すばらしくてNICE CHOICE

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RUMI『HELL me Tight』

2006年3月10日リリースのファーストアルバム(再発盤)。もともとは2004年6月28日リリース。

震え声のRUMIのラップは実に特徴的だ。時々YASURIのラップのようにも聞こえるのだけど、言葉の選択やその視点の独特さで比較にならない。本作にはその声で吐かれる呪詛や悪態、憤り、そして祈りで満たされている。彼女が抱え込んだ苛立ちは、女性の視点でラップされるM13「Beautiful Life」を抜かすと、ほとんどがヒップホップ/ラップに向けられたものだ。彼女は自身の現状について極めて自覚的である。だからこそ取り囲む壁に向けて放たれる言葉は的確であり、辛辣さは途方もない。時に身内にまでその鋭利な牙が及ぶ。かつての盟友・般若と同じ立ち位置なのが面白い。

彼女が現状のヒップホップに対して怒りを隠さないのは、ヒップホップが全ての感情を言葉にする音楽であるからなのはもちろんなのだけど、第一にこの音楽ジャンル・文化が好きだからだろう。同じようにヒップホップに惚れ込みながら、今の日本語ラップに不満を抱え、悪態を付けまくるラッパーにキリコがいる。本作を聴いていると、ふたりがキリコのセカンドアルバム『BLAST』で共演したのは必然だったのだなと納得する。

ヒップホップという何を入れてもいい、使い勝手の良い器がありながらも、ヒップホップとはこういうものだという線引きを課すことで、相容れない表現を迫害し、自らつまらないものしてしまったラッパーたちとは違い、本作でのRUMIはヒップホップに自由さを取り戻している。オリジナル盤のリリースが2004年ということは降神が出てきたときとも重なる。ひと口にアングラとまとめてしまうのは問題かもしれないが、この頃の流れが日本のヒップホップの主流になれば、今頃はどんなに魅力溢れるジャンルに育ったことだろうかという無意味な夢想に駆られてしまう。

個人が抱える気持ちを言葉にするのがラップであり、率直な表現で語られるべきものなのかもしれないが、降神にしろRUMIにしろ、そこに詩的な表現を加えることを忘れなかった。分かりやすさだけではない、美しくも残酷な言葉があった。言葉のアートフォームであることを理解していた。色んな形のヒップホップがあっていいし、彼らの影響を引き継ぎ、言葉を巧みに扱うラッパーもいるにはいるけれど、やはり・・・と思ってしまう気持ちはどうしようもない。
2009.11.18 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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