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Mic Jack Production『ExPerience the ill dance music.II』

2008年8月15日リリースのセカンドミニアルバム。

アナログで発表(2007年5月)され、その後コンピ盤『KAIKOO PLANET』にも収録されたDJ BAKUとのコラボレーション作「I AIN'T GANGSTA」を、ロックバンド・FACE OF CHANGEを招き完全に生まれ変わらせたM2「I AIN'T GANGSTA -REMIX-」。

3曲目はアナログで発売済み(2007年7月)の「SPEED CITY」、そのB面だったリミックスバージョンの「HI-SPEED CITY」もボーナストラックとして収められている。

セカンドアルバム『UNIVERSAL TRUTH』からは「SOUL BROTHER」と「LAST DAY」をDJ DOGGがリミックス(M6とM7)。

完全に新曲といえるのは、M4「COMIX」とM8「BIRTHDAY」のみ。M5「LOOP -REMIX-」は同郷のロックバンド・SLEEPY.abの「ループ」をリミックスした曲で、完全に別な曲ではある。
(【追記】2008.09.20 M4はセカンドアルバムのアナログ盤で収録されていた曲で、新曲ではない)


さて、1曲ずつ見ていく。B.I.G JOEの語りM1「INTRO」に導かれて始まるM2は、オリジナルにあったDJ BAKUの繊細な音の粒は彼方に飛び散り、腰の重いリフがひたすら曲をビルドアップしていく。どのヴァースも上っ面だけのヒップホップをぶった切っていく爽快感があるのだけど、小気味いいチョッパーに乗せるJFKのヴァースが素敵すぎる。

"見た目の矯正や陰口ばかりの奴等がHIPHOPの質を落としているんだ / 価値観の違いじゃないよ お前の勘違い求める場所が違うだけの見解 / フィジカルを強化 メンタルを磨けば飾りは無くても輝ける / 派手や楽に転がり汚れたMONEY数えた汚ぇ手で触るなM.I.C"

生でこのラップを聴いたら、絶対に"汚ぇ手で触るなM.I.C"のところで拳を突き上げるだろうなぁ。北の男は相変わらず歯に衣着せぬ物いいで、気持ちいい。

ドラムンベースなM3は確かにかっこいいのだけど、JFKのフロウがどうも深夜にやっている若手のお笑い番組「コンバット」のオタ芸を思い出してしまって、踊る気が失せてしまう。

で、新曲のM4「COMIX」。現代社会を風刺するコミカルなリリックにトラックなのだけど、マイク・ジャック・プロダクションの常で曲が長いから、折角の面白味が間延びしてしまっている。こういうのは短くしてギュッと凝縮する方が笑いが立つと思うのだけど。ビッグ・ジョーのネタが2〜3年遅いのはオーストラリア(それも刑務所)に日本の情報が伝わる早さがそんなものだからか。
(【追記】2008.09.20 上でも書いたがこの曲は新曲ではなく、2006年の曲)

M5はオリジナルを知らないので比較できないのだけど、何でもSleepy.abはシュゲーザーバンドらしい。まあそんなバンドのファンが聴いたら、怒りそうな気もするけれど、完全にマイク・ジャック・プロダクションの音になっている。

力作だったセカンドアルバムからのリミックス2曲。M6「SOUL BROTHER -REMIX-」はうっすらとコーラスが入ったことにより、さらに厳かに友情が綴られている印象。オリジナルを聴いたときも感じたことなのだけど、ここで描かれる友情の熱さにどうも聴いてはいけないものを聴いてしまった気にさせられる。特にJFKのヴァースでの高まり具合に寒気が走る。M7「LAST DAY -REMIX-」は情緒さが2割増しになった分、演技臭い家族の語りがなくなりいい調子だ。2曲とも総じてビートの強度が上がっているのがいい。

本編の最後を飾るのがM7で死んだ人間が魂となって宇宙にさまよい出て、再び人として転生するまでを描いたM8「BIRTHDAY」。死生観は人それぞれだと思うし、こういう曲を書くときって、みんなでミーティングをするのかしら。INIで始まり、LARGE IRON、JFKと輪廻転生の流れがきれいかつ壮大に紡がれていて、彼らならではのテーマで結構な曲だ。特にいいのは、生まれてきた新しい子供に祝福の言葉を授けるビッグ・ジョーの歌だ。アコギのやさしい響きをバックに歌うようにラップするためか、どことなくドラゴンアッシュっぽいのだけど、これがいい。


本作のVol.1に当たる『ExPerience the ill dance music』では、「JAIL BIRD」や「SEVEN SEAS VOYAGE」といったドラマのある曲があったけれど、今作ではそこまでインパクトのある曲が収録されていないのは残念。M2にしろM8にしろ悪くはないのだけど。M8のような気宇壮大な曲は彼らの得意とするところであり、ラッパーとは思えない語彙や世界観はなかなかのものだとは思うものの、トラックほどにはそのラップから情景が浮かばず、ちょっともったいないように思う。そこを克服できたときに、もっと鮮明な世界を生み出すことが出来、すごいことになってしまうのでは夢想してしまう。


1.INTRO
  (produce:HALT)
2.I AIN'T GANGSTA -REMIX-
  (lyrics:B.I.G JOE, LARGE IRON, INI & JFK / produce:HALT
3.SPEED CITY                             & FACE OF CHANGE)
  (lyrics:INI, LARGE IRON & JFK / produce:KEN)
4.COMIX
  (lyrics:LARGE IRON, INI, JFK & B.I.G JOE / produce:HALT)
5.LOOP -REMIX-
  (lyrics:INI, JFK & LARGE IRON / produce:KEN & ANARCHYSTAKLASTA)
6.SOUL BROTHER -REMIX-
  (lyrics:INI, LARGE IRON, JFK & B.I.G JOE / produce:DJ DOGG)
7.LAST DAY -REMIX-
  (lyrics:B.I.G JOE, LARGE IRON, JFK & INI / produce:DJ DOGG)
8.BIRTHDAY
  (lyrics:INI, LARGE IRON, JFK & B.I.G JOE / produce:B.I.G JOE & KEN)
ボーナストラック
9.HI-SPEED CITY
  (lyrics:INI, LARGE IRON & JFK / produce:HALT)
2008.08.28 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
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2017.05.21 Sunday 23:59 | - | - | -
コメント
「COMIX」は、新曲ではなく、以前出た2ndのアナログに収録されていた曲なのです。だから、BIG JOEのネタが古いんです。
通りすがり | 2008.09.19 Fri 20:21
通りすがり様

こんばんは。
彼らのHPでアナログの曲順を見たら、確かに「MR.WORKAHOLIC MAN」と「FIGHTING FLOW」の間に挟まれて「COMIX」がありました。通りすがりにありがとうございます。早速訂正します。
しかし、曲数が増えるなんてずるいなぁ。
gogonyanta | 2008.09.20 Sat 00:40
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