すばらしくてNICE CHOICE

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ラブリーボーン / The Lovely Bones

94点/100点満点中

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのピーター・ジャクソン監督最新作。2010年公開作品。

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幸せな日々を送っていた14歳の少女、スージー・サーモン。憧れの上級生とデートの約束をした日の下校時、彼女は近所の男に殺されてしまう。自分が死んだことに気づかなかったスージーだが、やがて天国の入り口に辿り着く。犯人は警察の捜査を切り抜け、平然と日常生活を送り、かたや愛娘を失った家族はバラバラになっていく。スージーは天国と現世の間で家族を見守るのだが・・・。
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1990年代中盤に英国でOasisやBlurらが牽引したブリットポップと呼ばれるバンドブームがあった。いくつものバンドがデビューしてはシングルヒットと1枚きりのアルバムを残して消えていった。そんなバンドのひとつにEchobellyというグループがいて、最初に飛ばしたヒット曲が「I Can't Imagine The World Without Me」だった。ソニアというインド移民の血を引くエキゾチックな顔立ちのボーカルは、キックボクサー経験者のスリムな体を弾けさせるようにして、"自分がいない世界なんて想像もできないわ"と傲慢にもキュートに歌ってみせた。今でも好きな曲だし、その力強い自己肯定にまだ若かった私はすごく影響を受けた。
(きれいではないけどPV⇒ http://www.youtube.com/watch?v=pM4U7oZezzc )

映画と関係ない音楽の話で始まったのは、この作品が今でも私の心の奥底に留まっているちょっとした思想を少しばかり揺るがしたからだ。つまり、本作が"私は私のいない世界を受け入れられる"という物語だったからだ。

あまり好きな言葉ではないし、使いたくもないが、簡単にいえば"癒し"の物語となる。愛し愛され強く結びついていた関係だったがゆえに、一方がいなくなったときの途方もない喪失感の大きさに、残された方だけではなく死んだ方も新たな一歩を踏み出せないでいる。

残された側の父親役にマーク・ウォールバーグ。抑えた演技が良かった。母親はレイチェル・ワイズが演じた。健気に生きようとする妹のリンジー、それと弟。家族それぞれのもがきが順繰りに描かれていくのだけど、その焦点の変わり方がすごく自然なのも良かった。

家族の受け入れの物語を繋ぐのが、輝く季節が始まる直前の14歳にして殺されてしまった主人公スージーだ。彼女を演じるシアーシャ・ローナンの演技にも魅了される。魅力的な笑顔に早死にしなければならなかったやるせなさが伝わってくる。十代の女の子が主人公ということもあってか、ピーター・ジャクソン監督の『乙女の祈り』に近い印象だ。あまり理解できたとはいいがたい作品だったが、箸が転がっただけで笑い転げるティーネイジャーの女の子を撮らせたらそのへんの女性監督よりもうまい。

スージーが留まる天国の一歩手前の状景描写も面白かった。『Dr. パルナサスの鏡』でも思ったが、イマジネーションに飛んだ監督にとってCG表現の使い勝手が飛躍的によくなった印象だ。あまり違和感なく見ていられる。それと、音楽。エンドロールを見て驚いたのだけど、Brian Enoが担当していた。

最後の因果応報は蛇足だったかなとも思う。遺族にとっては遺体が見つかったり犯人が処罰されたりする方が納得できるのかもしれないが、少なくともサーモン一家に必要だったのはそれではなく、新しい踏み出しだったわけで、そこを繊細にして死後の世界という大胆な表現を用いて描かれたわけで、なくても良かったのかも。
2010.03.01 Monday 23:57 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:57 | - | - | -
コメント
ピーター・ジャクソンはこの作品よりも制作を担当した「第9地区」が4月に公開されるので、そっちに期待しています。
サルマン | 2010.03.16 Tue 09:13
サルマン様

こちらにもありがとうございます。
『第9地区』は楽しみですよね。4月は楽しみにしていた作品が結構公開されるので嬉しいです。
gogonyanta | 2010.03.16 Tue 12:12
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