すばらしくてNICE CHOICE

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プロメテウス / Prometheus

94点/100点満点中

リドリー・スコット監督の新作。ハードSFサスペンス。主演は本国版「ミレニアム」シリーズや『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』のヒロインとして出演していたナオミ・ラパス。共演にはシャーリーズ・セロン、ガイ・ピアースら。共同脚本に『カウボーイ&エイリアン』を手掛けたひとり、デイモン・リンデロフがいるのも興味深い。製作費1億3000万ドル。2012年公開作品。

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2089年、世界各地の古代遺跡からある共通するサインが発見される。科学者エリザベス・ショウはそれを地球外知的生命体からの"招待状"と確信。巨大企業"ウェイランド社"の会長ピーター・ウェイランドから支持を得て出資してもらい、各分野の専門家と共に宇宙船プロメテウス号に乗り"招待状"が指し示すはるか彼方の惑星LV-426を目指す。2093年、長い人工冬眠を経て到着。いきなり人工物と思しき建造物を発見し・・・。
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さすがはリドリー・スコット。巨匠と称されるだけのことはある圧巻の映像と世界観を見せてくれる。冒頭のアイスランド撮影シーンから魅せる。ウィキペディアを見るまではそのシーンが意味するところを理解できていなかったのだけど、それでも映像のひらめきはすごい。"太古の地球に異星人の船が飛来する。地上に降り立った人間型宇宙人は黒い液体を飲み、自らのDNAを地球の生態系に拡散させる"というそのシーンで、体に異変が現れる宇宙人のその肌の部分に近接していき、黒い液体が体中を流れていく様子が映し出されるというシークエンスは、『2001年宇宙の旅』の空に投げられた骨が宇宙船になるような衝撃を、まあいい過ぎかもしれないが、味わえる。

"人類はどこから来たのか。人類最大の謎、それは《人類の起源》"というのが本作のキャッチコピーだけど、それはエリザベス・ショウの研究課題であり、彼女の研究への出資者ピーター・ウェイランドの求めるところでもある。人類がなぜか生まれのか、生きる目的はなんなのか。彼はそれらが解明されることで古今東西の権力者たちが血眼になりながら追い求めてきたものがついには得られるのではないかと考えたのだ。

ただ、その答え自体はすぐに得られるし、作品の主題ではない。それよりもスコット自身が1979年に監督した『エイリアン』の展開を踏襲しつつ、SFホラーでもあった『エイリアン』からサスペンスアクション色を強くしたハードSFとして描かれている。

ウィキによれば、そもそもは"2000年代初頭からシリーズ2作目を監督したジェームズ・キャメロンによって5作目の検討がなされ、結局その企画を引き継いだスコットがキャメロンの内容を受け継ぎつつ、1作目に登場した"スペースジョッキー"の起源を探る流れという前日譚として結実させたが、最終的にはシリーズから独立した物語となったという経緯があるそうだ。具体的にシリーズと異なる点は、ハイパースリープを使い辿り着いた惑星が『エイリアン』ではLV-223だったが、本作はLV-426となり、他にもそのスペースジョッキーに座っていた異星人の死に方が異なる。

そうはいっても、ウェイランド社の宇宙船に乗り、女性が主人公で、1体のアンドロイドを乗せ、一ヶ所食いちぎられて円にならない形という特異な宇宙船が出てくるとなれば、それはもうエイリアンシリーズであり、本作を見ればエイリアンとスペースジョッキーの巨大な異星人との関係や、エイリアンの誕生の秘密など、オオそうだったのか!!となることが多い。危険生物に際しウェイランド社伝統の輸送方法までオマージュされていて、それへの対処法がまた斬新で、映像のすごさ共々唸らされる。

1979年と映像の歴史からいえばはるか過去の作品であるとはいえ、今見ても全く古さを感じさせない『エイリアン』と同じように、今回も映像面で際立っている。どうしても不安視してしまう3D映像は今回はほとんど違和感なく見られた。人物の遠近が極端になる3D独特のあの不快な映像は記憶にある中では1ヶ所でしかなく(最後にもう一度異星人の建造物に乗り込む直前のエリザベス・ショウと船長との会話のシーン)、それよりも3Dの利点を無理なく発揮させる方向(予告編で見たバイオハザードのような露骨なやり方ではなく)で貫かれていて好印象だ。

それと音楽。具体的には音楽というよりも宇宙船が接近する時の体を震わすような低音の利きが素晴らしく、ああいう音を体感できると劇場で見て良かったと思える。

物語自体は『エイリアン』があってこその作品となり、別の見方をすればやや踏襲しすぎている感もあるが、それでもファンにとってみればそれが楽しみでもあるわけだ。『エイリアン』がそうであったように本作は新たなサーガの幕開けになる可能性を多分に含んでいるのが興味深い。「エイリアン」シリーズは人類とエイリアンとの戦いを人間の活動圏で描くシリーズだったわけだけど、新たなシリーズではまだ見ぬ完全に想像だけの世界を現代のほぼどんな絵であっても創り出すことができる技術を使い映像化し、物語化できたらそれは本当にすごいことだなと思う。そしてそのための1作目だからこそ、前シリーズとは大きくかけ離れず、足固めのための作品としているならそれは深く納得できることだ。


