すばらしくてNICE CHOICE

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空気人形

57点/100点満点中

是枝裕和監督最新作。2009年公開作品。

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川沿いの古びたアパートで暮らす冴えない中年男・秀雄。彼が毎夜優しく語りかけるのはダッチワイフ"のぞみ"だった。ある朝、のぞみは心を持ってしまう。秀雄が仕事に出かける昼間に彼女は近所を歩き回るようになる。やがてレンタルビデオの店員・純一に一目惚れし、その店でアルバイトをするようになるのだが・・・。
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是枝裕和監督といえば、2004年の『誰も知らない』。主演の柳楽優弥がカンヌ映画祭で男優賞を受賞した作品なのだけど、内容の悲惨さに途中までしか見られなかった映画だった。でも今作はあの作品のような痛みを覚える内容ではなくゆるいファンタジーで最後まで見られた。

題名の"空気人形"とはダッチワイフのこと。同種の用途でラブドールと呼ばれるものもある。それも"ダッチワイフの一種"ではあるのだけど、"ボディが高価なシリコーンなどで作られているものを指す"ようだ。劇中では5000円いくらで買った安物の大量生産品とある。

昔でいうところの南極2号がある日感情を持ってしまう。レンタルビデオ店でのアルバイトを通してのぞみは知識や感情をゆっくり覚えていく。その辺りの設定はとてもゆるいのだけど、でもそこが問題になる作品ではない。コケティッシュな彼女に魅了されていればいいのだろう。

へそのところにある空気口に息を吹き込むことで体を保つ彼女は、自身と同じと親近感を覚えるのか空き瓶を集めていく。また息を吹きかけることは生を吹き込むことと同じ行為であり、彼女はタンポポの綿毛に息を吹きかけ新しい生命を飛び立たせる。

のぞみの発見に満ちた日々を通して、人が忙しさにかまけて忘れている感情を呼び覚ますのかどうかは見ている人次第だろうが、いくつもの象徴的な映像を繋げていく。また同時に、隅田川沿いに立ち並ぶ高層マンションに見下ろされる、開発から取り残された木造家屋が並ぶ一画(月島辺りなのかな)で、生活に追われ悲しみをひとりで抱え込む人々の暮らしを切り取る。

私にとって、最後に演出される"美しい景色"が、『アメリカン・ビューティー』の劇中で美しいとされるゴミ袋が風に舞う動画と同じだったことに集約されるように、感性の違いが大きすぎた。本作を面白いか面白くないのか二択で答えろと問われれば、つまらないと即答だ。

良かったのは寂しい中年・秀雄を巧みに演じた板尾創路が思いの外うまかったこと。驚いたのは、『リンダ リンダ リンダ』にも出ていたのぞみ役のペ・ドゥナが1979年10月生まれの現在30歳ということ。それと評価を一気に下げたのが星野真里の扱い。あれだけってどういうこと?
2010.03.19 Friday 23:58 | 映画 | comments(3) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
コメント
手塚治虫作品で「やけっぱちのマリア」(多分)というダッチワイフが人格をもつ僕の大好きなマンガがありますがそのマンガと関係ある作品でしょうか?
yamamox | 2010.03.27 Sat 19:05
yamamox様

どうもどうも。
本作の原作は『自虐の詩』の業田良家が「ビックコミックオリジナル」で連載していた『ゴーダ哲学堂 空気人形』です。未読ですけど。手塚作品との関連性は分からないです。ごめんなさい。
gogonyanta | 2010.03.29 Mon 12:30
ありがとうございます。僕もコメント書いてから調べました。自虐のウタも好きというには重い大好きなマンガです。こっちも映像化されてましたね。
yamamox | 2010.03.29 Mon 22:38
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