すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
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リアル・スティール / Real Steel

81点/100点満点中

ヒュー・ジャックマン主演のSFアクション。監督は「ナイト ミュージアム」シリーズのショーン・レヴィ。原作はリチャード・マシスンの短編小説『四角い墓場』(1956)。製作費1億1000万ドル。2011年公開作品。

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人間に代わり高性能ロボットがリングの上で闘い、人々を熱狂させている2020年。ボクサーのチャーリー・ケントンは戦う場所を奪われるが、操縦機を手に格闘ロボットを操作し、ドサ周りする日々を送る。別れた妻が急死し、赤ん坊の時以来会っていなかった11歳の息子マックスが突然現われる。困惑するチャーリーにマックスも心を閉ざしたままだが、ある日マックスはゴミ置き場でスクラップ同然の旧式ロボットATOMを発見。スパーリングパートナー用のオンボロだったが、特化された模倣機能に着目したマックスは試合への出場を父チャーリーに懇願する。
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とてもよくできたハリウッド映画。予告編で見ていた時はこんなロボット映画を誰が見に行くんだろうと端からバカにしていたけれど、公開されてみるといろんなところから賞賛の声が聞こえてきて、年間1位とまで豪語する人がいるものだから、これは一応見ておかないと、例のごとく前言撤回で見てみた。なるほど、絶賛する人がいるのも納得の作品だ。

WRB(ワールド・ロボット・ボクシング・リーグ)と呼ばれるこの時代の最高峰プロリーグで活躍するロボット達と比較しても、相当にレトロな顔立ちのロボット・アトムは無表情だが、だからこそ能面と同じように見る者の気持ちで様々に豊かな表情が生まれる。瞳の色がマックスの澄んだ青と同じというのも助けになる。

アトムという一ロボットに、ひとりぼっちの自分を重ね、一方で内蔵された機能ゆえに自分だけを見てくれるその所作に愛情を感じ、自分が本当に欲している理想とする父の姿を見出し、ダメパパ・チャーリーも同じく、一度ならず二度までも見捨てようとした息子の姿を、あるいはかつてチャンピオンを寸前まで追い詰めながらも敗れ、現在の不甲斐ない姿を顧みて、自分を重ね合わせる。

今のはやり言葉を使えば、父と息子の"絆"の物語だ。それを幼い子供から大人まで誰にでも分かりやすく描いている。こういう時のハリウッドはその地力を存分に発揮する。媒体となるロボットに安っぽさがなく、本当にそこにいるかのようなリアリティを伴っていることが大きい。でもそれは「トランスフォーマー」シリーズであれだけ可変させる機体をスクリーンの中に作り上げることができるハリウッドの技術なわけで、このレベルはもはや造作もないのだろう。

CG技術もさることながら、俳優陣の確かな演技力があるからこそ、人間ドラマが真実味を帯びる。2008年に"最もセクシーな男"に選ばれたヒュー・ジャックマンは鍛え上げられた肉体やその鋭い動きでもって元ボクサーという設定に説得力を与える。長い爪を生やし、もみあげの伸びたコスプレ男にさせたままにするにはやはり惜しい俳優だ。しかし、本作に強い光を与えているのは表情豊かに演じているマックス役のダコタ・ゴヨの魅力だ。1999年生まれの彼はすでに10本以上の映画やテレビに出演しているカナダ生まれの子役らしく、子供らしい明るさと同時にしたたかさも持ち合わせていて、映画を引っ張っていくのは間違いなく彼だ。

父と子の結びつきを、1億ドル以上もかけ、ロボット同士の迫力ある闘いと試合を勝ち進んでいくという痛快さを織り交ぜることで娯楽エンターテインメントとしても機能させている。大事なテーマはふたりの和解であり、互いに愛情を示し、尊厳を取り戻すことではあり、それはしっかり描かれている。その一方で旧世代のロボットが勝ち続ける話でもある。日本の漫画やアニメならばそこにスポ根という大事な要素が加わるはずで、ひと晩ふた晩寝ずに新たなプログラミングを施しただけで強敵すら負かせてしまうというのは、120分越えしている作品に注文付けることでないのは承知しているとはいえ、それでもスポ根漫画で育った身としては努力という要素がもう少し必要だったのではと思ってしまう。アメリカと日本の気質の違いといえばそれまでではあるが。そもそもチャーリーからして金には困るが、持っている人から要領よくせしめる人間であり、それほど苦労している感がなく、まあそういうことなのだろう。
2011.12.15 Thursday 23:57 | 映画 | comments(4) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:57 | - | - | -
コメント
書き込みまくりですいません。
60点です。

