すばらしくてNICE CHOICE

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らっぷびと『RAP BEAT』

2008年8月6日リリースのファーストミニアルバム。

どうなんだろうなぁ。もし彼の出自を知らず、ただこの盤だけを渡されたとしたら、恐らく下手とは思わないけれど、好きなラップではないし、M2「クローバー」やM6「ありがとうのうた」、M7「アル晴レタ日」で顕著なポップ路線はチャートで健闘しているラップ曲と同じ方向を向いているので、もしかしたらこれから売れる可能性を秘めているかもしれない。ただそうなるとあの狭く陰湿な村社会からはみ出してしまうのだろうね、と思ったはず。

そして、彼が出てきたメディアを考えた場合には、なかなか面白くも愉快な印象を持つ。海外ではすでにYouTubeからメジャーデビューしているアーティストが何人もいるし、日本でもMySpaceからたむらぱんが大きな注目を浴び、デビューを果たした。そして、ついには日本発動画配信サイト「ニコニコ動画」で人気を集めたラッパーがデビューとなるのだから、これはもう快挙だ。オープンマイクやMCバトルで名を売って、伝手を作ってデモを配り、ライブの本数を少しずつ増やし、ノルマをこなし、動員数を向上させ、レコード会社の目に留まる、あるいは自主盤を出すといった行程を一気に飛び越して、才能と見せ方のうまさがあれば、デビューできる可能性が例えラッパーでもあることを証明して見せたのだ。

ラップに関しては、M3「thrown the dice」やM5「鼬ごっこ」での早口になったときに辛くなるのは否めないけれど、M2やM7のフックの歌メロはとても分かりやすい。ただ、らっぷびとを初めて聴いたのはディスを受けてのアンサー曲だったのだが、あんな感じの柔らかいラップがもっと多ければ良かったかな。影響を受けた人のスタイルがあからさまに出ていたとはいえ、あの時は素人なのにうまいもんだと感心したものだけど。

トラックは打ち込みの安っぽさがモロに出ている。まあ、それは彼に限らず、先日のBBOY PARKでの大方の音もそんな感じだったので、流れなのかもしれないが、トラックでも"サンプリング文化盗みの美学"の精神を忘れなければいいのに。唯一気に入ったのは、ピアノループと女性コーラスが印象的なM4「素晴らしき絶望 零」。

M9「人として軸がぶれているらっぷ」の元歌は大槻ケンヂが歌っていて、原作の漫画は久米田康治なのね。小学館から講談社に移っていたとは知らなかった。


******************
2008.08.06 1st mini AL『RAP BEAT』
2009.02.04 1st SG『All Day, All Night
2009.03.11 1st AL『Rap Music』
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2008.08.21 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(8) | trackbacks(0)
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2017.06.22 Thursday 23:59 | - | - | -
コメント
初めまして、いつも楽しく拝見しています。
このアルバムには知らないトラックメイカーが多く参加していたので面白かったのですが、4曲目のトラックを作ったJaza documentという人がまだ19歳だと知って、とても驚きました。
鉞 | 2008.08.24 Sun 01:26
鉞様

はじめまして。ありがとうございます。

> 4曲目のトラックを作ったJaza documentという人がまだ19歳
へーすごいですね。検索かけたらLOW HIGH WHO?からフリーダウンロードのミニアルバムを発表しているんですね。DOTAMAが参加していたり、Jaza document自身がラップをしていたりと、面白そうです。早速落として聴いてみようと思います。いやいや、いい出会いがありました。ありがとうございます。
gogonyanta | 2008.08.24 Sun 12:49
こんにちは、管理人様。
らっぷびとの面白さというのは僕はアニメなどのいわゆるオタク文化を音的にもリリック的にもネタにしたことだと思います。
これは今までのMCにはなかなかなかった要素で、普段アニソンを中心に聞いていて「日本語ラップ?何それ?」みたいな層にも、「ラップっていいな。おもしろいな。」と思わせることが出来たというのは凄いことです。
ただ、逆に知らない人からすると「何のことを言ってるかわからない…」となってしまうんですよね。
管理人さんがM1に触れていないのはそういう理由なのかな?と考えてしまいました。
深夜アニメも見つつ、アニソンも日本語ラップも聴くような変な人間には、このミニアルバムは良いものでした。
>>原作の漫画は久米田康治なのね。小学館から講談社に移っていたとは知らなかった。
ようやくアニメ化できたのでぜひ見てやってください(^_^;)
余談ですが、M9の元曲も入っている「絶望大殺界」というベストアルバムは素晴らしく良く出来たアルバムでした。
DDD | 2008.08.24 Sun 20:52
gogonyantaさん、はじめまして
数ヶ月ほど前より読ませていただいているsyunと申します

>>柔らかいラップ
らっぷびとの「柔らかいラップ」といえば自分はこちらをオススメします(すでに視聴済みだったら、ごめんなさい)
ぬくもりてぃーかっぷ/DJ国木田 feat.らっぷびと
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1499494

あと、ニコニコ動画では他にもセンスあることやってる人間がいますよ
「みなみけ」というアニメのBGMをサンプリングして作ったトラックにBig Daddy Kaneの「Raw」のラップを乗せたものなのですが、個人的にはかなり好みな感じでした
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2219091
syun | 2008.08.25 Mon 22:49
DDD様

