すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
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勝手な感想を書いていきます。
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Hilcrhyme『春夏秋冬』

2009年9月30日リリースのサードシングル。

セカンドシングル『純也と真菜実』記事を調子に乗ってちょちょいと書き上げて以降、どうにも据わりの悪さを覚え、落ち着かなかった。どうしてかといえばとても簡単で、"彼らの姿形にどうにも胡散臭さが漂う"と極めて頭の悪い難癖でもって好きになれないと書いてしまったからである。音楽性以外のところで評価してしまったのだ。

人の振り見て我が振り直せではないけれど、8月末にDABOがTwitter上で呟いていたことも影響している。"さっきテレビ見てたらクレバそっくりの歌い方&衣装&動きのニューカマーのビデオ流れててキモかった ジブラとkj状態 クレちゃんに教えたいなあ つーかもう知ってそう"。

他でもKREVAのパクリでしかないとの批判は目にする。しかし、現在の日本語ラップ界の中で童子-Tに次ぐ売上を誇り、音楽性やライブパフォーマンスの評価も高いクレバの影響を受けずにいられることは果たして可能なのか。THA BLUE HERBが人気が出ればあのラップスタイルに皆がこぞって影響されたし、降神やSEEDAだって多くのフォロワーを生み出した。1990年代も同様だろう。それをたった3枚のシングルとデモ音源しか出していない新人にそこを批判するのはどうなのだろうと思うのだ。ぽっと出なのに売れたことへの嫉妬としか映らない。

それと、私には彼が、クレバの影響下にあるにせよ、いわれるほど似ているとは思えないのだ。批判の矛先は他にある。

それはもちろん衣装や動きという些末なものではない。ファッションについては非常に疎いので言及しない方が吉なのだろうが、童子-Tもそうだろうけれど、Kanye Westらがやっていたことにアレンジを加えたものに思えるし、動きもまた彼が具体的に誰の影響を受けたのか知らないが、クレバがそうなら、似るのも当然だろう。何にせよ、これからの新人なのだ。


本作の表題曲M1は四季折々好きな人と一緒にいたいという素朴なラブソング。M2「♪メリーゴーラン♪」はRIP SLYMEのDJ FUMIYAにも通じるハイブリッド感がなかなか面白いトラック。ただ、前作にはいくら曲調がポップになっても骨太なビートが残っていたのに、今作では両曲ともそんな姿は影も形もなくなっているのは残念だ。

フックでの口ずさみやすさは彼らの特徴でもあり、誇ってもいい部分だ。例えそれがチープなものであるにせよ、メロディを作れるのは才能だと思う。M1が売れるのはラップ部分よりもフックに魅力を覚える人が多いからだろう。

一方のリリックについては大きく不満だ。前作『純也と真菜実』も同じだったことを考えると、彼らの路線ともいえるのかもしれないが、消臭されたリリックを聴いていると、大手メジャーで売れるヒップホップをやっていくことの難しさを感じる。そこの文言は個人的過ぎるからもっと分かりやすくいい換えて、というような書き直しが色々と要求されていそうだ。

主に一人称の言葉で個人の感情や経験をラップするのがヒップホップの面白味であるのに、その点が極めて薄いところが、例えラップが巧みであり、音に工夫を凝らしていても、彼らに興味を覚えない理由である。
2009.10.12 Monday 23:59 | 音楽 | comments(11) | trackbacks(0)
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2017.04.19 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
批判というか、クレバに似ているという感想しか抱かないのも当たり前ですよね。
この人らには興味が無いんですから。
パソコン | 2009.10.15 Thu 10:05
ラップや振る舞いkreva激似、ファンキーモンキーベイビーズや
ET −KINGらポップラッパー直伝の「淡い結婚ソング」
など、拒否反応をおこしてしまうアーティストです。
いや、別に僕はkrevaファンではないんですが。;)

gogonyan氏が不満とする「ありがちなリリック」などの彼らのラップへの
モチベーションの低さが彼らの「人気のある規定スタイルの模倣」に繋がってるんじゃないでしょうか?

