すばらしくてNICE CHOICE

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悪魔を見た / 악마를 보았다

66点/100点満点中

2010年の韓国産バイオレンススリラー。主演は今やハリウッドにも進出したイ・ビョンホンと、『オールド・ボーイ』、『親切なクムジャさん』の信頼と実績のチェ・ミンシク。脚本は『生き残るための3つの取引』のパク・フンジョン。

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国家情報員捜査官スヒョンの婚約者ジュヨンのバラバラ死体が発見される。スヒョンはジュヨンの父で重犯罪課の刑事だったチャンから容疑者の資料を入手し、犯人がギョンチョルであることを突き止める。彼を見つけ出すや、徹底的に叩きのめすスヒョン。しかし、とどめを刺すことなく、追跡用のGPSカプセルを飲み込ませるとそのまま解放。ギョンチョルが新たな凶行に及ぼうとするたび、スヒョンは先回りして容赦のない制裁を加えていく。
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韓国お得意の復讐劇に特化され、過激なほど暴力シーンもあり、大好物なはずなのにどうにも乗り切れない。ひとつには連続殺人鬼ギョンチョルの殺人に走る理由があいまいなことだ。犯すわけでも食すわけでも着るわけでも楽しむわけでもなく、ただ無感動に殺していくだけに見える。彼を良く知る別の殺人鬼の話では殺す前に凌辱しているようだが、その描写はほぼなく、目当ての女性とのファーストコンタクトの段階ですでに相手を鈍器でメッタ殴りにし、ズタボロの状態であり、いざ行為も何もないように思える。が、性癖は人それぞれなのでまあ色々あるのだろう。

映画の中の話となると、動機がはっきり映されないためにギョンチョルはただ義務であるかのように殺していくだけに見える。そうなるとそこにあるのは恐怖ではなく、恐怖に見せようとしている作り手の怠慢さだ。鈍器でどれだけ殴りつけようが、ギロチンをあてがおうが、怖さを生み出すための演出にしか見えない。

一方、韓国のクライムアクションの定番、復讐にひた走るイ・ビョンホン演じるスヒョンは、自分の婚約者を殺し、残酷にもバラバラにして放置したギョンチョルを映画序盤で早々に見つけ出し、半殺しの目に合わせる。そして逃がしてやり、再び追い詰め恐怖を与えていく。市井に生きる悪魔が真の悪魔に目を付けられたのだ。その常軌を逸したスヒョンの復讐劇に対し、共感がなどといいだしても端から仕方のないことで、それよりも彼もまた悪魔でありながら最後まで超然とした表情を保ち続けるのが不満だ。このジャンルでの韓国の一級品と比較すると、彼がギョンチョルと共に奈落に堕ち、共に泥の中を這い、のた打ち回る姿を見たい。ハリウッドにまで進出している国際的なスターがやることとではないのだろう。

自分は恐怖を感じないとうそぶくギョンチョルに対し、どのような手段を取り彼に本当の恐ろしさを味わわせ罰するのかがクライマックスとなる。本作はわざわざ自らハードルを上げにかかる。それまでも数々の暴力描写がある中で、それ以上の残忍な方法が必要とされるわけだけど、スヒョンが選んだ最後の一手は、ギョンチョルが顧みずに過去に捨てた人たちを利用するものであり、彼の死の知らせを一瞬でも喜んだ人たちである点も考えると、本作は最後のハードルを飛び越えられていない。

韓国のクライムサスペンスは海外でも評価が高い状況を鑑みて、それでは人気俳優を起用し、暴力がいいならそれを徹底的に描けば、より評価を得られるのではないかという魂胆が透けて見えないでもない作品。
2012.01.21 Saturday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2019.09.18 Wednesday 23:58 | - | - | -
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