すばらしくてNICE CHOICE

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DJ CHOCOLUV meets 呪煙『MUNCHEE TRAVEL』

2009年3月4日リリースのミックスアルバム。

手に入れるのになんだかよく分からない苦労をした1枚。いつものようにさっさとWENODに行けば良かったのだけど、本作は一般流通するとのことで、タワーレコード渋谷店に行き、HMV渋谷店を周り、在庫の検索をお願いするも、全店で店内在庫なし。HMVに至っては、"うちでは扱っていません"。"新宿店はどうですか"の"どう"までいいかけたところで、むべもなく"ありません!"。なんだかなぁ。店員の"うち"が「我々HMVジャパン全店舗」という意味だなんて分からんよ。「渋谷店では」程度の意味だと思うじゃない。

さらに愚痴を続けてしまうけど、この元外資系の2グループ。自主制作作品はさすがに置いていないけれど、大型店舗では品揃えは豊富だし、提案型の売り方、フリーペーパーの濃さなどから結構信頼していて、書店でいえばジュンク堂(有隣堂や文教堂ではなく)のようなものだと思っていた。

タカツキがファーストアルバムを出したばかりの頃だからだいぶ前の話ではあるけれど、地元のタワレコで、テレビで見たそのウッドベースを抱えたラッパーが気になり、作品名はもちろんアーティスト名すらメモに取らなかったので不明のまま、ウッドベースを弾きながらラップするMCというあまりにふざけた条件で、"ありますか"と尋ねたところ、店員は懸命に捜してくれて、しまいには渋谷店のヒップホップ担当の人に電話で訊いてくれ、手に入れたということがあった。

そのときにこの店は自分たちの品揃えの豊富さに自信と誇りを持っているのだなと伝わってきたものだが、翻って巨大グループの旗艦店に直接問い合わせての、今回のこの対応というのは悲しい。作品は確かにマイナーなものではあるが、取り揃えていないことに少しの恥ずかしさを抱いていないようにうかがえたのはどうなのだろう。豊富な在庫を持つアマゾンが出てきたことで、かつてはあったはずの誇りは失ってしまったのだろうか。それともそんなものは端から客の幻想だったのか。

近い将来、大型CD店に入ったときに、まだ見ぬ宝がたくさん埋まっているかもしれないとワクワクするあの気持ちが薄れてしまうようなことになるのかしら。



まあ、結局別のところでポチッと買えたわけでいいや。本題。

2007年の『Munchee Lunch』に続くマンチーシリーズの第3弾。DJ CHOCOLUV名義のTAK THE CODONAが夜な夜な作り上げた半壊気味のビートの上でラップしたり雑談したりする全27曲63分47秒のミックスアルバム。

今回は、タクザコドナがMIDICRONICAのラッパー・894と、ASTROのDJ・トラックメイカーのDELMONTEとで始めたプロジェクト「呪煙 aka JUGEM」が全編にわたり参加している。

あとのふたりの経歴をよく知らないので調べてみた。タクザコドナが2004年ぐらいまでやっていたヒップホップグループ・54で、まず894(当時のMCネームは不明。HIGHT ROYAL?)と繋がり、その後彼はミディクロニカのメンバーとして活躍し、アストロにも参加。hight28%名義になった894は、ここで、Zipblockというニューヨークで結成されたクルーの一員でもあるデルモンテと一緒になる(ただし、894とデルモンテのふたりは以前別グループで活動を共にしていたよう)。アストロでのデルモンテの名義は不明。岩渕マサルか、DJ shunsukeか、副島ショーゴかということになるのだろう。ネットからの情報で書いたので間違いだらけかも。


まあそんなわけで、前半は前作同様にブロークンというか、実験というか、未完成というか、これが全国流通でいいのかというようなトラックの上で、ふたりのMCによるもごもごとしたフリースタイル気味のラップが続く。適当に付けられた曲タイトルと演じ手の名義が軽い笑いを誘う。

ともかく、"甘い卵焼き おかずにならない"やら、"戸塚ヨットスクール あれは学校の横綱"。はたまた"うがい手洗い忘れずに またJUGEMウィルスに冒される"といったパンチラインといってしまっていいのかいまいち分からないが、妙に耳にこびりつくラインが吐き出されつつ、一方で音量を絞ったただの雑談が後ろで流れるインスト曲が挟まれたりする。DEAD PREZIDENT名義のM13「STRAYING ASO」では、比較的きれい上音の裏で、室内栽培について話している。

呪煙の曲として完成されているのが、M18「RODEO STAR(DEVIL HIHAT REMIX)」とM20「DUSTRIBUTION (PAKI-G REMIX)」の2曲だけ。どちらも4月に出る彼らのファーストアルバムには収録されないようだが、MySpaceで聴くことができる。

それよりも楽しめたのは、後半に配置されたタクザコドナの1枚目からの4曲のリミックス。

仙人掌が参加している「残酷なペンシルのテーゼ」(M16)を同じグループの16FLIPがリミックス。原曲で顕著だった女性の喘ぎ声がなくなり、音数も減らされた分、ラップの生々しさが増し、ずいぶんと変わった。「紙相撲」(M22)は弘前で活動するSEEDによるリミックス。ぶっといベースが印象的。お次のM23は「デザートスプーン」のYATTUKE REMIX。本人のリミックスなのかな。ズブズブな感じ。最後は「リアリティアルバイツ」(M26)を新潟で活躍するDJ Psychologicalがまるっこい音で包み込む。

