すばらしくてNICE CHOICE

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Fragment『vital signs』

2010年11月17日リリースのセカンドアルバム。
/5点中

1.[inst]
2.feat. 環ROY
3.feat. YAMANE & ELOQ
4.[inst]
5.feat. S.L.A.C.K.
6.[inst]
7.feat. MIDICRONICA
8.feat. キリコ & DOTAMA
9.[inst]
10.feat. オロカモノポテチ
11.feat. 空也MC
12.feat. 神門
13.[inst]


異色ラッパー・キリコの作品を出しているインディーズレーベル「術の穴」を主宰するFragment。ふたりのトラックメイカー、kussyとdeiiによるユニットだ。彼らは前記事のDJ OLDFASHIONと同じくキリコの諸作で強い印象を残すトラックを提供していたが、環ロイと組んだ3年前の『MAD POP』で一躍その名前を轟かした。今ではフラグメントの名前がクレジットされているだけで、その作品への期待が高くなる。

音がつんのめりながら疾走し、ラッパーの背中をかなり強い調子でどやしつけながら、隙あらば主役の座を奪おうとうかがう狂暴なビートが持ち味だ。90年代の東海岸黄金期をいつまでも引きずっているヒップホップも好きだけど、今この時のクラブミュージックを消化し、ヒップホップビートとして吐き出す彼らの音は頭と体にものすごい威力の渇を入れてくれる。

音と同様に客演ラッパーたちもひと癖ふた癖ある。キリコや環ロイ、ドタマ、空也MC、オロカモノポテチといった普段から近しいラッパーから、旬のスラック、LOW HIGH WHO?からはヤマネとイーロックといった無料ダウンロード作品で頭角を顕し始めた人たち、ラップ曲としてはトリとなる神門にはそこに座るだけの風格のようなものを感じる。

その中でも最も良かったのはM7「lycanthropy」のミディクロニカ。この布陣ではベテランの域に近いものがあるが、錯綜するデジタルビートの波の上で意味性など無視して遊ぶことに長けている。ちょっと無理な話かもしれないが、RIP SLYMEがこのビートと戯れたらどうなるのだろう。かなり相性が良さそうだ。

環ロイのM2「Space Rock」は『MAD POP』時のアウトテイクといわれても違和感なし。フラグメントのビートに乗る所作を知ってる人間のラップであり、別の見方をすれば意外性に欠ける。共に声にエフェクトを掛けたヤマネとイーロックのふたりは言葉の配置も弄ってそう。これまた意味なんて掴めないのだけど、面白いと思えるから嫌になる。自分でも作りそうなトラックに乗りながらも、本領発揮はやはり自作ビートだろうと思わせるのはスラックのM5「先へ」。

M8「優しいおとな」は俗にキモイとくくられる、キリコとドタマが手に手を取り合ってしまった曲で、歌メロディを大胆に取り入れたオロカモノポテチのM10「TBP」といい、初めて聴く空也MC(M11「心臓の使い方」)といい、過度な激情型文系ラップを好むというフラグメントの趣味は一貫している。オロカモノポテチは相変わらずフリースタイルでの良さが曲に反映されない。

激情型文系ラップの真打ちといえば、神門。M12「母ちゃん」では曲名通りに母への想いをラップする。自分の言葉で綴り、なおかつ語意以上の意味や感情を込められるフロウはすでに名人芸に近い。しかし、その水っぽさに辟易させられるのも事実。武器となる部分はとことんまで尖らせた方がいいわけで、神門はこれからもこういったラップで攻めるだろうし、それはとても正しいのだけど、私の趣味とは逸れていく。

聴いていてハッとなるラップはミディクロニカだけだが、トラックはどれも良い。特にインストは音の切り貼りがより先鋭化し刺激的だ。M9「bluff dance」の凶暴性のように端からラップを乗せることを前提とせず、単純に音の面白さを追求したインストはどれも素敵だ。

最後に、なのるなもないがラップをするはずだったというM4「ゆらめきポラロイド」は残念だ。静謐と性急が同居する題名通りに揺らめいた音の上に乗る彼のラップを聴きたかった。



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2005.10.05 1st AL『walking in the soul』
2008.05.17 【環ROY×fragment】miniALMAD POP
2010.09.08 1st SG『condense E.P.』
2010.11.17 2nd AL『vital signs』
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2011.01.26 Wednesday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:59 | - | - | -
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