DJ MITSU THE BEATS『A WORD TO THE WISE』

2009年5月27日リリースのセカンドアルバム。
ファーストアルバム『NEW AWAKENINIG』が2003年8月発表だから、約6年ぶりのソロ音源となる本作。前作はHungerが参加していたことで日本語のラップを聴けたが、今回の客演は全て海外勢で占められている。音の方も前作ほどジャジーヒップホップへのこだわりがなくなり、音に華やかさが増し、幾分聴きやすくなった。
軽やかに、だけどしっかり刻まれたビートはヒップホップのそれであるし、何より日本人を入れなかったことでかっこつけ度がさらに強まった。最後の最後までだささを配した音の作りには隙がなく、6年もかかるのは仕方ないのだろうか。
全曲良いのだけど、中でも気に入ったのはDilla直系(まあ、ほとんどがそうなのだけど)のM3「Ridin' Around」やM12「Tokyo Girls」、またM4「Big Supply」のビートもかっこよかった。それと韓国のグループDynamic Duoを招いたM17「Ex Lovers」も魅力的だ。歌もののフックが特にいい。韓国のヒップホップって初めて聴いたなぁと思っていたら、このグループ2年前のBBOY PARKでライブを見ていたみたい。自分で書いてた。
ラップ曲ではなく歌手を呼び寄せたM6「Promise In Love」やM8「The Way」、M18「Playin' Again」といった曲ですごく心地良いグルーヴを堪能できる。思えばファーストでも「Away」や「Music Mate」、Dweleとの「Right Here」、「Do Right」といったR&B曲があったわけで、この路線でアルバム1枚作ってみたら、絶対にすてきなものができると思うのだけど。音数が少ないけど華やかに、かつ色気も十分にあるトラックは秀逸。苦戦している日本のR&Bにももっと供給したらいいのにと夢想してみる。