく買ったアルバムを楽しめないんじゃないかなと思ったので、コメントさせていただきました。
PIGGY PIG | 2008.08.10 Sun 04:18
PIGGY PIG様

こんにちは。はじめまして。

> オリジナリティーばかり求めていたらせっかく買ったアルバムを
> 楽しめないんじゃないかなと思ったので
ホント、そうですよね。このアルバムは、PIGGY PIGさんがおっしゃるように、"既成のヒップホップに絶対的な価値を求めて、それに近づいていこうとする姿勢"や"若いくせに凄く保守的なところ"を楽しむ作品になんでしょうね。だからこそ、ZEEBRAが絶賛するわけで。ジブラはこのノリがやりたくてここ2作頑張っていたわけですが、SIMONのような「勢い」を作品化することはできませんでした。

まあ、ロートルの話はさておき、奇抜な音や変則フロウを駆使し、オリジナリティーらしさを演出しても、それは"らしさ"であって、結局は誰かのまがい物でしかなく、本当の意味でのオリジナルというものは難しいものだと思います。それよりも頑固一徹、先人が踏み分けた道であっても、それが自分の好きなヒップホップなのだからとばかりに追求していく姿は確かに"殊勝"であり、"正義感(私にはやはりこの言葉には「一方的な」という言葉を修飾したくなるのですが)"なのでしょう。

音を聴かずともジャケットを見ても丸わかりですもんね。

ところで、PIGGY PIGさんの名前の由来はあのバンドの曲からなんですか?
これからもよろしくお願いします。
gogonyanta | 2008.08.10 Sun 15:44
前にブラックファイルかなんかのアーカイブかな?でライブを見た時に
なんていうんですかね、他の連中がまるで備えてないような
日本人離れした(実際ハーフなんでしたっけ)ビート感みたいなのをラップに感じて
うわーすげえ奴でてきたなとか思ったもんですが、そういう要素は感じられましたか?
まだアルバム聞けてないもので・・・
KK | 2008.08.10 Sun 23:59
KK様

こんばんは。
お久しぶりです。

> 日本人離れした(実際ハーフなんでしたっけ)ビート感みたいなのをラップ
う〜ん、どうなんでしょう。あんま感じなかったですね。それよりもとても聴き取りやすいラップがいいと思えました。ヒップホップを壊したり、否定したりするのではなく、上でPIGGY PIGさんが書かれているように、そっと守っていくタイプなので、直球のヒップホップファンタジーを一度味わってみてはいかがでしょう。保証はしませんが。
gogonyanta | 2008.08.11 Mon 01:01
丁寧なご返事ありがとうございます。

「ファンタジー」というのは、アメリカナイズ型の日本のヒップホップを、とてもよく表していると思いました。
これは宇多丸の受け売りなのですが、「やっぱ海外のがかっけーよ、日本だせえよ、っていう方が健全」 だと考えています。
こういったラッパーは、日本語ラップにしか耳を傾けないリスナーが増えている中で、ヒップホップの正しいノリ(とても独善的な言い方ですが)を若いリスナーに伝えるという、過去のヒップホップのアーカイブとしての機能を持っていると思うので、私は『いわゆる「ヒップホップ」らしさを一生懸命身に付ける』事を否定したくないのです。
ヒップホップ伝統芸能の正統な後継者とでも言いましょうか。

また、技術的な部分についてですが、ZEEBRA、DABOにしても、わかりやすい日本語を使っているのにちゃんとヒップホップに聴こえるというのは、アメリカナイズ型日本語ラップの一つの達成であると思います。
本来黒人訛りの英語で表現されてきたヒップホップを日本語で再現するために、日本のラッパー達はずいぶん歪んだ日本語を使ってきたわけですが、近年のこういったラッパーは、その歪みを感じさせずにヒップホップらしいノリのラップができるようになってきたなあ、と感じています。(よく考えたらスチャダラパーが3rdあたりでとっくに達成していることなのですが。)

>ところで、PIGGY PIGさんの名前の由来はあのバンドの曲からなんですか?

とのことですが、思いつきで付けた名前なので、何の意図も無いです。すいません(笑)
PIGGY PIG | 2008.08.11 Mon 02:02
>ところで、PIGGY PIGさんの名前の由来はあのバンドの曲からなんですか?

