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TARO SOUL『Soul Spiral』

2009年3月18日リリースのセカンドアルバム。

昨年、ミニアルバム『BIG SOUL』でメジャーデビュー。2枚のシングルを切り、満を持してのフルアルバムとなった本作。テレビから流れてくるミニアルバムの表題曲やシングル曲を聞くとかなりまずい方向に向かっているのではという不安を抱いたものの、いざ蓋を開けてみれば意外や意外新人のメジャー作品にしては、派手な分かりやすい音で装いつつも、しっかり出自の色を出すバランスの良さが際立ち、満足できる仕上がりだった。

COMA-CHIのセカンドアルバム『RED NAKED』に近い。Da.Me.Records出身であることや共にメジャーからの最初のアルバムという共通点もあるが、ふたりとも歌えるラッパーという武器を最大限に活かした作品作りが功を奏した。最近のラッパーとシンガーによる客演商法を見ても分かるように、歌メロは聴きやすさに繋がるわけで、インディーズ上がりのラップスタイルをうまいこと歌で包み込み、ポップさを生み出している。

メジャーらしい華やかなトラックを作り出したのは、DJ JIN、DJ CELORY、DJ WATARAI、BACH LOGIC、ALI-KICK、マボロシ、BUZZER BEATS、D.O.I.といったメジャー・インディーズに関わらず活躍しているトラックメイカーたちで、出来不出来はあるものの、低音が十分に出ているので、上音に軽薄な派手さがあっても何とか聴いていられる。前作『SOUL SPITS』のようなサンプリング重視のトラックを望む方が間違っているのだろう。

最多の4曲を手掛けたアリキックが非常にいい仕事をしている。キャッチーな音作りの中にも太いビートを巧みに混ぜ込み、彼の得意とする黒さが見え隠れしているのがいい。コンビニで流れたときは思わず笑ってしまった「BIG SOUL」(M5)もあれはあれでヴァースやフックが酷いのであって、トラック自体はシンプルなのに派手さがあるという面白いものだと思う。

TARO SOULのスタイルはやや歌に力を入れた曲が増えた印象もあるが、歌うフロウは今作でも力強く、またヴァースではメロを排除したラップらしいラップもあったりして、硬軟の織り交ぜ具合が良く、前作に比べ聴きやすさが増した。M2「Soul Dreamer」、M10「Everytime」、M13「うまくなりてぇ」といった曲では内面が吐露され、ようやくリリックにも表情が出てきた。悩んでも前向きな姿勢を崩さないのは育ちが良い故なのか。

M2はBACH LOGIC制作曲で、この手のR&B路線のトラックはこれまで何曲か聴いてきたけれど、どうも手抜きが多いように見受けられたが、今回はかなり良い。反面、B.LトラックのM4「Burn Baby, Burn」は装飾の下世話さが東方神起を彷彿させる。アリキックのM10ははやりのオートチューンがフックの歌メロに使われるが、ヴァースではしっかりラップされる良曲。続くM11「この曲止まるまでは...」もアリキック作で、フックを歌う西野カナがいい塩梅のメロウな1曲だ。初めてSIMONのラップが良いと思えたのは12曲目の「Shake and Bake Again」。DJ JINのトラックそのものはたいして良いと思えないのだが、ビートに絡みつくSIMONのラップは小気味良い。


おかしなロック風味の曲だったり、ださい東方神起風だったりがあるものの、要所要所で客演陣がアクセントになり、さらにはタロウソウル自身の歌うラップと普通のラップの使い分け、あるいはソウルフルに歌ってみたりという器用さ、それとリリックに奥行きが生まれたこと、もちろんトラックの優秀さ等々のおかげでとても聴きやすいアルバムになった。

しかし、オリコンアルバムチャートでは初登場193位。枚数までは知らないが、悲惨な数字になっていそうだ。3週前にリリースされたFUNKY MONKEY BABYSのサードアルバムは現在累計で14万枚目前のところまできている。メジャーという土俵で戦うにはもっと平易なラップが要求され、もっともっと恋愛を歌わなければいけないということなのだろうか。大変だ。
2009.04.06 Monday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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