すばらしくてNICE CHOICE

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SEAMO『messanger』

2011年4月27日リリースの5枚目のアルバム。
/5点中

シーモネーターを名乗り、インディーズで活躍していた時代からコンスタントにアルバムを発表し続けていたSEAMOにとって約2年半ぶりとなる新作。国産ヒップホップではそのインターバルはたいした長さではないが、メジャーを土俵にしている中堅どころのアーティストにとってはずいぶんと期間があいたし、以前のようにはテレビでその名前を見なくなった。その間にシングルは出していたものの、ヒットに恵まれなかったのも大きい。しかし、話題にはならなかったけれど、昨年末に発表されたミニアルバム『5♥WOMEN』は5曲入りと中身が凝縮されていることも手伝い、なかなかの良作であり、彼の才能が枯渇したわけではないことを証明もしていたし、次のフルアルバムを期待させる出来だった。

シーモは「マタアイマショウ」や「MOTHER」といったヒット曲からポップなラップがイメージされるが、アルバムもまさにその印象のままに間口が広く、普段ヒップホップを聴かない層を取り込んでしまう聴きやすさがある。

ひとつにはフックで取り入れられるメロディラインの親しみやすさだ。Shintaro"Growth"Izutsuとほぼ共同作業で作られる旋律は似た立ち位置にいるKREVAよりも巧みであり、キャッチーであることを厭わない。メッセージを伝えるために歌が良ければとことん歌主体の楽曲になるし、その分かりやすさの徹底ぶりやエンターテイナーとしての貪欲さに彼の覚悟を見ることができる。クレバが時折垣間見せるブレが、彼にはない。

もうひとつはテーマのギャップだ。臆面もなく真摯に愛を歌った直後に自分のだらしなさを面白おかしく自嘲する曲を持ってくる。その差異はまじめな面を嘘くさく見せてしまう危険性をはらむが、彼はどちらのテーマでもとことん真剣に向き合うものだから、ギャップはいい意味で人間臭さに繋がり、説得力を持たせてしまう。本作でもM7「約束」は捻じれきった人間の心にも突き刺さる良曲になっている。続くM8「ME.N.DO.KU.SA.I」はBUZZER BEATSの手によるシンプルなビートの上でいかんなくものぐさ太郎ぶりを発揮させる。

スガシカオの名前を出したくなるような変態ファンク度の高いM4「GGDM」や、地元の仲間をフックアップしたM5「SEABREEZE」、上でも挙げたM7やM8、あるいはDECKSTREAMを起用し、"現実逃避させてくれるバス"を紹介してくれるM11「ヒーリングバス」、かけがえのない人への感謝を綴ったM12「君がいるから」と聴きどころが多いのも確かだが、なにより全13曲49分の長さを一気に聴き通せて、なおかつリピートできるのは、ラップの表現力の高さゆえだろう。耳を惹きつけるパンチラインとは別に、言葉が豊かに彩色されるので、聴き手はシーモがそこに込めた想いを感じ取ると同時に、自分の体験をも重ね合わせる奥行きがある。ビートにいかに乗れるのかといった意味でのラップ巧者は多いが、表現力が豊かなラッパーとなるとまだまだ少ないように思う。

M5で客演しているBRIDGETというグループのラッパーBLADeがいまどきのフロウで面白かった。同じグループに所属している歌手の草川瞬はR&B系のスムースな歌声も魅力的だ。グループ自体はEXILEの二匹目のドジョウといった趣きだが、同曲を聴く限りラップと歌に関しては実力がありそう。気になる。
2011.10.06 Thursday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.10.17 Tuesday 23:59 | - | - | -
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