すばらしくてNICE CHOICE

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MIHIRO ~マイロ~『My Way』

2009年11月25日リリースのファーストアルバム。

内容に踏み込む前に誰もが書くだろうマクラを私にもやらせて欲しい。日本で暮らす成人男性なら"MIHIRO"と綴られれば、たいていの人は"みひろ"と読んでしまうだろう。ついに彼女もアルバムを出したのかと。ジャンルはR&B。そういえば、田舎ラッパーの映画『SR サイタマノラッパー』に出ていたし、繋がるなぁとか何とか。が、記事の題名を見てもらえれば分かるように、"マイロ"と読む。わざわざ注釈を付けないと分かってもらえないことを彼自身も知っていながらのこの命名。彼のホームページにその説明がある。"命名したのは、U.S R&Bシーンを代表する超大物ヒットメーカー"Teddy Riley"であり、本名の「HIRO」に「My Hero」をかけた唯一無二のプロジェクト名だ"。ああ、誰かが教えてあげれば、こんなことにならずに済んだのに。いちいち"~マイロ~"なんて書くなら、ついでに"命名したのは"のくだりも追加しちゃえばいいのにと思ったり思わなかったり。


ネタに行数が食われてしまったので、後は軽く。というわけで、F.O.HのHIROのソロプロジェクトとなる本作は、さすがに名付け親のTeddy Rileyも責任を感じたのか、大金を積まれたのか、2曲をプロデュース。そのうちのM3「OOH GIRL」では、自身のグループBlackstreetで曲に参加もしている。ただ、彼が制作したもう一方のM7「My Way feat. Mummy-D & ZEEBRA」で、偉人とされるふたりが使い古しの言葉とフロウで明らかに手抜きが伺えるのと同程度の活躍しかしていないのだけど。

日本のR&B制作陣の中ではかなり刺激的な音を作るUTAがインタールードも含めて4曲で参加している。そのためか、本作を簡単に表現するには、今アメリカではやっている音とボーカルスタイルそのまんまな作品と書けば、それで十分伝わる。私の同居人がこれを聴いたら、サムズアップした親指を胸に向け、"ハートがない"で終わりなはず。もっと分かりやすく書けば、EXILEのボーカルに少しも心が動かされないのと同じだ。

聴かなくても何ら問題のない本作ではあるのだけど、ちょっとだけ気になる点があるとすれば、少年隊が1987年に大ヒットさせた「君だけに」をカバーしていることだ。オリジナルは3人の指ぱっちんで始まる曲で、私にとっては修学旅行の食後の余興に歌ったことがあるので思い出深い。調べてみたら筒美京平作曲。いいメロディのはずだわ。アイドルたちが歌っていたバラードがものの見事にR&Bとして生まれ変わっていて、マイロは下手ではないし、技術もあるんだろうなと思わせてくれるのだけど、でもこの曲は下手なりにも少年隊が歌った方がどうしてだかはまるという結論に落ち着くのは、やっぱり彼の歌声には聴く者の胸に訴えかけてくる迫力がないからだろう。

もうひとつカバー曲が収録されていて、最後のM11でピチカート・ファイヴの「これは恋ではない」を歌っている。1988年の彼らのアルバム『Bellissima!』収録のオリジナル版だ。プロデューサーはRHYMESTERの宇多丸。アルバムの中で唯一の生音曲なのだけど、原曲と比較してしまうと騒がしいアレンジで歌が埋没している。M10「Happy Birthday To You」でしんみりと終わればいいものを、最後に無駄に賑やかしにかかった印象なのも残念で、アルバムはしょぼいまま幕を閉じる。

M11の物足りなさはそのアレンジではなく、宇多丸が制作に参加しているのだから、1990年リリースの『月面軟着陸』に収められたバージョンのカバーにすればいいのにということだ。

ピチカート・ファイヴ 「これは恋ではない feat. 奥田民生」(1990)

『月面軟着陸』は1995年と2004年に再発盤が出されたが、この曲はそのどちらからも外されている。当時の奥田民生は、「大迷惑」をヒットさせ、アルバム『服部』をリリースした後ぐらい。


