GAGLE『HIDDEN MUSIC VALUE』

2008年9月30日リリースのサードミニアルバム。
"HMV渋谷店10周年アイテムとして発売日から7週間は全国のHMV各店舗及びHMV ONLINEのみでの限定販売"という、よく分からない販売形態の作品。あ、タイトルを省略するとH.M.Vになるとのこと。気づかないよ。
内容はというと、全6曲で20分5秒。M1「MORNING BREEZE」とM4「AFTERNOON DOZE」、M6「NIGHT MOVES」がインスト。DJ Mitsu the Beatsの音はジャジーでかっこいい音というよりも広がりが生まれてリラックスできる音に仕上がっている。各タイトルは朝昼夜と付けられているものの、その時間帯をイメージできない曲ではある。素直にいえば面白くない。
このグループのもうひとつの持ち味、ハンガーのラップは、"Mu-Rの7インチ2枚使いが強烈な"M2「SESSION UNTITLED NO.9」の上では手グセ的な言葉遣いに終始し、またM5「BLAH! BLAH! SOMESWING」もイマイチだ。
M3「LOVE NOTE」だけが良かったかな。メロウなラブソングで成功しているのは日本語ラップではTWIGYぐらいだけど、DJミツザビーツのジャジーなトラックとハンガーのラップという組み合わせも負けていない。サードアルバム『3 PEAT』収録の「ONE LOVELY DAY」もこの路線の1曲だった。結構いいと思う。
とはいえ、サードアルバムが傑作だっただけに物足りないのも事実。まあミニアルバムだしという話ではあるけれど、1曲でも華のある曲があればもう少し印象は変わっていたはず。となると、なぜにハンガー名義の「JAPPCATS」を収録しなかったのかという話になる。レコードで出している場合じゃないだろう。あれが入っているだけで、評価は大きく変わったと思う。ZEEBRAの詰まらない新曲よりも数倍かっこよく、同時に真摯な日本語ラップへの思いが伝わってくる曲なのだから。
1.MORNING BREEZE (03"08)
2.SESSION UNTITLED NO.9 (02"45)
3.LOVE NOTE (04"21)
4.AFTERNOON DOZE (02"55)
5.BLAH! BLAH! SOMESWING (03"32)
6.NIGHT MOVES (03"29)