92点/100点満点中
前作『
トイ・ストーリー』から4年ぶりとなる1999年の続篇フルCGアニメ。監督は同じくジョン・ラセター。製作費9000万ドル。
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カウボーイ人形ウッディはおもちゃ屋を経営するアルにさらわれてしまう。ウッディのビンテージ品としての価値を知っていた彼は、日本人の世界的おもちゃコレクターに売り付けようとする。バズたちアンディのおもちゃ仲間は、ウッディを助けるべく、アンディの部屋を飛び出す。
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1作目から続けて見たのでCG技術が格段に上がったのが如実だ。
前作の最後にクリスマスプレゼントとしてアンディがもらった犬のバスターには、シドの飼い犬スカッドとは段違いのリアリティがある。おもちゃたちもさらに生き生きとし出した。
前作でもずば抜けていた脚本は本作でも同様で、ピクサーらしい良質な物語を紡ぐ。アクション要素が増加した印象なのも高評価に繋がった。
このシリーズの肝となる友情の大切さは主題歌を聴くまでもなく随所にメッセージとなって表れている。しかし、そこに嫌みがないのがピクサーの巧さだ。
前作とは反対に今回はバズがウッディを助ける側に回る。
一方でそのウッディは人気キャラクターとして一世風靡した過去が明らかとなる。また、「アルのトイバーン」の経営者アルの部屋で出会ったカウガール人形ジェシーの口から、おもちゃを大切にしていた子供も成長するにつれて、それまで楽しく遊んでいたおもちゃを見向きもしなくなり、やがて捨てられるのだという現実を突きつけられる。ビンテージの価値あるおもちゃとして博物館に飾られ、みんなのおもちゃとなるのか、それとも残酷な時間の流れと向き合う時がやがて来るのかもしれないけれど、今はアンディのおもちゃとして彼の傍らで生きるのか、ウッディは悩む。
冒頭の『スター・ウォーズ』のパロディがバズとその強敵ザーグの関係に重なることや、それがそのままウッディとかつてのカウボーイ人形劇の仲間プロスペクターにもある意味で重ねることができるのは面白かった。それと、緑のエイリアンの再登場も嬉しい。ウィキペディアによれば、他の作品の宣伝で来日したピクサースタッフが同キャラクターの日本での人気の高さを知り、出番を増やしたとか。
今回の悪役であるアルはおもちゃマニアであり、アンディの人形を強引に奪い取ったことは確かに褒められた行為ではないものの、様々な食玩フィギュアやおもちゃで飾られている自分の部屋を見渡すに、それほどの悪ではないのかなとは思ってしまう。でも箱から出しもせずに飾ることは、マニアとしては当然の楽しみ方なのかもしれないが、本来的には子供のためのおもちゃであり、子供が手に取って遊んでこそおもちゃに価値が生まれるというのはよく分かる話だ。