映画の出来とは関係ないけど、監督官メレディス・ヴィッカーズを演じるシャーリーズ・セロンが恐ろしいほどに美しく驚いたことも記しておく。黒人船長が"お前もロボットなのか"と疑うほどに整っていて、脚の細さなどはファティマのよう。彼女は『モンスター』のような演技もできるわけで、ハリウッドの層の厚さは本当にすごい。
2012.08.14 Tuesday 23:58 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
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2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
コメント
おはようございます。
プロメテウス最高でしたね〜!
95点です!!

nyantaさんのおっしゃる様に映像充実体験でした。
アベンジャーズとはしごして見たんですが、
オモロかったアベンジャーズを余裕で抜き去りました
-5点は3Dじゃなくても良かったかな〜っていう位です。

初めてエイリアン観た時を思い出すくらいの
恐怖感があって、やっぱリドリースコットすげーなぁって思いました。

リドリースコットは
ブレードランナーのリメイク?の企画も進行してるようで、
そっちも期待大です!


なのるがレコーディング開始ですかぁ
嬉しいですが、志人にあんなに活躍されて
降神での活動も減って、子供もいて
生活は大丈夫なんだろうか?といらん心配をしてしまいます。
まあ、日本語ラッパー全員どうやって暮らしてんの?って事ですけど…

今の志人も嫌いじゃないですが
やっぱり降神が一番好きなんで
あっち側にいっちゃった志人をこっち側につなぎとめるのは降神しかないから
なのるには、方向性の違いとか言い出さず
何とか志人の女房役を務め続けて欲しいものです。

先日MOROHA主宰のイベントにも行きましたが
DJ SHUNも久しぶりに観れて何か胸に来るものがありました。

ただ、エレクトロ?アンビエント?なトラックに乗った時に
今の志人の世界観は相性が最悪で、ザ・新興宗教みたいになるんで
早く降神&DJ SHUNのプレイが観たいもんです

ロッキンジャパン、ワールドハピネスと
この夏二本のフェスに行ったんですが
今年の年間最優秀ライブは、くるりで決定です!
涙が出る程良かったです!(サウンドチェックからばらの花でした)

残暑も厳しいですが
まだまだ夏を楽しみたいものですね。

では夏バテなどなさらぬよう!
what's? | 2012.08.22 Wed 11:23
what's? 様

こんばんは〜。
いつも感謝です。

> プロメテウス最高でしたね〜!
> 95点です!!

最近珍しく評価が合致してますよね。まあ文句なしの傑作が続いているわけでそれも当然なのでしょうが、またその作品にその評価はちょっと違くない?みたいなぶつかり合いもしたいですね!

トニー・スコットが自殺したというニュースは残念でしたが、リドリーは老いてもどんどん攻めた作品を作り続けて欲しいです。

> なのるがレコーディング開始ですかぁ

totoさんがトゥイッターで呟いてました。taoと共に自宅でレコーディング合宿をしているそうです。

> 何とか志人の女房役を務め続けて欲しいものです

実はですね。昨日降神のライブ見てきました!!記事にするつもりですが、志人にはなのるなもない、なのるなもないには志人しかいないだろう!というパフォーマンスですごく良かったです。当面は音源はともかくとしてライブだけでもふたりで続けて欲しいです。

> 先日MOROHA主宰のイベントにも行きましたが
> DJ SHUNも久しぶりに観れて何か胸に来るものがありました
> エレクトロ?アンビエント?なトラックに乗った時に
> 今の志人の世界観は相性が最悪で、ザ・新興宗教みたいになる

そんな感じでしたか。。。確かにDJシュンの顔を最近見てないですね。昨日のライブでふたりのバックDJをしていたのはDJ DOLBEEでした。途中で志人が珍しく怖い顔でドルビーにクレームを付け(たように見えた)ていて、降神にはDJシュンが良いのかもしれないですね。

> ロッキンジャパン、ワールドハピネスと
> この夏二本のフェスに行ったんですが
> 今年の年間最優秀ライブは、くるりで決定です!

呟きは読んでました。岡村ちゃんを見たそうで羨ましいです。くるりはメンバーが増えたんでしたっけ?アルバムが出るとのニュースもありましたし、期待ですね。

夜になると虫も鳴き始めましたし、気分的には涼しさを感じられるようになりました。互いに暑さに負けず乗り切りましょう!
gogonyanta | 2012.08.26 Sun 22:09
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