こんばんは。コメントありがとうございます。

> らっぷびとの面白さというのは僕はアニメなどのいわゆるオタク文化を
> 音的にもリリック的にもネタにしたことだと思います。
「When They Cry」や「人として軸がぶれているらっぷ」などは元となるアニメがあって、リリックでもトラックでも下敷きにしているのは調べて分かったのですが、それ以外の曲にもマニア心をくすぐるようなリリックが散りばめられているのでしょうか。徹底的にやれば面白いですよね。テーマの裾野が強引に広がったようである意味未来を感じます。

> 知らない人からすると「何のことを言ってるかわからない…」となってしまう
> 管理人さんがM1に触れていないのはそういう理由なのかな?
おっしゃるとおりです。「ひぐらしのなく頃」の章タイトル(?)を見事にリリックに落とし込んでラップしていると指摘しているブログを読んだのですが、そんなのも気づきませんでしたから。そもそも曲タイトルだって、「When Doves Cry」から取って、大ネタ使いの曲なのかなと思っていたぐらいです。



syun様

こんばんは。はじまして。
色々ありがとうございます。早速聴いてみました。

> ぬくもりてぃーかっぷ/DJ国木田 feat.らっぷびと
これはKEN THE 390ですね。enjuへのアンサー曲って一昔前の日本語ラップっぽくて懐かしさがあって、それがいいなぁと思えたんですよね。

> 「みなみけ」というアニメのBGMをサンプリングして作ったトラックに
> Big Daddy Kaneの「Raw」のラップを乗せたもの
かなりコミカルなケインおじさんになるんですね。個人的にはラストに出てくる、"敷居低いぜHIPHOP"がツボでした。
gogonyanta | 2008.08.26 Tue 01:38
レスありがとうございます。そして、わざわざ聴いていただき、ありがとうございます

>>これはKEN THE 390ですね。
ごもっともです(笑

一昔前の日本語ラップっぽさですか〜。そう言われても具体的なイメージが湧いてこない自分はまだまだ未熟です・・・。ここ2,3年はあまり新譜チェックしてませんし^^;

>>"敷居低いぜHIPHOP"
実際はなんとなく高い気がしちゃうのは自分だけということにしておきます(w

今思えば、gogonyantaさんの文を自分で変な方向に解釈してコメントして、ついでに自分が好きな曲に対してどのような感想が返ってくるのか聞いてみたかっただけだったみたいです(苦笑
お手数おかけしてすいませんでした・・・
syun | 2008.08.26 Tue 02:57
レスありがとうございます。
>>それ以外の曲にもマニア心をくすぐるようなリリックが散りばめられているのでしょうか。
今回のアルバムではM1,M3,M9くらいですね。
小ネタとしては、前述のぬくもりてぃーかっぷや踏んどけ!らぶれたぁにもあります。
元ネタは探してみてください。
この元ネタ探しは、元ネタが分からない人にはサンプリングの元ネタ探しと似たようなものかもしれません。(w
>>KEN THE 390
今、らっぷびととKEN THE 390とSEEDAは事務所が同じだそうです。(w
(たしかNORIKIYOも一緒だったと思うのですが未確認です。)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4073593
DDD | 2008.08.26 Tue 21:15
syun様

こんばんは。

> 一昔前の日本語ラップっぽさですか〜。
ライムスターでいえば、セカンドの頃のラップっぽいというか。懐かしさを覚えるフロウで、その辺りが反対に新しさを感じて、いいなぁと思ったのです。

>> "敷居低いぜHIPHOP"
> 実際はなんとなく高い気がしちゃうのは自分だけということにしておきます
音楽なんですし、楽しめればいい音楽で、わけわからんちんなのがダメな音楽だと思っています。聴いてよく分からないのは、こちらが悪いのではなく、そんな音楽を作っている方が悪いというスタンスでこのブログをやっていますし。まあ無理に、サンプリングがどうのとか、フロウがとか、この押韻がとかって構える必要はないのかなと思っています。体を揺らしてナンボですよ。

> お手数おかけしてすいませんでした・・・
いえいえ、これからも異論反論等々がありましたら、ぜひコメント下さい。



DDD様

こんばんは。

>>それ以外の曲にもマニア心をくすぐるようなリリックが散りばめられているのでしょうか。
> 今回のアルバムではM1,M3,M9くらいですね。
ああ、ありがとうございます。M3もそうなんですね。元ネタは、まあ、普通のサンプリングネタにもあまり興味を覚えない人間としては、まあ、ぼちぼち偶然を頼りに向こうからやって来るのを待つことにします。

> 今、らっぷびととKEN THE 390とSEEDAは事務所が同じだそうです。(w
>> (たしかNORIKIYOも一緒だったと思うのですが未確認です。)
なかなか愉快な事務所ですね。KEN THE 390とSEEDAという組み合わせでさせ違和感を覚えるのに、そこにらっぷびとが加わって、NORIKIYOもとなると、何が何だか分からなくなりますね。面白いなぁ。

色々ありがとうございました。
gogonyanta | 2008.08.27 Wed 00:38
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