2008年9月17日リリースのセカンドアルバム。
仙台を拠点として活動するヒップホップグループ。板前のHIROと自衛官のRYOがダンスを通じ知り合い、2000年に「LGY」を結成。2007年に「LGYankees」と改名し、今年4月にはサポートDJだったDJ No.2を正式加入させ、2MC1DJ編成に。
タワレコの2008年「J-HIP HOP」部門で、ZEEBRAの総決算アルバム『
The Anthology』を抑えて第9位にランクインしたのが本作。
歌うようなフロウのHIROとだみ声でがなるRYOとでふたりのすみ分けはきっちりしている。打ち込み中心のトラックは恋愛ものにはストリングスで、パーティパーティな曲にはホーンでといった具合に、曲ごとに色を変えているし、何より重要なのはフックをR&B系歌手に歌わせる曲がインストやスキットを抜いた12曲中で6曲、自身で歌うフックは4曲とあり、チャートを意識したケツメイシタイプの楽曲が大半を占める。
テーマがオレオレのものが少なく、多岐にわたっていていることも受け入れられる理由かも。確かに恋愛ものが中心ではあるものの、愛車自慢から始まり、パーティソング、ゆるいレゲエ調を挟み、平和が大事だよねと重いテーマを扱ったと思ったら一転、ドライブに行こうぜと爽やかな雰囲気に変え、客演を交えての勢いのあるマイクリレー、「Life Goes On」との題名通りドラゴンアッシュ風のラップで生き方を諭したり、またポップ界の大御所・小田和正にフックを歌わせた母への感謝を捧げる曲があったりする。
リリックも、"数え切れない星空は互いの愛情の数さ"とロマンティック満点なうえ、母への想いを綴った言葉には、"オフクロのあの苦労 そしてDopeな愛情"と斬新な表現で驚かせてくれる。
様々な趣向を凝らした60分間は、聴き手を飽きさせないエンターテイナーぶりがうかがえるも、いかんせんRYOのリズム音痴でがなるだけのラップには辟易とさせられることも事実。HIROの方は幾分ましなのだけど。シングルにもなり、最後の最後で小田和正が全てをかっさらうM12「Dear Mama」は同じテーマを歌い同時期にリリースしたSEAMOの「MOTHER」と比べると、表現のうまさに圧倒的な開きがある。
反対に感心したのは、客演の女性シンガーの選択だ。自身のレーベルからデビューさせたNoaは伸びやかな歌声でなかなかだったし、M13「Because...」でフックを担った中村舞子は感情のこめ方が艶めかしく、際立っていた。シンガーの起用といえば、平和について歌ったM7「Pure Hope」のような曲こそ、自分たちの軽い声ではなく、力強く歌い上げることのできる歌手を配置すれば良かったのにと思うのだけど。
まあ、聴いても聴かなくても人生には何ら関係のない作品であり、明日には内容も忘れていると思う。ただM6「Last Summer Day -PARTII-」の出だしの音が何だったのか思い出せないのが悔しい。のど元まで出かかっているのだけど。
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2006.01.31 【LGY】
1st AL『JOINTED 2 HOMIES』
2006.05.10 【LGY】1st SG『Dear Mama feat. BIG RON』
2008.05.09 2nd SG『Dear mama feat. 小田和正』
2008.06.06 【LGYankees & GIPPER】
mini AL『1 ~ONE~』
2008.08.27 3rd SG『Drive on a Holiday』(TSUTAYA限定)
2008.09.17
2nd AL『NO DOUBT!!! -NO LIMIT-』
2009.03.11 【Maichi×LGYankees】SG『Nostalgia』
2009.09.16
3rd AL『
MADE IN LGYankees』
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