すばらしくてNICE CHOICE

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フロスト×ニクソン / Frost/Nixon

92点/100点満点中

ロン・ハワード監督作品。元々は本作の脚本を手掛けたピーター・モーガンの舞台劇で、主演のふたりはそのまま映画でも同じ役を演じた。2009年公開作品。

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1974年、ウォーターゲート事件により米国史上初めて現役大統領の任期中の辞任という事態に追い込まれたリチャード・ニクソン。国民は謝罪の言葉を求めたが、彼は沈黙を守り続けた。その頃、英国の人気テレビ司会者デビッド・フロストは、より高い名声を得るために全米進出の野望を抱いていた。そこで目を付けたのがニクソンの単独インタビュー番組だった。どうにかこうにかインタビューに漕ぎ着けたものの、世界が注目する謝罪の言葉を引き出せるのか。
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エンドクレジットが流れ、館内が次第に明るくなり、満員だった観客が席を立ち始めてももうしばらくじっと余韻にひたっていたい力作だった。主演のふたりの巧さも際立ったし、周りを固める俳優にも少しの穴がなく、1970年代という時代に説得力を持たせるきめ細かい小道具の数々、対決するふたりの対比と相似の構造、米国政治を詳しく知らなくても徐々に頭に染みていく脚本の巧みさ、緊迫と笑いの緩急、俳優たちがまとった迫力を細部まで映し出すカメラ。どこをとっても完璧に近い作品だ。

フロストとニクソンの対決をボクシングになぞらえる会話があったが、ふたりが向かい合い、言葉で相手をとっちめよう、自分の有利な展開に持ち込もうとする様はまさに格闘技だった。

ふたりとも後がない状況で、ようやっと対戦にこぎ着けたフロストは第1ラウンドで不意をつくパンチを放つも、ニクソンは軽くパーリングでいなし、手数で応戦。その後は足を使ったアウトボクシングで距離を置きつつ、的確にポイントを稼ぐ老獪な戦法でフロストにダメージを蓄積させていく。

しかし、最終ラウンド。インターバル中のニクソンの言葉に奮起したフロストが・・・という熱いバトルが繰り広げられ、見ている側に息つく暇を与えない。

デビッド・フロストを演じたマイケル・シーン、リチャード・ニクソン役のフランク・ランジェラの名演は本当に圧倒されるものがあったが、ケヴィン・ベーコンも良かった。権力者におもねる人物として存在するのではなく、ニクソンへの確かな敬愛の念を持ち、しかし正義の精神も併せ持つ側近として、静かな演技を披露する。

CGに頼らない、役者の演技力がものをいう本当に映画らしい映画だった。良い。
2009.03.29 Sunday 23:59 | 映画 | comments(4) | trackbacks(2)
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2019.09.18 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
ニクソンが酔ってフロストに電話するシーンは創作らしいです。あと本当は、このインタビュービデオがテレビ局に売れたらニクソンは総利益の20%を受け取る約束になってたらしいです。
ベーコン | 2009.04.01 Wed 01:26
ベーコン様

こんばんは。
いつもありがとうございます。

> ニクソンが酔ってフロストに電話するシーンは創作らしいです。

でしょうね。でもあれがないとドラマが始まらないから難しいところですよね。あの夜までフロスト側は打つ手もなく、ずるずると負け続けていたわけで、でもあの電話で巻き返しを決意するわけです。あそこであの挿話でも入れないとストーリーが破綻してしまいますからね。それでも十分不自然といえば不自然で、何も策を練っていなかったのかよという不満は見ながら思っていました。

この映画の不満を挙げるとすれば、フロストが靴のプレゼント(これも創作なのかしら)からも分かるように「天然」であり、策士ではなかった点ですね。まあ事実を元にしているということで、制約があるのでしょうが。
gogonyanta | 2009.04.01 Wed 01:36
靴のくだりは創作かどうかわからないんですが、フロストがニクソンの不正の証拠をつかんで逆転していく所も実際のインタビュー・ビデオにはないらしいですし。こういったフィクションがアカデミー賞のノミネート後に発覚した事で賞が獲れなかったらしいです。今月号の映画秘宝で町山智浩氏がこの手法について語っています。
コメディアン改めベーコンでした。
こんがりベーコン | 2009.04.01 Wed 13:40
ベーコン様

こんばんは。

> フロストがニクソンの不正の証拠をつかんで逆転していく所も
> 実際のインタビュー・ビデオにはないらしい

そうなんですか。それはちょっと驚きですね。ならどうやって自身の罪を認めるところまでもっていったのか気になるところです。

でも、史実の通りに作らなかったとしても、面白ければ映画としてオーケーな気もしますけどね。ある意味で歴史物だったとしても映画で描かれることがすべて事実だと思いながら見ている人なんてよほどピュアな人で、そうはいないと思います。それで賞をひとつも与えないアカデミーもケツの穴が小さいですね。
gogonyanta | 2009.04.02 Thu 02:03
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