ごめんなさい、誰の曲でしたっけ?
出てきそうで出てきません。
shooter | 2008.08.11 Mon 22:17
shooter様

こんばんは。
お久しぶりですね。

"hey pig piggy pig pig pig"の一節がある、Nine Inch Nailsの「Piggy」です。暗黒の青春時代に『The Downward Spiral』を爆音で聴いていました。懐かしいアルバムです。

関係ない話ですが、今日タコライスを作るので、挽き肉を買ったんです。でもミンチ肉を手に取るたびに思い出すのは、「Happiness In Slavery」のPVで、毎回ちょっと嫌な気分になってしまうんですよね。罪作りなバンドでした。
gogonyanta | 2008.08.12 Tue 01:08
相変わらず釣られたくなるような文章書くのが上手いですね(笑)

貴方がおっしゃる「日本のオリジナル」を追求しているTWIGYの『Baby's Choice』の"Rapshit"を聴いたあとに↓でも聴いてくださいよ。


http://jp.youtube.com/watch?v=eGU_v_GAdvg&feature=related


あからさまにアメリカナイズなヒップホップを毛嫌いするのも個人の趣味、自分の勝手でしょうが(このブログも感想文ブログだということですし)、「日本のオリジナルの表現」と「参照された表現」の違いは勉強したほうがいいですよ。前も言いましたが。

SIMONのアルバムにも彼のオリジナルの表現があるのですから。
微熱 | 2008.08.12 Tue 16:52
あぁ、そうですね。なんでそんな有名なの気がつかなかったんだろう。
おかげですっきりしました。

あと
>「Happiness In Slavery」のPV
って「Closer」 のビデオに入ってたやつですか?
あれ実家に置いてきちゃって見れないんですよね。
まぁあったとしても、子供いるんであんなの見れないんですけどね。
はは・・・・。
shooter | 2008.08.12 Tue 22:32
微熱王子様

こんばんは。
久し振りのご登場ですね。お待ちしておりました。

> UGK
> TWIGY
「I Choose You」は名曲ですね。

> あからさまにアメリカナイズなヒップホップを毛嫌い
ごめんなさい。¥"あからさまに¥"ヒップホップヒップホップした音が苦手なだけであって、アメリカのヒップホップが嫌いなわけではありませんよ。こちらの書き方がまずく、誤解を与えてしまったのかもしれませんが、向こうのヒップホップを否定してしまっては自分の首を絞めるようなものだと思っています。

SIMONのアルバムには彼にしか発することのできない言葉やテーマが見あたらず、私にはつまらないと書いたのです。ただ、PIGGY PIGさんから¥"ヒップホップ伝統芸能¥"としての楽しみ方もあると指摘され、なるほどと感心した次第ですけどね。



shooter様

こんばんは。

> 「Closer」 のビデオに入ってたやつですか?
多分そうです。人肉ミンチ、一丁上がりってやつです。子供への悪影響は必至ですね。下手したらエロビデオより危険だと思います。
gogonyanta | 2008.08.14 Thu 01:24
別にアメリカの真似でもSIMONはカッコいいし良いじゃん?このブログなんて何も音も伝わってこなければどんな外見した奴かも分からないし。SIMONがイェー Yo!っていう方がたくさんの人が盛り上がるんだぜ?
それでもBANDALはギャングに憧れる | 2009.04.16 Thu 21:24
それでもBANDALはギャングに憧れる(または、BANDAL)様

頼みますからまず記事の文章を読み、時間に余裕があるならこれまでのコメントの文章を読んでから書き込んでください。アメリカの真似をしていることを誰も非難していません。それに記事から音が伝わらなくても、あなたには私のあばた顔のチビデブという外見が見えたようですが・・・。まあいいです。SIMONがイェーってやって盛り上がるのはせいぜい小さなクラブにいる50人ぐらいです。
gogonyanta | 2009.04.17 Fri 00:46
もっとHIPHOPというものをたくさん聴いたほうがいいですよ。
HIPHOPというものが今どいう状態なのかを知っておく事が
HIPHOPを聴く上で重要な鍵をにぎってるかと。
邦楽だけでなく洋楽もね。

あなたが批判してるアーティスト達は
洋楽からも諸々吸収影響されてるわけですし。

もともとブルックリンで生まれた文化を体現するのに
純日本人の感覚のみで挑んでいる人なんているはずもないし。

国籍問わずHIPHOPを聴いてる人達はもっと違った聴き方で
日本語ラップを楽しんでますよ☆



か | 2009.07.14 Tue 05:10
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