すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
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BBOY PARK 2009(8月22日)@代々木公園野外音楽堂

第10回にあたる2007年から通い始めて、今回が3回目となるBBOY PARK。今年6月に発起人のCRAZY-Aが大麻取締法違反で逮捕されたために存続が危ぶまれたが、ZEEBRAが中心となることで今回の開催にこぎ着くことができたようだ。それまでのブロックパーティとしてのゆるい進行や雰囲気のイベントではなく、夏フェスに近い印象のイベントになった。Bボーイパークの意義だったり意味だったり、良い変化や失われたもの等々の話は面倒くさいのでおいとくとして、ただひとついえるのは、雨がほとんど降らなかったことが本当に良かった。開催日をずらしたことが成功だったのかも。


さて、運営にも関わっていたDARTHREIDERのブログによれば、今年は早い時間から注目のステージが目白押しだというので、いつもよりずいぶんと早く家を出た。12時54分には代々木公園に到着。メインステージでは女の子たちが所狭しと踊っていた。

【HIPHOP戦隊B-BOYGER】 12:57~
ヒップホップ戦隊Bボイジャーがサグサグ団と戦い始めたので、今回から設けられたもうひとつのステージ・サブステージに行ってみることにした。オールドフレーバー溢れる彼らのスタイルは嫌いではないのだけど、わざわざ見るものでもないなと思ってしまうのはどうしてだろう。


                                   【THE ROC STOCK】 ~13:14
メインステージの後方100メートルぐらいのところに学校の運動会の運営本部みたいな小さなテントがあり、そこがサブステージのようだ。ライブをしていたのは、THE ROC STOCKという6MC1DJのグループ。荒削りさを集団の勢いでごまかそうとするタイプだが、あまりこの手の力押しな音を聴かないので見ている分には面白い。6人が代わる代わるマイクを握るわけだが、どれも似たり寄ったりの中、タオルを頭に被せていたラッパーの高音の張りが目立っていた。

続いてG-56(ジゴロ)という名古屋から来たラッパーがステージに上がる。ロックストックに輪をかけて、シンセを派手に鳴らしたトラックに辟易して思わず逃げ出す。


【KEY-CREW】 ~13:22
メインステージに戻ると、童子-Tと同郷のKEY-CREWがライブ中。次のステージのために見るともなしに見る。童子-Tは現れず。



【3 ON 3 PROFESSIONAL MC BATTLE】 13:24~13:52

最初の発表では「OVER 30 PROFESSIONAL MC BATTLE」という名でベテランたちでのみ戦うというものだったが、紆余曲折があったらしく、直前になり4チームによる3 on 3形式のMCバトルとなった。

司会進行を務めるサイプレス上野が出てきて、まず最初にチームTOP RANKERS(ZEEBRA、UZI、CHINO)を呼び出し、つめかけた観客のボルテージが一気に上がる。続いてKEN THE 390、MASARU、ダースレイダーのチームbboystanceがステージに姿を現す。バックDJはDJ WATARI。ルールは16小節を2本ずつ。支持する声の大きさで勝敗を判定する。

最初の試合は先攻ケンザ390対BRAIDZのチノ。ケンザ390は声がこもり気味でいつもの歯切れの良さがないが、チノはそれよりもさらに状態が悪く、何をいっているのかさっぱり聴き取れず。2本目は声の通りが良くなったケンザ390が圧勝。だみ声で迫力だけはあったチノにほとんど声が上がらない。あれだけの大きなステージと大勢の観客の前で如実に勝敗がはっきりすることに同情してしまう。心のダメージは深そうだ