>個人の感情や経験をラップするのがヒップホップの面白味
リリックの内容以外にもそのラッパーのパーソナリティはでます。
このグループのラップ担当がkrevaに過剰意識を持ってるというのを
伺い知れるラップスタイルも彼のパーソナリティです。
誰かの模倣である時点で、表現者としての魅力が落ちるのは事実です。
たとえば、U.Sのラッパーを聴く時、おそらくバイリンガルでもない
限り、まず耳がいくのは声とフローでしょう。
これは母国語の日本語ラッパーであっても同じだと
思います。音楽ですから。


ぱーまん | 2009.10.16 Fri 01:05
パソコン様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> 批判というか、クレバに似ているという感想しか抱かないのも当たり前ですよね。
> この人らには興味が無いんですから。

申し訳ないですが、主語が分からないので、お答えしようがないです。仮に主語がパソコンさんだとしたら、もう一度本文を読まれてからコメントされることをお薦めします。私はクレバには似ていないと書いているのです。それなのに、"クレバに似ているという感想しか抱かないのも当たり前"と書かれても当惑するだけです。



ぱーまん様

こんばんは。
コメントありがとうございます。

> 「ありがちなリリック」などの彼らのラップへのモチベーションの低さが
> 彼らの「人気のある規定スタイルの模倣」に繋がってるんじゃないでしょうか?

いや、彼らがラップへのモチベーションが低いのかどうかは知りませんし、ラッパーとしてそんなことはないと信じたいです。ただ、ありがちなリリックに陥っている理由が、売れるためのヒップホップを知っているレコード会社によって、ある意味添削に近いことが行われているのではと邪推しているだけです。

>> 個人の感情や経験をラップするのがヒップホップの面白味
> リリックの内容以外にもそのラッパーのパーソナリティはでます。

おっしゃるとおりです。最初の私の文章をより厳密に書けば、私が日本語ラップに惹かれる一番大きな点はリリックだということです。洋楽のヒップホップに関しては異なっていて、ぱーまんも書かれているように、フロウだったり声質だったりと音として聴いて、それが気持ち良いかどうかで好きか嫌いかを判断しています。

> 誰かの模倣である時点で、表現者としての魅力が落ちるのは事実です。

模倣だろうとかまわないです。長年やっていて模倣の域を出ないのは問題ですが、最初は誰でも憧れの存在から多大な影響を受けるわけです。よくいわれているように、今のSEEDAのラップはLil Wayneから大きな影響を受けているわけですし、力作を発表したばかりの8th Wonderだって、数年前はTHA BLUE HERBの影響が大でした。

すみません。ぱーまんさんの後半の記述の意図がよく分からなかったので、いただいたコメントに正確にお答えできたのか不安が残ります。もし私が満足のいく返答をしていなかった場合、またコメントをいただければ幸いです。
gogonyanta | 2009.10.16 Fri 02:33
お返事どうもです。
確かに自分で読み直しても意味不明な文章だと思います。
すいません。以後気をつけます(;'・ω・)文才ないんで。。

まあ、簡単に言うと、「一聴して誰かの類似スタイルであるとわかった時点でその音楽には興味を示せなくなるリスナーというのは一定数
はいるし、それは音楽の聴き方としては悪ではない」ということです。
僕のヒルクライムに対する評価は「krevaに似ている」という立場から始まってるので、gogonyan氏のように「似てないと思う派」のリスナーとは始めから論議が成り立たない気もします。
「誰かの模倣から音楽スタイルは始まる」という意見は最もだと思います。ただ、それには限度があるとは思います。
ぱーまん | 2009.10.16 Fri 12:30
ぱーまん様

こんばんは。

> 一聴して誰かの類似スタイルであるとわかった時点でその音楽には興味を示せなくなる
> リスナーというのは一定数はいるし、それは音楽の聴き方としては悪ではない

ぱーまんさんがおっしゃることはもっともです。聴き方はひとそれぞれですし、良い悪いの問題ではないです。本人が楽しめればいいのだと思います。

次の文章からまた少し分からなくなるのですが、私たちは今このコメント欄を使って論議しているのでしょうか。

私はブログ記事で、ヒルクライムというデュオは一般的にはクレバのパクリだとかいわれているけれど、私にはそうは聞こえないし、そこを批判するよりもリリックやビートの薄さに問題があり、どうにも評価できないと書きました。

そこへ、ぱーまんさんが模倣がラップへの意欲の低下に繋がっているのではないかとご質問されたので、それは分からないが、私はこういう見解を持っているとお答えしました。

また、表現の模倣はアーティストの魅力の低下に繋がるとする指摘を述べられていたので、ぱーまんさんはそう思われるのかもしれませんが、私は別の考え方をしますと続けて書きました。

