KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S『HAGULIFE』

2008年8月6日リリースのファーストアルバム。
第一印象は、KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S版『少年モンスター』なのか、というものだった。底知れないポテンシャルがありながらも、あまりに感覚で作ってしまったが故にゆるくグダグダなアルバムに思えた。しばらく聴き続けて、インストアライブも見て、それから歌詞カードを片手に聴いたら、耳の慣れも手伝ってか、だんだん良くなってきて、今ではかなりお気に入りだ。
鎮座DOPENESSの奇天烈かつ自由なフロウや毒のはらんだリリックにどうしても耳が行きがちだけど、KATOMAIRAのラップにはパンチラインが多く、ツボだ。それに鎮座ドープネスほどではないにしろ、ビートへの乗り方も小気味良い。
"ちまたじゃチェキラーゴミ同然 半笑いなのはどうにも解せん"(M1「おじゃまします」)や、"戸籍にゃ乗せてない A.K.A 二つ名名乗ってヘイヘイヘイ"(M4「FREESTYLE風)、ちょっと長い引用だけど、"PM12:00ジャストタモリ レギュラー一目で解る曜日 いらない特技に腹がたつけど みのでもねーのでムキムキウォッチン"(M6「テンションなテンション」)、他にも、"感情先行昭和の残り香 おいそれと容易く消されてたまるか!"(M8「応援か?」)もいいし、"ハーコー? アナーキー? ポッケ穴空き!"(M10「ラッパー君は大忙し」)には笑った。カトマイラいいなぁ。"八枚切りのパン"にも思わず大きく頷いたよ。
今回のビジュアルが3人揃っての作業服ということもあってか、どうもSDPを彷彿とさせる。具体的な指摘をうまくできないのだけど、何だろう、懐が深い音楽というか、柔軟性があるところというか、ともかく芯の部分でかなり近いものを感じた。
トラックについては、ファミコンのようなピコピコなそっけない音が大半を占めるなかで、PUNPEEの手によるM8が良かった。

「おじゃまします」→「FUNK SKUNK」→「?("税金未納"の曲)」→機材故障により鎮座ドープネスのフリースタイル→「FREESTYLE風」→「マルシェ」のフックから"物価が上がってる"でフリースタイル→「テンションなテンション」→「応援か?」→
「生打精製」→「ラッパー君は大忙し」
(「テンションなテンション」と「ラッパー君は大忙し」は音源と同
じトラック)

1.LIL
2.日本語ラップ!!!
M2はいい。こんなトラックに乗ったラップをもっと聴きたかった。