中堅ウジは先攻のケンザ390に比べると格段にゆっくりとしたフリースタイルだが、内容は確実に届く。"俺はそう二番手 戦う呪文ギガンテ"で大盛り上がり。2本目でも"積んだ方がいい経験値? 経験済み 正拳突き"で大歓声が飛ぶ。ウジはケンザ390のちょこまかと早いラップに惑わされることなく、どっしりとした自分のスタイルを貫き通したことも勝った要因だろうが、何よりキャラクターで持っていったのが大きい。

bboystance中堅・妄走族のマサルにじゃんけんで勝ったウジは司会のサ上に"う~ん、やっぱ後攻の方が有利かね?"と訊く余裕を見せる。サ上は"いや、男だったら・・・"と返すと、"あ、そういうのあるんだ。じゃあ先攻"と、魅せ方を知ってるのはやはり腐ってもベテランなのだろう。マサルは自分の立ち位置を主張するだけで勝負する気がなく、面白味に欠ける。が、マサルが勝ち、大将ジブラを引っ張り出す。じゃんけんで勝ったマサルは先攻を選ぶ。

マサルはここでも姿勢は変わらず。ジブラに突っかかることなく、反対に相手を称える始末。注目のジブラ。第一声は、"俺はジブラ 聴いてるか日本中のリスナー 俺の即興は日本一 ぜってぇに渡さないぜこの位置"。1本目も2本目も終始内容は一緒。俺は昔からずっと現役で日本で一番のラッパー。どう一番なのかはごちゃごちゃ説明することなくだみ声一発で黙らせようとする。問答無用の存在感と華がある。"ここはバトル 俺は絶対この現場勝ち取る"という強い意志は、先輩に対し尊敬の念だけを送るマサルへの不満の表れだ。当然ジブラの勝利。

そして、大将戦。ダースレイダー対ジブラ。グーで勝ったダースレイダーが後攻を選ぶ。当然なのだけど勝ちに来ている姿勢に嬉しくなる。先攻ジブラは小節を若干余らせてしまう。しかしダースレイダーはそこには少しもつけ込まず、いきなり大将首を狙いにかかる。

"Hey Yo ここはまさに戦争 シマウマの首切り落とすチェーンソー"、"Bボーイパークここで証明 終わらせてやるぜお前の証言"、"ヒップホップは常に続く ゲームは一生 プレイヤーは変わる ジブラの次はダースレイダーが立つ ここが俺たちの場所 そろそろ過去のハーコーはどっか行って眺めてちょうだい 現役の俺に現場をちょうだい"。

2本目ジブラは、"確かに俺は古い だけど新しくてもぬるい"と始め、一瞬盛り上げるもルーティンっぽい言葉を並べるだけで劣勢に追い込まれる。

"確かに高いところにいたぜ だけど昔『空からの力』で同じところに落ちてきたじゃないか"、"同じ場所に立ってるぜ このステージ 立場は平等さ"、"こんな奴にはぜってぇ負けねぇ 価値観ひっくり返すのがヒップホップ 下克上見たいだろうBボーイ だったら今ここで上げとけよ ダースレイダーオンザマイクロフォン ブラッ!"

勝者、ダースレイダー。"悔しい、チョー悔しい、生まれて初めてのバトル、チョー悔しいぜ"と残念がるジブラはダースレイダーとがっちり握手。最後にウジがいいところ取りしていく。



【A+ LIVE BATTLE -BBOY PARK EDITION】 13:53~15:22

YOU THE ROCK★と妄走族/THE LEGEND$のDENが出てきて、ライブバトルについてうざったらしく説明。6組の若手がライブして一番魅力的だったのを選ぶというもの。


 【THUG FAMILY】 14:01~14:13

昨年のBボーイパークでライブを見て、しょうもないことをラップしているものの、耳に残る強烈なリリックに驚かされたグループ。しかし、今年は一番暑い時間帯に出たためか明らかにパワーダウンしていた。"そう俺たちは犯罪者 CRIMINAL ナイフを隠して街角に立つ"やら"目が合えばつばを吐き いちゃもんをつける それでも粋がってればナイフで片を付ける"等々パンチラインだらけで面白いラップをするのだけど、今回は残念な出来だった。真っ昼間から不穏なリリックだったためか、端にラップが稚拙だからか、人が減っていく一方でもあった。