議論を吹っかけたつもりもありませんし、吹っかけられた覚えもないのですが。。。


でも、ぱーまんさんのコメントを読んでいてまた思ったことがあるので書かせてください。

クレバに似ているというご指摘は以前にも書きましたようによく見ます。でも、それってクレバをあなどっているようにしか思えないんですよね。

私個人としてはクレバというラッパーに愛憎入り交じるものがあるのですが、彼が積み重ねてきたラップの技術は容易に真似できるレベルのものではないですし、今の彼のリリックの緻密さとそれをビートに乗せたときの融合の様はずいぶんな次元にまで行っています。それなのに「春夏秋冬」のようなちゃちなリリックがクレバの作ったものだとするのはふざけるにも程があると思うのです。

長くなりましたので、これを最後にしますが、模倣であってもやり続ければいいのだと思います。もちろんファンがあっての話ですが、続けていればやがてオリジナルになるのです。最近倉木麻衣が10周年だとかでテレビによく出ていますが、宇多田ヒカルのバッタ物としてデビューした彼女がアルバムを出し続けて10年です。いつのまにか宇多田とは違う音楽性になりました。ZEEBRAがDMXのフロウを参考にして10年近くになりますが、今ではジブラは自分のものにしています。そういうものだと思いますけどね。模倣なら模倣で徹底的にやればいいのです。過剰さがエンターテイメントのひとつの華です。

ごめんなさい。だいぶ長くなってしまいました。

ではでは。
gogonyanta | 2009.10.17 Sat 01:59
ZEEBRAはDMXのフロウを参考にしてないんだってさー
暇があったらZEEBRAの自伝を読んでみて
sage | 2009.10.17 Sat 08:30
お返事どうもです>gogo氏

一個目の僕のコメントはちょっとキツイ物の言い方に
なってしまってしまい、悪かったと思います。
別に喧嘩を吹っかけたとかではないので、ご了承を。

>このコメント欄は議論をしてるんでしょうか?
音楽や書籍などの作品を感想だったり評価だったり(gogo氏のブログの趣旨は感想らしいですが)する文章にはそれに対するカウンター(同意や反対)があって当然だと思いますし、コメント欄を設ける以上は個人の価値観のぶつかりあいがあるのは普通だと思います。
しかし、それは喧嘩とはちがいますし、gogo氏が議論をしてないと思うなら、それでいいと思います。
ただ、今までのこのブログのコメント欄を見ても議論のように見える流れはありますし、別にそれでいいんじゃないかと思います。

(・ω・)ノ では。
ぱーまん | 2009.10.17 Sat 11:10
sage様

こんばんは。
ご指摘ありがとうございます。

ZEEBRAの自叙伝は未読なので詳しいことは書けませんが、私は書かれたことをそのまま信じるほど素直ではないですね。

ただ、ジブラのラップが、というよりも声質が変わったのはソロでのファーストアルバム以降ですが、ちょうどさんピン勢以外からもラップが盛り上がり始めていて、そういったポップなラップではなく、ヒップホップとはもっとハーコーな世界観を持つ文化・音楽ジャンルだと知らしめたいがゆえに、強面な部分を強く押し出そうとした結果、あのラップに行き着いたのかなとは思います。その際に、向こうのラップをチェックしているだろう彼がDMXを聴かなかったはずがないわけです。



ぱーまん様

こんばんは。
どうもです。

最初のコメントにしろ、次のにしろ、決してきつい書き方ではないです。ただ、私が理解できていないだけです。それと、読み直したら1箇所敬称略になっているところがありました。失礼しました。

> > このコメント欄は議論をしてるんでしょうか?

私の文章を引用されていますが、具体的には、

> 私たちは今このコメント欄を使って論議しているのでしょうか。

と書きました。当ブログは人によってはレビュー/批評だとする人もいますが、私の知るレビュー/批評とは幾分かけ離れた書き方をしているので、"感想"としています。その私が書いたことに対して、異なる見解があるのは当然ですし、それを書いてくださるのはとても嬉しいです。私自身が勉強になるからです。ぱーまんさんが書かれた言葉を使えば、"価値観のぶつかりあい"は非常に面白いものです。これはブログ全体の話です。

翻って、上で私がぱーまんさんにお尋ねしたのは、私とぱーまんさんのふたりが今現在この記事のコメント欄を使って議論をしているのでしょうか、ということです。決して当ブログ全体のコメント欄についてを言及しているわけではないのです。