基本的にどのリミックスもタクザコドナのラップをすごくきれいに浮き上がらせていて、何度も聴き込んだはずなのに、ああこんなラインがあったのねと気づかされることもあった。「リアリティバイツ」の1ヴァース目、"雲ひとつない五月晴れにそそのかされて 一体じいさんに何度死んでもらったか両手じゃ足りねぇ"のかっこよさにどうして気づかなかったのだろう。

1260円と安いし、マンチーシリーズはこういうもんだと思えば、特に不満もない。呪煙でのアルバムが楽しみだ。


1.DREAM JAMBO / Cassette Taisyu (01"40)
2.IRON PERMANENT DANGER / TAXI UN-CHANG (02"53)
3.SHOW-DOE-GUY / ODA MOOD (01"37)
4. KIBIDANGO inst / TAK THE CODONA (02"41)
5.MATAZURE ISLEY / SKATLON (00"59)
6.TAKIDASHI TIME / HUMAN POO (01"28)
7.HIMA@ JOB CAFE / Charisma Saito (02"13)
8.NOTHIN BUT... / Dr DREMI (02"33)
9.ENTRY PLUG CONNECT / 7TH CHILDREN (02"19)
10.ZIMBABWE HIGH / HUNCOROGACY (02"20)
11.ILL SIRCUS / CAZETTA OKA (00"32)
12.MORIMAN REVIVAL / CALORIE OVER (04"28)
13.STRAYING ASO / DEAD PREZIDENT (03"00)
14.WEEKEND CHILLIN' / The Unemployed (01"32)
15.BREAKA1 / DEVIL HIHAT (00"14)
16.残酷なペンシルのテーゼ (16FLIP REMIX) / TAK THE CODONA & 仙人掌
17.POOR SHAKE / GARI GARIKSON (01"27)                 (03"31)
18.RODEO STAR(DEVIL HIHAT REMIX) / CHAMOIS feat. 呪煙 (02"30)
19.BABY PA / ANAL HOLE BOY (03"08)
20.DUSTRIBUTION (PAKI-G REMIX) / 呪煙 (02"55)
21.UONOME PORORI / MARUNOUCHI OL (02"44)
22.紙相撲 (SEED REMIX) / TAK THE CODONA (03"28)
23.DESSERT SPOON (YATTUKE REMIX) / TAK THE CODONA (02"47)
24.CASHBACK LUCKY! / BOREDOM MADAM (02"11)
25.BREAKA2 / DEVIL HIHAT (01"37)
26.SUPER ULTRA SOUL / HONEY B'z
27.リアリティアルバイツ (PSYCHOLOGICAL REMIX) / TAK THE CODONA (04"35)
28.HATSUKOI RESTRANT / BANANA DIET (02"20)

全28曲とクレジットされているが、26曲目は「リアリティアルバイツ」であり、最後の27曲目のアルトサックスとギターが絡み合い、太鼓が勝手にドコドコやっている、やや渋めのジャジーなインストが「HATSUKOI RESTRANT」だとすると、クレジットにあるM26「SUPER ULTRA SOUL」が行方不明。HONEY B'zの曲だっただけに聴いてみたかった。
2009.03.25 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(1)
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2017.10.17 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
マンチーシリーズ面白そうですね〜。自分もWENODの行ってみようかな。
レコ屋の店員の話は確かに分かる気がします。日本語ラップはどうかしりませんが、今は、アングラも含めれば、どんだけ掘りまくっても概意は掴めないほどシーンが巨大化してますし、早い話、ネットで調べてから来なさいみたいな空気は感じますね。

話は変わりますが、たまにこのブログでもコメントされている否さんオーガナイズのイベントが渋谷FAMILYで今日ありまして行ってきたんですが、呪煙も出てたんですが(初ライヴらしい)、hight(894)のラップは普通だけど、TAK THE CODONAはやはりキレてました。やっぱり。それでもソロの方が凄いのかもしれませんが。
ちなみにそこで、呪煙のやっつけコロシアムが先行で売ってたので買ってみました。まだ聴いてはいないのですが。
ハヤト | 2009.03.30 Mon 03:05
ハヤト様

こんばんは。
いつもありがとうございます。

ネットで調べて、タワレコもHMVもネット上では取り扱っているのです。手元に在庫があるかどうかまでは分からないのですが。で、ネット販売をしているなら、店頭でもと思ってしまいますし・・・。まあ、私が訊いた店員が良くない人でっただけで、立派な人はたくさんいると思いますし、私も期待しすぎなんでしょうね。

「エトセトラ Vol.2」は行きましたよ。呪煙は良かったですね。頭を振れたのはあのステージだけでした。894もASTROでは音が好きではないので、私の中で低評価でしたが、今回のような重いビートの上では、ズブズブ感がでていて、タクザコドナとの対比もあって、楽しめました。

明日にでもアップできればと思います。
gogonyanta | 2009.03.31 Tue 02:15
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