すばらしくてNICE CHOICE

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エクステ

67点/100点満点中

園子温が監督し、脚本は共同で手掛けた2007年のホラー映画。主演は栗山千明。共演には大杉漣、佐藤めぐみ、つぐみ(『紀子の食卓』)、光石研(『紀子の食卓』『ヒミズ』)。ほぼチョイ役で『夢の中へ』の夏生ゆうなと田中哲司も出演。それと、メイキング見るまで気づかなかったけど美容室仲間のひとりに満島ひかり(『愛のむきだし』『ちゃんと伝える』)。

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外国から輸送されてきた巨大コンテナからエクステ(付け毛)用の大量の髪の毛が発見され、同時にその中で埋もれるように臓器移植されたと思しき少女の遺体も見つかる。死体安置所の管理人・山崎ぐんじは美しい黒髪に異常な執着を抱く男で、運ばれてきた少女を自宅に持ち帰ってしまう。不思議と伸び続ける彼女の髪を切り取ってはエクステとして馴染の美容室に卸していく。一方、黒髪が美しい美容師の卵・水島優子は、姉である清美が娘のマミに虐待を繰り返すことに心を痛め、高校時代からの友人森田由紀と暮らす家にしばらくの間引き取ることに。優子が働く美容室に、山崎が例の美しいエクステを持ち込み・・・。
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園子温が初めて手掛ける本格ホラー映画。とはいっても、『自殺サークル』ですでにいくつも怖いシーンを作り上げているわけで違和感ないが、それよりも驚くのは冒頭で磯に荒波がぶつかりバーンと白波となったところに浮かび上がる東映の三角ロゴ。ついにここまで来たのかという気持ちになる。

映画自体はこれまで以上に娯楽性が高い。『リング』に始まる日本の本当に怖いホラー映画で、日本人を震え上がらせるその要因のひとつが顔を隠すようにして伸びる黒髪だろうと考えた(のかどうかは知らないけれど)園監督が、ならばそれをいつものように過剰に描いたらより恐ろしくなるのではと考えて(かどうかは知らないけれど)作られたのが本作だ。どんどん伸びる黒髪のアイデアが先にある(かどうかは知らないけれど)ので、東南アジアのどこかの国で人身売買され臓器を抜き取られ無念にも殺されてしまった少女がどうして異国の地でその復讐を果そうとするのか。その動機付けが何となく理解できるようでいてその実弱い。

とはいえ、『自殺サークル』での警備員が暗い廊下を歩く病院シーンを今思い出しても鳥肌が立つのと同じように、そこここで怖い場面が多く、人を驚かすホラーとしては成功している。実家のアパートに戻った少女マミがひと嵐来た後に、なんとか外に抜け出そうと台所の脇を抜けようとする時におもちゃのパトカー(その前のシーンで女の子なのにどうして男の子が好むことが多いおもちゃがあるのだろうと違和感を抱く。ただそれもネグレクトのひとつと思えば納得もするが)に触れてしまい、車がゆっくりと走り出してしまう場面の緊張感はそのオチも含めて秀逸だ。

"ヘアーヘアー"と園の自作曲を歌う大杉のおかしな人の演技はともかくとして、狙ったとはいえ折角のホラーにコメディ要素を挿入してしまうのは残念だ。クライマックスでの突然伸びる舌は蛇足だし、ダルマ落とし的な要領で出来上がる『遊星からの物体X』や『パラサイト』のオマージュも余計。最後まで生真面目に観客を怖がらせようとするホラーが好きだ。
2012.06.05 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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