1.GANGSTA MUSIC
2.CRIMINAL
3.SURVIVAL
4.THUGには手を出すな


 【千晴】 14:14~14:24

自分で音出しして、時にMPCを操り、ラップをするというソロMCがよくやるスタイルでパフォーマンス。そのことがさもすごいことのように説明しているのに反感を覚えるも、6組の中では一番安定感のあるライブをしていた。生では音源とは違い、KREVAとの差異がはっきりする。ラップ自体はつまらないので途中で抜けだし、周辺をうろつく。ブルーハーツの「TRAIN-TRAIN」をネタにラップをしているのが聞こえてくるが、それもまた中途半端な使いようで見なくても良かったと確信する。


 【YELLOW DIAMOND CREW】 14:25~14:35

8人のラッパーが出てきて、半数が缶ビール片手にゆるい雰囲気でマイクを回しつつ、壊滅的なラップを披露。赤いキャップをかぶっていた人が辛うじて喉ができていたぐらいで、それ以外はラッパーとして名乗ることにまず問題がある。昨年同じステージで見たときは人気のあるグループに思えたけれど、今回は人が少なかった。


 【あるま】 15:36~15:47

次は横浜のあるま。客演では何度か聴いているが、世間の評判ほどには記憶に残っていない。ラガ風味のラップをするも、うだるような暑さに頭がぼうっとなっているときに幅の狭いラップが延々と続き、辛かった。アカペラすらもアクセントにならない。グループだと別のラップが入ることでその辺りの問題が解消されるのだろうけれど、1MCは難しい。ずっと前に買ったあるま to BEAT奉行名義のミニアルバム『HIGHWAY DISCO』は今しばらく棚の肥やしのままだろう。


 【STAXEXESS】 14:50~15:00

スタックスエクセスと読むらしい。3人のラッパー、YUKI、ENSYU、RYO a.k.a ICE-MANが所属し、DJもTATSUKI、U-1、CHARIと3人を擁するグループ。ENSYUは欠席で、2MCだったのだが、まだまだ若く荒削りなのは否めない。でもラップはできるし、あとは個性が備わればいいかなと思えた。

最後に披露した、"ウィード 燃やすぜウィードウィード ~ まだまだ必要 着火しろ"という女性コーラスがフックを歌うメロウな曲がすごく良かった。この日初めて聴いた曲は色々あったけれど、この曲が一番良い。このトラックに乗せるラップはウェッサイの人たちがよくやるようなスムースなラップならばさらに気持ち良さが倍増するだろう。


 【HI-KING】 15:02~15:12

奈良出身のHI-KING。アルバムも出しているし、名前だけは知っていたけれど、ラッパーが何人かいるようなグループだと勝手に思っていたから1MC1DJのデュオだったことにまず驚いた。RHYMESTERが始める新レーベルからのリリースが予定されているらしい。

十分うまいし、個性もあるけれど、クラブでのライブが似合うスタイルだった。モグラが間違って陽の下に出てきてしまったよう。最初に見せた早口ラップは今回のような広い場所ではよほどの実力がなければ難しい。


6組が終わったところで、ひと組ずつ名前を挙げていき、観客の歓声で勝敗を決する。サグファミリーやイエローダイヤモンドクルー、スタックスエクセスではほとんど声があがらず。スタックスエクセスの時は、名前を読み上げる前にデンが"これは俺が超お気に入りでぇ"と中立の立場を守らなければならないはずの司会進行が公私混同するも人気薄で笑えた。

ふたりで審議して、声が大きかったふた組、あるまとHI-KINGを残す。私は千晴に挙げて、しかも結構歓声があっただけに残念。千晴のライブ中に抜け出したから何もいえないといえばその通りなわけだけど、6組の中では聴かせるラップをしていたし、何より楽しめませることに重点を置いたしっかりとしたプロ意識が感じられた。もし千晴のライブを初めて見たのであれば、最後までどんなものかと見たことだろうし。