予告でハードル上がり過ぎたのかなぁ
nyantaさんがおっしゃるように父と子の絆の物語なんですが
そこに期待し過ぎて、泣く気まんまんで行ったのに
肩透かしというか
もっと泣かしてくれよ!と。
意外にあっさりしてて全然泣けませんでした
つまんなくはなかったんですけどね

あとはタンタン観たいんですが
大好きなバルト9が昼しかやってなくて
深夜も吹き替え3Dやってくれよ〜って感じです
what's? | 2011.12.20 Tue 04:57
what's? 様

感謝です。
どんどん書いちゃってください。ついでにTwitterも始めてください!

> 泣く気まんまんで行ったのに肩透かしというか
> もっと泣かしてくれよ!と。
> 意外にあっさりしてて全然泣けませんでした

や、同じです。まさに"つまらなくはない"のですが、もっとグワッとやられる映画なのかと思ってて、開始直前にハンカチがないことに慌てたりもしたのですが、全くの杞憂でした。お互いハードル上げすぎましたね。

> タンタン

ああ、あれも予告編で地雷と判断し、止めました。ロバート・ゼメキスの『ポーラー・エクスプレス』みたいなCGアニメの人物画も苦手なんです。

それよりも聞き捨てならないのは"バルト9好き"発言です!私はあそこが大っ嫌いでして(エレベーターが3台しかなくて不便!、上のエスカレーターもダメ、ロビー狭い、接客下手)、同じシネコンならピカデリー派です!!(ポイントカードあるし。改悪したけど)。あの使いにくい構造から、いつか火災でも起きて多くのけが人を出しそうな気もします。そういう意味でもちょっと怖い映画館という認識です。

合いませんねぇ〜。
gogonyanta | 2011.12.22 Thu 03:20
こんにちわ!
映画にまつわる事は特に合わないですね〜

だから逆に意見が違ってもそんなに気にならないのかとも思います。

しかも僕はピカデリー大嫌いなんです
マジで。

nyantaさんのおっしゃる構造で言うなら
バルト9もピカデリーも
エスカレーターでひたすら登るし
あんま変わらないと思うんですが
僕がピカデリー一番嫌いなのは
あの受付のシステムです。
券買っても時間が来るまで入場出来なくて
あの映画待ってる人以外もいる狭いフロアーで
ずっと待たされるのがホント嫌なんです
エスカレーターもバルト9より長い気がするし。

バルト9なら上のカフェでも待てるし
8階で飯も食えるし

何より一番好きなのは平日深夜も上映してる所です
週末すらオールナイト上映しない映画館って
ホント意味わかんないです。
なんで二番目に好きなのはヒルズの映画館です。

年末の挨拶もさすがに
もう言うこと無いんで
これにて失礼致します

あと、実はツイッターは結構前からやってんですが
何か超どーでも良い事しかつぶやいてないんで…
what's? | 2011.12.23 Fri 13:44
what's? 様

こんにちは〜

> 僕がピカデリー一番嫌いなのはあの受付のシステムです。

それは同意です。大量に入る大箱の回をほぼ同じ時間に設定したりする時はホント何考えてるんだろうって思いますね。

> 何より一番好きなのは平日深夜も上映してる所です

本当の意味での深夜って利用しないので、そのありがたみが分からないのですが、20時とか21時の回で終わりというのはあれだけの不夜城を背後に抱える映画館なのにちょっと分からないですね。まあだから危ないのかもとかいう保安上の問題があったりするかもしれませんが。。。

> 二番目に好きなのはヒルズの映画館です。

14日も安くなるのはいいですね。あと、場所柄外国人が多くて、客席が映画を楽しむ!って雰囲気になるところもいいですね。

コマ劇跡にできるホテル内にシネコンが入るらしいですね。そもそもはシネコン嫌いなので、新宿もなんだかイヤな感じになっていきます。

ツイッタは気が向いた時にでもフォローして下されば嬉しいです!
gogonyanta | 2011.12.26 Mon 13:01
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