すばらしくてNICE CHOICE

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三浦大知『Who's The Man』

2009年9月16日リリースのセカンドアルバム。

7人組の子供ダンスグループFolderのメインボーカル(当時は三浦大地名義・10歳)として1997年にデビュー。変声期のため2000年にグループを脱退。表だった活動を一時休止し、トレーニングを積み、2004年に活動再開を宣言、現在に至る。(ウィキペディア参照)


これは良盤。アメリカから直輸入しながらも、さも自分の音のように取り込み、消化し、かっこよく仕上げている。日本のR&B歌手の作品について書くときに、米国からの最新の音をそのまま持ってきてなどと簡単に記する場合が多いのだけど、本作ほど完璧にそれを成功させている作品は少ない。

飾り立てる音を似せることはできても、メロディで馬脚を露してしまう。アップテンポな曲は不可思議なイントネーションの日本語で頑張れても、バラードになると途端に歌謡曲になるのだ。日本人の耳には馴染むのだろうが、R&Bと思いながら聴いている身にはガクッとなる。しかし、彼は最後の最後までその手の詰めの甘さを排除し、R&Bマナーに則り、溌剌とかっこよく歌い切る。

その点だけでも十分評価できるわけだが、さらにいえば、歌のテーマや言葉遣いにも日本人にはいささか気恥ずかしく感じる要素──強引な男前さ、セクシーさ、あるいは悲嘆に暮れる様など──が向こうの様式そのままに取り入れられている。照れが感じられないのも好印象。

フォルダー時代から"和製マイケル・ジャクソン"と賞賛されていたわけで、マイケルと比較すればいいのだろうが、規模的には子供アイドルグループでデビューし、大人に変わるという難しいステップをどうにか乗り越え、成功を収めようとしている現役のシンガー──Bobby ValentinoやOmarion、あるいはMarques Houstonといった面々と比べた方が分かりやすい。

彼らと同じように、R&Bの深淵を覗こうとしているわけではないが、きらびやかな音の上でナルシシスティックにポーズを決めながら女性にダンスへの招待状を渡し、つれなく断られればこの世の最後とばかりに嘆いてみせる。音、言葉、歌唱力、それらが華麗だからこそ、陳腐にならずかっこつけられるのだ。


序盤の4曲でアルバムに衝撃と深い印象を与えているのがNao'ymtだ。特に1曲目のタイトル曲のイントロ。"Kick"に続き、"on Bass"の後に、プリンスの『Sign 'O' The Times』期のベースがブリッと鳴らされ、もうそれで完璧に持っていかれてしまった。三浦の低音での"Bass"も良い。80年代を意識させつつも、しっかり現代の音として仕上げ、さらには少ない音数で魅了する。変な日本語のイントネーションなど許せてしまう。

Tigerと、GUNSTMITH PRODUCTIONのdee.cによるM6「Baby Be Mine」ではコーラスワークが気持ち良い。その前のM5「Stay with me」もコーラスに工夫を凝らしたのだろうが、重厚さがイマイチ。本作で唯一コンセプトを理解していない人がいるとしたら、STYだろう。M8「SHINE」はかなりポップミュージックに接近してしまった。

このアルバムを手に取るきっかけだったM10「HOT MUSIK」は、DJ JINがプロデュースし、客演にCOMA-CHIという布陣だ。コマチは歌手として活躍するパートも用意され、当然ラップもしている。本作のような音には現在の彼女のラップスタイルはぴったりとはまる。M11「STOP..」では千晴がプロダクションにラップと頑張り、M13「Flag -BACHLOGIC REMIX-」では題名通りに原曲ではAjapaiが手掛けた曲をBLがリミックスしている。

ヒップホップ勢が総じて面白味に欠ける音を出し、足を引っ張り気味だったのが残念だ。DJ JINにしろ、BLにしろ曲を電子音まみれにしてしまい、アルバム前半の引き算を利かしたトラックのかっこよさが少しもない。

そんな中でキラリと光ったのは新作も好調なKREVAだ。シングル曲でもあったM4「YOUR LOVE」でのオートチューンラップをボーナストラック扱いのM15「Magic Remix」でも披露し、ロマンティックなフレーズと相まっていい味を出している。


何も日本の全てのR&B歌手がアメリカナイズされた音を出せばいいというものではないが、下手な折衷作を出すよりは、ここまで最新の音で潔く固めた方が聴いていて面白い。それと男性歌手が少ないジャンルなので、活きが良く、なおかつそこそこ歌唱力のある人が頭角を現してきたのは嬉しいかぎりだ。


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2005.03.30 1st SG『Keep It Going' On』
2005.06.01 2nd SG『Free Style』
2005.10.12 3rd SG『Southern Cross』
2006.01.11 4th SG『No Limit featuring 宇多丸』
2006.01.25 1st AL『D-ROCK with U』
2007.07.18 5th SG『Flag』
2008.07.23 6th SG『Inside Your Head』
2009.02.11 7th SG『Your Love feat. KREVA』
2009.05.20 8th SG『Delete My Memories』
2009.09.16 2nd AL『Who's The Man』
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2009.09.24 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
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2017.09.06 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
三浦大知てプロデューサー豪華ですよね。
J.Queとか最近だとネプチューンズのチャドからも提供してもらってるし。
まぁ結局Nao''ymtがどのアルバムも喰っちゃってる印象ですが。
タカ | 2014.02.20 Thu 11:17
タカ様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> 三浦大知てプロデューサー豪華ですよね

それだけレコード会社も期待し、本人もそうした音源を受けるだけの才能があるんでしょうね。ダンス共々日本のR&B界を引っ張って行って欲しいです。これで顔が良ければいうことないんですけどね。それだけが残念です。
gogonyanta | 2014.02.20 Thu 23:07
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