結局、優勝はハイキング。



【晋平太】 15:24~15:41

リスナーと関係者の投票により選ばれた15組がライブする「PEOPLE'S CHOICE ARTIST LIVE」枠。その一番手が晋平太。2曲目の「Street Dreams」でG.K.Maryanのごとく舌がもつれ始めるのを見て、昼食タイムにすることに。

普段は街角で売ってても買うことはないケバブを食べる。ビールは公園が運営する売店で。ほんの目と鼻の先で缶ビールが300円(ヱビスだって350円)なのに、Bボーイパークの出店だと法外な500円。あれはない。


【COMA-CHI】 15:42~15:59

「B-GIRLイズム」の2ヴァース目の直前でライムスターが登場し、本家本元「B-BOYイズム」を響かせる。歌い終わった後に宇多丸が、"今年はBボーイパーク、生き返ったな"の一言が印象深い。

最後は最近はあまりやらないという「ミチバタ」で締めた。1曲目の「name tag」と比較してしまうと、「ミチバタ」のフロウの方がやっぱり彼女には合っているように思えてならない。ともかく大盛り上がりで最初の「PEOPLE'S CHOICE」枠が終了。

1.name tag (C-O-M-A-C-H-I)
2.perfect angel DJ HASEBE Summer Luv Mix
3.B-GIRLイズム feat. RYHMESTER
4.ミチバタ



ジブラが出てきて、ダンスショーケースの開始を告げる。コマチを見るために詰めかけていた観客がぞろぞろと出口に向かい一気に人が減る。


グラフィティアート、サブステージ、車、「TEENS NO1 DJ CHAMPIONSHIP」、ダンス、DJブースなど。











【YA-KYIM】 ~16:27
色々見て回って16時23分頃にメインステージに戻ってくると、R&Bタイムになっていたようでヤキームがいつ見ても変わらないルーティンなライブを披露。


                                      【Perfect Man】 16:28~
TSUYOSHI、LEO、L&J、MICHIYA、真之介によるグループ。取り立てて面白くもなかったので、サブステージに向かう。


【KEN THE 390】 ~16:32
テントに収まりきらず、外にまで人がはみ出すほどの人気ぶりだった。着いたときにはちょうどエムラスタとの「GET NAKED」でがんがんに盛り上げているところで、ヨシっと思ったもののそれが最後の曲だったのは悔しい。


【ICE BAHN】 16:33~16:49

それなりに有名なのにいまだに音源をまともに聴いたことがないグループ。昨年のBBOY PARKでは日曜日の遅い時間帯に出ていたけれど、今年はサブステージ。でもそのおかげで間近で音に体を揺らすことができた。感謝。彼らの肝は韻の固さなのだろうけれど、ライブを見て思うのはトラックのグルーヴとフック作りの巧さにこそ持ち味があるのではとということ。

もちろん各自のラップが悪いわけではない。FORKは声の通りが良く、ライブでもリリックが潰れることがないし、玉露の豪腕ぶりも特筆ものだ。残りのKITTに穴があるのかなと思ってしまったが、アルファのTSUBOIが客演した最後の曲で急にトラックに吸いつくようなラップが繰り出されて驚いた。ツボイはこの後のMCバトルでも大活躍したのだけど、風体は怪しいそこらにいるようなあんちゃんなのだが、ひとたび口を開くと強くしなやかなラップが飛び出して面白い。


次に登場する予定だったKMCは昨年もここで見ていて、気になったラッパーだったのだけど、radio aktive projeqtを見るべく、メインステージに戻る。


【S.L.A.C.K.】 ~16:52

辛うじて最後の2曲だけ聴けた。のらりくらりなラップは変わらずだが、大ステージな上に野外であるにもかかわらず臆することなくラップして、独特のゆるさがある空間に変えていた。意外にも声の通りが良かった。


