すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
08 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
<< マッドマックス2 / Mad Max 2 | main | ナンバー23 / The Number 23 >>
Diggy-MO'『Diggyism II』

2010年7月7日リリースのセカンドアルバム。
/5点中

ヒップホップグループSOUL'd OUTの異色ラッパーDiggy-MO'がソロとしては初めて発表したアルバム『Diggyism』』からわずか1年4ヶ月での新作。

序盤の2曲──M1「STAY BEAUTIFUL」とM2「ONE VOW」がド派手なシンセを利かしたベタなポップスで、この調子で最後までポップスアルバムになるのかなと思いきや、M3「ビヨルン」辺りから、意味不明な英語混じりの高速ラップに、突き抜けた歌ものフックという彼らしい本来のスタイルに戻り、ホーンが鳴り響くジャジーな路線、ある意味でここ数年のRIP SLYMEにも近い音のごった煮、またはサイケデリックというよりも、もっとたちの悪いケミカルできまってしまったような楽曲が並ぶ。

ディギー主義とのタイトル通りに、聴き手を置いてけぼりにしても構わないぐらいの勢いで独自の音に突き進むのはM8「ToMiTaMi ToMiTaMo」から。歌詞カードがあってももはや何をラップしてるのかさっぱり理解できない。だけど、スタッカートの利いたフロウは耳に心地良く、ここでも導入されているホーンは小粋にスウィングし、何だかよく分からないけれど、これってすごい楽しい曲じゃないという仕上がりになっているのは驚き。続くM9「バンビ」はプリンスばりのファルセットに悩殺される。ロックテイストのファンク仕上げも良い。この2曲が本作のピーク。

ひと工夫はあるもののミクスチャーロックね、で片付けてしまえる曲に、唯一の客演ラッパーを交えたディギーMO'にとってはオーソドックススタイルの曲で小休止を挟んだ後は、普通のラッパーはまず足を踏み入れない獣道を突き進む。

ミュージカル映画『NINE』を見て感銘を覚えたのか、フルバンドを従えてのM12「Wardrobe #6」。M13「DEAD MAN MARCH」は何だろう。マーチとは曲名にあるけれど、とても行進曲とは思えないほどリズムも音もいじりすぎている。笑うしかない。この曲も本作のハイライトのひとつ。曲間に入る笑い声が、お前この曲を理解できるかと嘲笑っているようでむかっ腹が立つが、この曲にラップを乗せようと思うのは確かにディギーMO'だけかも。M14「Drifting Away」もまた他ジャンルをただ引用するだけではなく、さらに他の音を混ぜ合わせることで彼ならではの音を鳴らしている。

そうまでして前人未踏の地を歩いていたのに、最後の最後になってしれっとした顔で歌ものの曲で大団円させるのが小憎たらしい。

低音が軽いとか、ラップの内容にはもう踏み込む気すらおきないとか、不満は確かにあるものの、ディギーMO'だからやれるというトラックやラップではあるわけで、メジャーでこれだけ勝手ができるのもすごいと思うし、とことんやって下さいと思うのみ。
2010.07.27 Tuesday 23:59 | 音楽 | comments(4) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
2019.08.20 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
ビミョーそうですね。

ディギーを買うか、4WDの新作を買うか悩んでたんですが…鋼田テフロン.a.k.a.BACH LOGICの歌声が好評らしいので4WDにしやす。


キリコもアルバム出るみたいっすね。タイトルからして賛否分かれそうですが…なんだかんだ今年も日本語ラップは豊作っす。
アンディ河豚 | 2010.08.03 Tue 22:15
アンディ河豚様

こんばんは。
いつもありがとうございます。

> ビミョーそうですね。

もともとのファンなら楽しめそうですけど、いわゆる日本語ラップファンが聴くにはちょっと異質すぎる音かもしれませんね。中盤の曲はなかなかでしたけど。

> 4WDの新作

評判いいですよね。

> キリコもアルバム出るみたいっすね。タイトルからして賛否分かれそうですが

9月でしたっけ。アルバムのジャケがなかなか男前に写っていて、嘘つくなって感じですけど、楽しみです。

8月はSEEDAに、呂布カルマ、コペル、明日リリースのMITSU THE BEATSと盛り沢山ですね。あと、先週出たQNも良さそうですよ!
gogonyanta | 2010.08.04 Wed 00:16
いろいろ検索していたら、ここへ辿りつきました。

僕はSOUL'd OUT, Diggy-MO'の大ファン(信者だといってもいい…。)
なので客観的に見れませんし、音楽的な知識も全くないので…。
ジャンルもかなり広くきいていて、音楽に精通しているgogonyantaさんの、
いち音楽ファンとしての、その一歩引いた意見や感想がとても新鮮で面白かったです。
(いつもファンとアンチのちょっと偏った感想くらいしかみつけられないので)

Diggyさんのリリックに関していえば、音楽雑誌やWebなどのインタビュー等で
補完しないと理解できる部分はかなり難しいと思います。
僕は見てもわかんないことも多いです。
Diggyという人間をちょっとでも知ると、だいぶ見方も変わるとも思います。

あと、
SOUL'd OUTも今年の11月に復活するので、SOUL'd OUTのほかのアルバムの感想も聞いてみたいです。1stアルバムとかFlip Side Collectionとか見てみたいですね。

バカげたコメントで失礼しました。
ペル | 2010.10.06 Wed 21:10
ペル様

こんばんは。
はじめまして。
せっかく長いコメントを頂いたのに、お返事が遅くなってしまい、申し訳ないです。

> Diggyさんのリリックに関していえば、音楽雑誌やWebなどのインタビュー等で
> 補完しないと理解できる部分はかなり難しい

そういうリリックがラッパーとしてどうなのかという部分は確かにあるのですが、彼はちょっと過小評価されてしまっているラッパーのひとりだと思いますね。ビートへの言葉の乗せ方、ポップへ一気に昇華させる歌の強さなどずば抜けて高い能力を持っていると思います。

SOUL'd OUTの復活、楽しみです。
gogonyanta | 2010.12.04 Sat 21:54
コメントする











この記事のトラックバックURL
http://gogonyanta.jugem.jp/trackback/3323
トラックバック
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中