すばらしくてNICE CHOICE

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親切なクムジャさん / 친절한 금자씨

76点/100点満点中

2002年の『復讐者に憐れみを』、第57回カンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリを受賞した2003年の『オールド・ボーイ』に続くパク・チャヌク監督の復讐三部作完結編。2005年の韓国映画。主演は韓国を代表する正統派女優だというイ・ヨンエ。

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20歳の若さで幼児誘拐殺人事件の犯人として逮捕されたクムジャ。刑務所では誰に対しても優しい笑顔を絶やさず、"親切なクムジャさん"と慕われる。そして13年の服役の末、ついに出所した彼女は復讐への周到な準備を進める。
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英語タイトル"Sympathy for Lady Vengeance"が示すように、復讐三部作の最後を飾る復讐者は女性だ。20代のほとんどを刑務所で過ごし、13年後にようやく出所した彼女は、塀の中で培った人脈を総動員し、自分をワナにはめた英語教師ペクを追いつめる。前作『オールド・ボーイ』で復讐者を演じたチェ・ミンシクがペク役というのも面白い。

ペクを捉えるまでのミステリー要素や追跡に伴う躍動感といったものは皆無で、本作の肝は復讐という行為そのものの直接的な暴力やむごさがこれでもかと描かれることにある。我が子を無惨にも殺された親の心を慮ると納得できる部分と、同時に法治国家・文明社会に生き、ある程度の理性を持っていると信じたい身としては否定したくなるシーンでもある。

その是非はともかくとして、シリーズを総括するようなラストシーンも印象的だった。ネイティブインディアンの戦闘メイクのようなきついアイシャドウを拭ったクムジャはいまだ黒いコートを身にまとったまま、白い寝間着を着た娘と抱き合う。豆腐(冒頭の出所のシーンにもあったが、この風習は興味深い)に似せたケーキにようやく思う存分顔を埋める。そっと抱きしめる娘。漆黒の上着にしんしんと雪が降り積もっていく。

過去2作(『オールド・ボーイ』の最後はほとんど記憶にないけれど)にはなかった分かりやすい安らぎが復讐者に待っている作品であり、そういう意味でシリーズ完結にふさわしいラストだった。
2011.04.01 Friday 23:58 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
コメント
韓国では出所したら豆腐を食べるのが慣習になってるそうですね。

逆にそんな事が慣習になるなんて韓国では犯罪が多いんじゃないかと思ってしまいますが 笑

同じく豆腐を食べるシーンが印象的な映画だと、イ・チャンドン監督の「オアシス」がいい映画です。
脳性麻痺の役をされた主演の女優さんは撮影中無理な体勢を維持したせいで整体に通う羽目になったとか。

韓国映画では「息もできない」と並んで最も好きな映画です。よろしければ。
いっちゃ | 2011.04.18 Mon 18:50
いっちゃ様

こんにちは。
毎回謝っている気もしますが、お返事遅れました。すみません。

> 韓国では出所したら豆腐を食べるのが慣習になってるそうです

やっぱりそうなんですね。思いもしなかった文化の違いって面白いです。イ・チャンドン監督の『オアシス』ですか。気になりますね。韓国映画にはどうしても暴力的なものを求めてしまいがちなんですけど、女優さんを昔のハリウッド映画のように信じられないほど美しく撮ろうとする傾向にあるので、普通の映画も面白いのかもと思い始めているところです。人が死なない映画だと、『猟奇的な彼女』ぐらいしか見たことないので、見てみます。ありがとうございます。
gogonyanta | 2011.05.08 Sun 15:11
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