【radio aktive projeqt】 16:53~17:14

Queenの「WE WILL ROCK YOU」に乗って登場。K DUB SHINEのラップは悪くないのだけど、ファーストアルバムに先駆けて発表されたミックスCDを聴く限りではKダブシャインよりも好印象だったDJ OASISがさっぱりなラップだったのは残念。

Kダブシャインは、"DJはサイバーノリピー"だとか"あんまり童子-Tばかりディスってると引きこもっちゃうから。そろそろこの辺で止めておこうかなと思っていまーーーーす"などのMCでファンを喜ばせていて、ご機嫌だった。あと、客演で登場したウジから、MCバトルでは飛び出さなかった"俺がウジ 通すスジ"が聴けたのは嬉しい。

1.マジ興味ねぇ
2.24 -TWENTY FOUR-
3.R.A.P.
4.これ超よくねぇ? feat. UZI
5.そりゃあないよ


最後に「いまの世の中」を流して退場。それを断ち切るようにして登場したのがジブラ。"ちょっとだけ早かったらキングギドラなんだけどね"というくすぐるがにくい。袖でダースレイダーがKダブシャインをステージに押し出そうとしているように見えたけど、もちろん彼がそんな2ショットを望むはずもないわけで、ジブラの紹介でダンスショーケースが始まる。そんなわけでサブステージにUターン。


【Romancrew】 ~17:27

17時15分に着くと、ロマンクルーがケンザ390に負けないぐらい盛り上げていた。エムラスタが大活躍。テントだから密封されることなく、四方が開けられているのだけど、クラブよりもずっと濃密な空間を彼らの黒い音が作り上げていた。派手さやポップさがありつつもサンプリングを生かしたトラックだから人工的な甘さにならない。歓喜に溢れた音と言葉が気持ち良かった。売れないのが不思議。

・First Song
・Crossroad
・虹の交差点


【STERUSS】 17:28~17:42

ロマンクルーが終わると、人が一気に引けていく。メインステージでは注目のLIBRAチーム対Q・ツボイ・玉露組の3 on 3 MCバトルが始まるわけで当然なのかもしれないが、人のまばらなサブステージを満たしたDJ KAZZ-Kの音の太さとcrime6のテンションの高さに目を見張った。

DJカズKの繰り出すビートにぴったり寄り添い、ひたすらタイトに言葉を乗せていくことでさらにうねったグルーヴが生み出されていく。頭が振れてきて、体が勝手に動き始める。一方で、「連なる夜」に入る前のMCが象徴的なのだけど、人柄の良さを感じさせる温かさもある。"俺が大好きな恋人へ 俺が大好きな両親へ 俺が大好きな"家族へ 俺が大好きなDJカズKへ、俺が大好きなベラマツへ 俺が大好きなみんなへ"。胸がじんわりとしてしまう。

音楽の楽しさと温かさの同居が彼らの真骨頂だ。音はより強度を増し、言葉も磨かれ、洗練の度合いが高まっているけれど、ライブとなるとスタジオの録音で封じ込められなかった生々しさや荒々しさといったものが毅然と姿を現し、より直接的に鼓膜ではなく胸に言葉と音が飛び込んでくる。

本当にすばらしかった。悔やまれるのはベラマツがいなかったことだけど、多分彼がいないからこそ、ステルスの名前を汚さぬよう、ふたり分のテンションや気合いが絞り出されたのだろう。今年のBボーイパークの一番のライブは彼らだ。

1.対極圏
2.風見鶏のうた
3.exit breath
4.連なる夜
5.真夏のジャム


【3 ON 3 PROFESSIONAL MC BATTLE】 ~18:02

18時42分にメインステージに戻ると、LIBRAチーム対Q・ツボイ・玉露チームの熱戦の真っ最中だった。ちょうど漢とツボイ戦が始まるところで、MEGA-GとQがどんな試合をしたのかは不明。