UTAが4曲に、Teddy Rileyが2曲、他にもラッパーが客演としてふたり加わっているわけで、それなりにお金がかかっていそうなのに、オリコンアルバムチャートで初登場79位、初動枚数2219枚。他人事ながら大丈夫なのだろうかと心配してしまう。
2009.12.01 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(5) | trackbacks(0)
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2017.09.06 Wednesday 23:59 | - | - | -
コメント
HIROソロプロジェクト思った以上に売れてないんですね。
国内で男性R&Bコーラスグループやってることに衝撃を受けて
過去にオフィシャルファンクラブにまで入ってF.O.Hの事を応援しまくっていた身としては複雑です。
通りすがり子 | 2009.12.07 Mon 18:15
HIROの声というのは「上手いけどヘタ」という評価に尽きるかと思います。
常に及第点に値する「うた」であるのに、喉の浅いところから出したような(これは私独自の感覚でしょうか)説得力に欠ける「声」が良い点を殺している感じです。

声圧やパンチあるボーカルが生命線であるR&Bミュージックにおいて、HIROは致命的なものを欠いていると感じます・・・EXILEはもっと薄っぺらな印象ですが。

突然ぶしつけな質問で恐縮ですが、gogonyantaさんが現時点で最も愛聴されている、または好/高評価を与えた「日本のR&B」(というジャンルはあるのか不明ですが)アルバムはなんでしょうか?
尻Ass | 2009.12.10 Thu 20:56
通りすがり子様

こんばんは。
コメントありがとうございます。
お返事が遅れましてすみません。

チャートの数字は初動ですし、発売直後に一気に売れるタイプとジワジワ売れていく人といった具合に、アーティストによって動きは異なると思います。彼の場合は宣伝もあまり打たれていないように思いますし、これからなのではないでしょうか。



尻Ass様

こんばんは。
いつもありがとうございます。

> HIROの声というのは「上手いけどヘタ」という評価に尽きるかと思います。

いい得て妙ですね。"喉の浅いところからだしたような"というのもすごくよく分かります。ガツンと来ないんですよね。もちろん色々なタイプがいてもいいのですが、R&Bにおいてはただ歌がうまいだけでは足りないと私も思います。

EXILEについては、"無理にR&Bを抱えなくても、日本人として伝えなくちゃいけないことがたくさんあると気付いたんだ"、とハゲの方が語ったらしいです。ウィキペディア情報ですが。それを読んで以来あれはポップミュージックと考えれば、まあ許せるというか、以前ほど気にならなくなりましたね。

> 現時点で最も愛聴されている、または好/高評価を与えた「日本のR&B」

1年前の記事ですが、「2008年ベストアルバム」と銘打った記事で、日本のR&Bの5枚を挙げてみました。だいぶ下の方ですけど。
http://gogonyanta.jugem.jp/?eid=2552

そこでも挙げたJAMOSAやSATOMI'、加藤ミリヤは今年出たアルバムも良かったです。特にJAMOSAが好きですね。男性歌手だと三浦大知の新作が思いの外良かったです。JAY'EDもシングルでは文句を付けていたのですが、アルバムは楽しんで聴けました。マイナーどころは聴いてないので、よく分からないです。すみません。
gogonyanta | 2009.12.12 Sat 02:02
「上手いけどヘタ」とよく言えたモノですね。ライブ等きっと見た事ないんでしょうね。

実際ヒロの声、テクニックはすごいですよ。喉の浅い所?どころかその辺のメジャーシンガーでは何年かかってもまず追いつけないでしょう。

欠けている所を挙げるとするならターゲット層だったり、音楽シーンによるモノだと思います。日本では万人に受け入れられない音楽性や歌唱性なのでしょう。かといって外国で通用するってモノでもなさそうなのでその辺はなんとも言えませんが、歌唱力をかれこれ言う程欠けているモノはないと思いますよ。



ただマイロ(みひろ)って名前は絶対おかしいですけどね。
トルネード投下 | 2009.12.24 Thu 10:13
トルネード投下様

こんばんは。
こちらにもありがとうございます。

> 実際ヒロの声、テクニックはすごいですよ。喉の浅い所?どころか
> その辺のメジャーシンガーでは何年かかってもまず追いつけないでしょう。

だからこそ、"上手いけどヘタ"なんですよ。テクニックがあっても聴き手に訴えかけるところがないわけです。

それとライブはすごいけど、音源でそれが伝わらなければ意味ないですよね。私も好きなアーティストでライブは楽しめるのに、どうして作品だとその楽しさを封じ込められないのだろうと
思うことは往々にしてありますから、トルネード投下さんがおっしゃりたいことも分かりますけど、でも作品を出しているからには、それだけで評価されるわけですから。
gogonyanta | 2009.12.27 Sun 13:40
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