この記事以外のコメント欄では、"議論のように見える"ではなく、はっきり議論がなされたときもありました。大変有意義なものでした。

最後に、議論はある種の喧嘩だと思います。もちろん非暴力ですし、着地点を考えながら行うものですけど、意識としては相手をいい負かしてやろうとしているわけです。
gogonyanta | 2009.10.18 Sun 03:06
こんにちは、初めてコメントさせていただきます。1年前に偶然gogonyantaさんのブログを見つけ、それ以来ずっと読ませてもらってます。

僕は日本のヒップホップが好きです。gogonyantaさんが新しいものから古いものまで幅広く、濃く、感想を書いてくださるので、記事の内容がいつも本当に面白いです。

特に共感できた記事はスチャダラパーの『5WHEEL2theCOACH』です。僕もスチャダラパー大好きでこのアルバム持ってます。

これからも読ませていただきます、更新頑張ってください。

それでは失礼します。
むらまさ@大学生 | 2009.10.19 Mon 04:35
>gogo氏

始めに言えばよかったんですが、僕は議論を吹っ掛けたつもりです。
このブログのコメント欄にgogo氏の返事がつくのを知ってるので、
慣れというか、厚かましく自分の意見を言ってしまいました。

>ZEEBRAの自伝ではフローを真似てないと書いているが、自分はそう思わない

自分もこのZEEBRAの言葉は丸呑みできないです。
彼のラップ音楽性は、その時代の現行U.S HIPHOPを直輸入するスタイルなので
彼が駆け出しのDMXを知らなかったとは思えないし
はっきり真似るという意思がなかったとしても、
自然にインスパイアされた可能性もありますしね。

ただ、本人が真似てない!って言ってるなら、それでいいんだと思います。
何分、ZEEBRAという日本語ラッパーに興味がないもので。
というか、僕はZEEBRAの自伝を持ってるんですが、彼に興味があるから
買ったというより、視野に入るけど直視するほどでもないくらいの
わずかな興味があったため(実は興味本位って言葉はこうゆう意味なんですかね?)
買いましたが、本を読んではっきりと興味を失いました。
これは蛇足ですが。
(;´ω`)
では。
ぱーまん | 2009.10.19 Mon 16:27
むらまさ@大学生様

こんばんは。
はじめまして。

身に余る誉め言葉に何だかもう穴があったら入りたいくらいですが、でもありがとうございます。むらまさ@大学生さんのコメントの前後にあるぱーまんさんとのやりとりをご覧いただければ分かりやすいと思いますが、当ブログ記事への異論反論は大歓迎ですので、もし私はこう聴くというようなのがありましたら遠慮なくコメントをください。よろしくお願いします。

> 共感できた記事はスチャダラパーの『5WHEEL2theCOACH』です。

や、今の記事もそうですけど、昔の記事の文章は今以上に拙くて恥ずかしいですね。でもいいアルバムですよね。

これからもよろしくお願いします。



ぱーまん様

こんばんは。

> 僕は議論を吹っ掛けたつもりです。

そうだったのですか。それは悪いことをしました。私は全くぱーまんさんのご意見をくみ取っていなかったわけですね。失礼しました。ご自分の見解を述べるのはこのブログでは、少しも"厚かましく"ことではありません。ただ、まずご自分の考えをまとめ、それから私の文章のどこが違うと思うのか、見解と反するのか、それらを具体的に書いて下さり、私はこう思いますという文章と共にコメントされれば、私も答えようがあると思います。

コメントのキャッチボールを通して、見解をまとめていくというのはちょっと違う気がします。


> 彼が駆け出しのDMXを知らなかったとは思えない

そうですね。1991年の段階で、すでにソースマガジンのコラム「Unsigned Hype」で取り上げられ、翌92年にはシングルデビューしているわけです。ヒットとはいかなかったようですが、94年にはJay-ZやJa Ruleと共にMic Geranimoの「Time To Build」に参加したり、97年にもLL Cool Jの「4, 3, 2, 1」にMethod ManやRedman、Canibus、Master Pと共にマイクリレーをしていて、それなりに注目されている存在だったのでしょう。

最初の頃は英詩でラップをしていたジブラが一度も聴かなかったということはないでしょうね。
gogonyanta | 2009.10.20 Tue 01:18
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