さて、漢がじゃんけんで勝って先攻を選択。"何が臭せぇ 匂いじゃねぇんだ マイクを持ってるその姿嘘臭せぇ"でガツンと盛り上げてからの残り数小節の悪態は見事。後攻・ツボイは流れを変えるべく、強面の漢に、"YOYOYOYO お前さんは誰に口きいてんだ"と初っ端から切り込む。"サイバーノリピー? そんなもん知らねぇよ お前は栽培しとけ*** そんなんじゃおっかないフリしてたって俺は何の興味もねぇよ"とまくし立てる。

2本目。先攻・漢、"確かに怖そう 俺たち悪そう でもよーく見てみぃもっと頭が悪そう"でドカーンときた。ツボイも負けてはいない。"お前はジャンキー? そんなこと知らねぇよお宅は ここにいるのはパンピー みんな*****そんなことを聴きたいんじゃねぇよ 育ててるのは何 お前さんは赤い目 そんなことを口にしなきゃいけないなんてださいぜ"、"掴むのはM・I・C おまえは全然テクないし そんなここで負けて***して強がったりするなんて切ないし そんな状況にさせてやる"とたたみ掛けたところで終了。

二度判定するも決まらず、延長戦に突入。先攻後攻が逆になるのでツボイからスタート。"先攻でかましてやる まるで線香花火みたいに最後にきれいに燃えているのは俺の方"やら"格下"や"幕下"と少しクオリティが落ちてしまう。反対に漢は十八番のクスリネタを絡ませつつ、"ここに私服警官がいたら速攻でボコる"といったパンチラインで観客を盛り上げる。

2本目のツボイは漢が直前にみせた早口ラップをそのまま真似してスキルフルなところを誇示するも印象的な言葉には欠けた。漢はお得意のイリーガルネタを続け、そのまま"アーバリアンジムとあーした(明日)俺らがやった方がまだましだ ファックユー、ダースレイダー 電話しすぎなんだよ、ボケ"と後ろで見ていたダースレイダーをも攻撃。

ラップのテクニック的にはツボイの方が上なのだろうが、見せ方や見得の切り方という点で漢の方がMCバトル熟知していた。延長前の2本は観客の声も私の印象でもツボイだったが、延長戦は漢が持っていった。

漢は"俺らはタイマンが好きなんだよ"と突然いいだし、バトル中にも宣言していた通りにBESにマイクを譲る。つまるところ玉露が不戦勝となり、玉露対ベスの大将戦に勝負の行方がもつれ込んだ。困惑したサイプレス上野のひと言にバトル以上に盛り上がる。"全く予想だにしない展開になりました"。

先攻・玉露でスタート。玉露は韻が固いが単語で落としがちで、その単文を繋いでいくスタイルよりも、フロウの魅力で長い文章として聴かせるベスの方が聴いてて面白い。ベスの評判は方々で聴いてたけれど、これほどとは思わなかった。語彙に欠ける点すらも軽々とカバーしてしまう。

というわけで、LIBRAチームの勝利。



【YOU THE ROCK★】 18:03~18:21

そのままサイプレス上野が、彼の青春を奪い、童貞までも奪っていったかもしれない男・YOU THE ROCK★を呼び込む。

野外音楽堂のアリーナともいえる柵の内側が観客でほとんど埋め尽くされた状況で、過去の有名曲だけをやればものすごい盛り上がりを見せたのだろうけれど、敢えてリリースしたばかりの新譜からの曲だけで勝負したのは、やはり現役ラッパーとしての自負によるものだろう。が、いかんせんトラックが総じてお粗末で、ユーザロックがどれほど腹から声を出してラップしても噛み合っているようには思えない。

最後の「ディアチルドレン」は久しぶりに90年代のユーザロックのような熱くも優しくリスナーに語りかけるリリックが聴けるのだが、トラックが安っぽく、実に象徴的だ。

1.オン ザ コーナー
2.パンクロック
3.プロテクト ヤ マインド feat. TOP, 十影 & 寿
4.リザレクション feat. DEN
5.ディアチルドレン


