すばらしくてNICE CHOICE

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呪煙 a.k.a JUGEM『やっつけコロシアム』

2009年4月15日リリースのファーストアルバム。

TAK THE CODONAによるマンチーシリーズの1枚としてミックスアルバム『MUNCHEE TRAVEL』に登場していたので、その姿は垣間見えはしたのだけど、ようやく全容を現したタクザコドナと894、DELMONTEによるプロジェクトのデビュー作。

発売から3ヶ月も経って今さら記事にする私も私だが、グーグルのブログ検索をかけたところ、本作をまともに取り上げているブログがたったひとつしかないというのはどういうことなのだろう。呪煙はともかくとして、タクザコドナの新作ということだけでも興味の対象となるほど、彼のラップスキルとトラックメイクのセンスは他を圧倒しているのに。

ヒップホップに惹かれる理由は人それぞれだろう。姿勢が好きという人もいれば、歌詞がいい、押韻が巧み、踊れる、薬ネタ、共感できる等々千差万別だとは思うが、ラップの技術という1点に置いてだけでもタクザコドナのラップは聴く価値がある。豊富な語彙、聴いてすぐに分かる声質、発するだけでグルーヴとなるフロウ、ラップの瞬発力、多彩な語り口、そして少し変わった視点で描かれる日々の生活。

さんぴん世代のロートルよりも、日本語ラップのバブルに乗じて調子良く登場したはよいものの停滞しきっている中堅よりも、SEEDAによって浮上してきた若手の誰よりも、コンスタントに音源を発表し、実験的な音を盛り込みながらも標準以上のクオリティを維持しつつ進化をも図り、聴き手の期待に応えている数少ないアーティストのひとりがタクザコドナであり、もっと評価されてしかるべきだ。


さて内容。先のミックスアルバムからももう少しズブズブで、いかにもサイドプロジェクトといった自由な作品になるのかなと思いきや、意外にもしっかりまとまった作品になっている。全13曲47分。

このグループにどっぷりと色を付けているのは、意外にもタクザコドナではなく、894のラップだ。タクザコドナはソロ作でのキャッチーさは欠いてはいるものの、いつもとそれほど表情を変えずにラップしている。一方の894のラップはルーズさが特徴で、決して巧みなわけではないが、適当ゆえに耳に飛び込んでくる面白さがある。

トラックは、2曲の外部発注以外は3人で分担している。タクザコドナとデルモンテが4曲ずつ、894が3曲。どの曲も豊潤なアングラ臭を放ちつつ、ダンスミュージックとしての出自を忘れていないので、首がリズミカルに動き出す。

M2「補助輪」、M3「撲殺チェンソー」、M9「Crazy For You」、M11「Empty」が特に楽しめた。このプロジェクトは面白いのでこのまま続けて欲しい。
2009.07.07 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(8) | trackbacks(0)
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2017.04.19 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
呪煙はまさに煙に巻かれるようなといいましょうか、なんだかよくその正体がわからないところにその魅力がある気がしますね、僕は。

歌詞とか何について歌っているのか、分かりそうで良くわかんないですからね。遊びで入れてる台詞とかもう何のこっちゃってレベルだし。かといって抽象的というのともちょっと違う気もするっていう。
何か言葉遊びによって文脈が瓦解してしまっていることで観念の世界に没入(=トリップ)していってしまうような不気味さがあるというか、まぁ、漠然とですがそんな感じがあるような気がします。

音もディレイとかかけて崩してるのも、不条理な感じがしますしね。

なんだか曖昧な物言いになっちゃってて、申し訳ないですが、本当、何なんですかねーこのカッコ良さの正体は?上手く説明出来なくてもどかしい!
影月 | 2009.07.10 Fri 06:24
影月様

こちらでもコメントをいただき、ありがとうございます。

ふたりともラップが巧みで、トラックもしっかりループミュージックしているから、リリックの内容が判然としなくても耳には単語レベルで強烈なラップが飛び込んできますし、ズブズブなアレンジがされていてもビートがしっかりしているので、かっこよく楽しめるのだと思います。
gogonyanta | 2009.07.12 Sun 00:59
それにしてもタクザコドナの語彙は素晴らしいですね!"漬物石でジェンガ、積み上げるバベルの塔" こんなフレーズが出てくるのが凄い。

894もMIDICRONICAでは出せないアングラ感をまとったラップがかっこいいです。早くも次のコドナのアルバムに期待してます。
ハヤト | 2009.07.13 Mon 16:56
ハヤト様

こんばんは。
お久しぶりです。

タクザコドナはリリックもいいですよね。絵が思い浮かびやすくて、楽しいです。日本語ラップの歌詞カードがない曲を聴き取りしているブログってありましたよね。あそこに依頼してみようかなぁ。

> MIDICRONICA
聴いたことないので想像できないのですが、この作品での894は味がありました。ラップがうまいとは思わないのですが、彼にしか出せない味で、でもそれって一番重要なことなのかなとも思います。

ええ、次のタクザコドナのソロも楽しみですね。
gogonyanta | 2009.07.14 Tue 03:08
私ラップを6年ほどやっております。あまり人の主観的な意見に口を出したくないのですが

>決して巧みなわけではないが
894氏のラップはとてもうまいです。これはアンダーグラウンドで活動してるラッパーの中でも割と共通の認識でございます。
貴方の感じ方に対してとやかく言うことが野暮なのはわかってはおりますが、こう断定的な書き方をするのはどうかと思います。
こんにちは | 2009.07.28 Tue 05:02
こんにちは様

こんばんは。
はじめまして。

ラップの巧い下手に関してはひとそれぞれ意見があるのでしょう。こんにちはさんも考慮してくださったように、"私の主観"では894のラップは音源で聴いても、ライブで見ても巧みだと思えなかったです。ラップを実際にする人間だからこそ分かるすごさみたいなものがきっとあるのでしょう。一リスナーの意見としては、"巧みではない"と断定させてください。
gogonyanta | 2009.07.29 Wed 01:54
新年明けましておめでとうございます
今更ですがやっつけレストランはお聞きになられたでしょうか
894もラップ巧いと思います個人的には
午後さんのファンなので更新停止してた期間のものの記事もいずれ少しずつ上げてくださると嬉しいです
SUIKAだって傑作だったと思いますし
コメ欄汚し失礼しました
P | 2011.01.02 Sun 22:07
P様

こんばんは。
お久しぶりです。
今年もよろしくお願いします。

『やっつけレストラン』は聴きました。カルデラビスタがあまり印象に残らず、それよりもTAK THE CODONAは現在ソロアルバムを制作中らしく、そっちに期待だなと思ってしまいましたが・・・。カルデラビスタはその後に出たコラボ作が良かったですね。

SUIKAの『スイカ夜話』にしろ、昨年書けなかったアルバム記事はおいおい書いていくと思います。すみませんでした。
gogonyanta | 2011.01.03 Mon 01:01
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