【BES】 18:22~18:37

MCバトルで魅せたフロウ巧者ぶりが嘘のような悲惨なライブをしていた。15分程度しかやらなかったのに、始まってすぐに肩で息をする状況を見るに、彼はバトルのような短距離走でのみ本領を発揮するラッパーなのだろうか。期待していただけにがっかり度も大きい。

1.The Process
2.My Way
3.かんぐり大作戦
4.Fucked Up Bowy
5.?
6.So Hard
7.Bunks Marmalade


【ANARCHY】 18:38~18:51

2週間前の「渋谷ブロックパーティ」のときは彼のかたわらにRYUZOがいたので、一本調子の咆哮ラップが2本になり、また照明などの演出面もそこそこしっかりしていたこともあり、音の華やかさと相まってきらびやかなエンターテイメント空間を演出し、聴きやすさが補強されていた。しかし今回は手作りパーティということで、シンプルなステージのため、素材そのものだけがくっきり浮き上がってしまい、悲しみの雄叫びラップが代々木の空にむなしく響くだけだった。

1.Composition of Pain
2.I'm A Rapper
3.? (アカペラ)
4.G.O.D.
5.Fate


2009.08.22 Saturday 23:58 | 音楽 | comments(10) | trackbacks(0)
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2017.08.23 Wednesday 23:58 | - | - | -
コメント
わざわざご苦労 Mr.コックローチ
BRISTLE | 2009.08.25 Tue 19:07
お久しぶりです。
B-BOY PARK、今年も行けなかったんですが『過去最高の盛り上がりだった』という言葉をいろんな所で耳にします。
うらやましいなあ。

クライム6+KAZZ-Kのライブ、見たかったなあ。
以前クライム6になぜ今年のライブスケジュールが少ないのかを聞いたら、『STERUSSとZZのアルバムを精魂込めて制作中なのでライブをいろいろ断った』という嬉しい答えが返ってきました。
今年はあまり彼らのライブが見れないと思うので、10月のスイカ夜話がますます楽しみです。
wanyanaguda | 2009.08.25 Tue 20:01
初コメント失礼します。

いつも更新楽しみにしています。

gogonyantaさんの、日本語ラップレビュー(自分が聴く音楽が日本語ラップばかりなもので)は、非常に納得できるところもあり、僕と反する意見もありと、非常に楽しませてもらってます。

BBPは日曜は参戦しなかったのですか?

是非参戦していたら、ハイライトお願いします。
kenbo | 2009.08.25 Tue 20:26
レポ乙であります(‘・ω・’)ノ
僕はビボパには行ってないのでよくわかりませんが、
ようつべでいくつか動画みました(’・ω・‘)

漢とツボイの試合を見ましたが、リリックの内容は
ツボイのがよかったと思います!
ただ、漢のラップはやはり安定 してますね。
フローがきれいで一定だからこなれた感じですね〜(*ω*)

日曜にニトロ三人が来たらしく、ようつべで見たら
ゴアテックスがいましたよ(’ ω ‘)
ニトロのメンバーのmcバトル見たいお。。。
ぱーまん | 2009.08.25 Tue 21:47
BRISTLE様

こんばんは。

長文駄文に悪文乱文をわざわざ読んでいただきありがたいことです。しかもご丁寧にコメントまで。ファンの鏡ですよ、剛毛さんは。



wanyanaguda様

こんばんは~
いつもありがとうございます。

> STERUSSとZZのアルバムを精魂込めて制作中
おおおおっ! すごい情報です。ありがとうございます。ZZはともかくとして、STERUSSの新作はあと2~3年は待たされるのかなと思っていただけに嬉しいですね。今の勢いで作ったら絶対にいいものができそうです。すごく楽しみだ。感謝です。



kenbo様

こんばんは。
はじめまして。

日曜日のも頑張って書いています。もう少しお待ちください。すみません。反対の意見があるときもコメントをいただけると嬉しいですね。ひとつの角度からしか見られなかったものが2つ3つと視点が増えるわけで、なかなか得難い発見です。

これからもよろしくお願いします。



ぱーまん様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> ビボパ
すごい省略の仕方ですね。一般的なんですか?

漢は記事にも書いているのですが、見せ方がホントうまいなぁと思いました。ただそれは純粋なラップ勝負ではないところでの仕掛けであり、ずるいといえばずるいのですが、まあエンターテイメントではありました。

ニトロの3人が出たのは、DJ YUTAKAのプレイ中で、私は彼が苦手なのでそそくさと逃げ出した後のことだったようです。無念です。
gogonyanta | 2009.08.26 Wed 01:13
おばんです。

バトルレポ圧巻です。私、パンチライン殆ど覚えていませんでした。UMBとか見に行ったときはソートー覚えて帰るんですけどね。

>THUG FAMILY 〜人が減っていく一方でもあった。
正に、私が友人宅に休憩しに行ってしまったのは、彼らのライブが退屈過ぎたのが大きな要因です。チクショー、THUG FAMILYめ。

>目と鼻の先で缶ビールが300円(ヱビスだって350円)なのに、Bボーイパークの出店だと法外な500円。あれはない。
あれないですよね。ビールのみならず、焼きそばとかもずっと公園の売店で買ってました。

ロマンクルーとステルスを見逃したのが無念でなりません。用事があって行けなかった方がどれだけマシだった事か…。
BESはライブはダメダメだったんですね。彼はバトルの時もそうですけど、好不調の波が激し過ぎますね。ビタミン剤がきれてたのかも知れませんが(笑)

いや〜しかし、これだけのボリュームのレポですと2日目もソートー楽しみです!答え合わせは勘弁してください(泣)自分がイヤになります。。。
5000VOLT | 2009.08.26 Wed 01:53
フォーク対べスではなく
玉露対べスでは?
sledge | 2009.08.26 Wed 02:06
おー、やってるねカスオタクどもー!

いちいちブログで答合わせしてんなよー! 

ZZのアルバムなんか誰でも知ってんぞー!
情報量が寂しすぎるやつがえらそうに御託ぬかすなー!
ビールの値段はチャージだろーが!
ヤバイ面子タダ見してんだから文句言うなー!
どれだけ偉そうなんだよ!
一回やってる本人に面と向かって文句言ってみろ!
webでしか生きてないやつが現実世界を語るなー!


死ねー!
クリトリーナ池川 | 2009.08.26 Wed 02:51
すごく何かに対して苛ついているようだけど、ここのブログに来なきゃいいだけの話。乙。
rp | 2009.08.26 Wed 16:48
5000VOLT様

こんばんは。
こちらにもありがとうございます。

記憶力に関しては私も猛烈に減退中でして、頭の中のメモではなく、物理的なメモ持参で頑張っています。それがBボーイとして正しい姿なのかといえば、絶対そうではないでしょうが、私はBボーイでもヘッズでもないので、まあ自分が楽しめていればそれでいいかなと思っています。

THUG FAMILY。彼らはサグいですからね。近寄ると危険です。缶ビールに500円は論外ですね。クラブならまだショバ代気分で払ってもいいですが、ほんの近くで適正価格(それでも高いですけど)で売ってるのに、あの値段は暴利をむさぼりすぎです。

ロマンクルーは前半が見られなかったのですが、かなり良かったですね。ステルスは上に書いたとおりで最高でした。サブステージはまあ色々悔しい気分もあるのか、その分みんな頑張っていた印象です。



sledge様

こんばんは。
ご指摘ありがとうございます。早速修正します。



クリトリーナ池川様

こんばんは。
コメントありがとうございます。
ニトロ記事には飽きたらず、こちらもですか。お疲れ様です。


rp様

こんばんは。
まあ、夏ですからしょうがないんですよ。多分ひとりあぶれて、さみしい夜を過ごしているんだと思います。そっとしておきましょう。
gogonyanta | 2009.08.29 Sat 03:30
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