すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
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BBOY PARK 2012(8月18日)@代々木公園野外音楽堂
外からパタパタと音がして目が覚めた。以前から時々耳にする小さな物音なので気になり、カーテンをそっと開けてみると手入れのしていない庭の、その繁茂する夏草の間で黒い影が動いている。タヌキだ。夜中にガサコソいわせながら庭を通り抜けているのがタヌキだということは数週間前に確認していて、それが1匹でないことも知っていたが、その彼らがもう10時を過ぎようというこの時間に寝どこにも帰らず、2匹仲睦まじく互いの体を毛づくろいし合っている。あのパタパタという音も彼らが後ろ脚で体を掻く時に立てる音だと判明した。夫婦なのか親子なのかまでは分からないけれど、朝から良いものを見ることができた。

タヌキたちが場所を変えるまでその様子を物陰からしっかり撮影し、ホクホク顏で空を見上げると雲がずいぶんなスピードで動いている。次第に怪しい黒雲までやって来て、しばらくすると稲光が走り、案の定激しい雨粒が葉を揺らし始めた。曇りのち雨とは前日の天気予報で聞いていたし、BBOY PARK(以下BBP)に雨は付き物だが幸先が悪い。

さてどうしたものかと甲子園をだらだら見ていると、今年から再び年齢制限が取り払われたMCバトルの予選がなんとユーストリームを使って12時過ぎに配信され始めた。ホームページは旧態然としたままだがそれでもBBPは少しずつ進化しているようだ。渋谷も雨が上がり陽射しが戻ってきたのがうかがえる。DEJIや孔雀のMEKAたちが闘っているのを横目に出かける用意をした。

今年こそはアーティストライブの開始予定時刻よりも30分早く到着しようと例年より家を早く出ようとした矢先に司会のNONKEYが14時半予定を繰り上げて14時から始めるとPCの奥の代々木公園野外音楽堂のステージ上で宣言していて、やっぱり今年も慌てて家を出ることになった。



そんなわけで、"bboypark、ここはリアルなbboy達が83年から集まり そして続いて来た約束の地"に行ってきた。Bボーイパークも15周年だという。今年から実行委員長に復帰したCRAZY-Aがこの翌日にステージ上で語ったところによると、1997年に代々木公園野外音楽堂で始まったこのイベントの第1回目の名前は「Tokyo B-BOY'S ANNIVERSARY」であり、彼がブレーキングダンスを踊っていた原宿歩行者天国の廃止を受けて開催された。「BBOY PARK」という名称は1998年からとなる。従って厳密にいえば今年は15周年ではないのだけど、1997年のも含めてということで今年がアニバーサリーイヤーとなる。

上でも記したように今年はユーストリームで放送され、しかもいつでも見られる状態にアーカイブされているので、混じりけなしの主観のみで書かれた長文記事を読むよりはずっと楽しめるはずだ。今回のBBPはマイクの調子が悪かったとの指摘があるように、確かに出音に問題があったものの(ステージ中央の位置で見ると幾分ましではあったが)、この録音はPAの作る音がそのまま録音されているようで非常にクリアに聴こえる。現地で実際に聴いた人も驚くはずだ。

1.MCバトル予選 〜 菊丸 from 孔雀 →USTREAM [179m]
2.菊丸 from 孔雀 〜 PONY →USTREAM [19m]
3.MCバトル1回戦 NONKEY説明 →USTREAM [0.5m]
4.MCバトル1回戦 →USTREAM [10m]
5.MCバトル1回戦 〜 2回戦 →USTREAM [48m]
6.D.D.S 〜 DJ YUTAKA締めの言葉 →USTREAM [154m]


【MC羅漢】 14:11〜14:22 / blog Twitter

14時10分、Bボーイでもヘッズでもないが、"約束の地"にどうにか到着するとステージ上ではひとりのラッパーがライブもせずに話をしている。結構長いトークでどういうことなのか事態を呑み込めなかったが、とりあえずアーティストライブ1番手のMC羅漢ではあるようだ。

彼は地元秋田で活躍するラッパーで初めて名前を耳にするが、こういう機会でもないとライブを見ることはなかなか難しいだろうし、また彼に限らず今年のBBPは知らないラッパーが多く参戦していたのが嬉しい。

1曲目はSHINGO★西成の「大阪UP」のリミックス「秋田UP」。佐々木希や加藤鷹、柳葉敏郎は秋田出身だそうだ。強い地声が持ち味のラップはトップバッターらしい勢いと派手さがあり、初めて代々木のステージに立つのだろうにずいぶん落ち着いていた。バックDJを務めていたDJ Kokiは乳歯人BEATSの名前で日本語ラップのリミックスをサウンドクラウドに続々と発表しているトラックメイカーでもあり、ミックステープ(あるいは商品)での発表が待たれる。

【TOLAETH】 14:23〜14:33 / Twitter: KOG2 DJ SUUMEN

KOG2(コジ)とDJ SUUMENによる千葉の1MC1DJ。自分勝手な閉じたラップの1曲目から、2曲目でふたりのラッパーを呼び込み、芸のないミクスチャバンドのようなフックを詰め込んだ曲を披露。緊張からトークが早口になってしまうことは避けがたいものだが、それでも無名の自分たちを売り込めるチャンスであり、ユニット名やMC名はしっかり伝えた方が良い。

【WHISKY BOYZ】 14:33〜14:41 / YouTube Twitter: NAO TAKU-G ACE CROW

昨年末に無料配信曲を発表していて、ちょっと気になり名前を覚えていた埼玉のグループだが、ただのワナビギャングスタなラップでがっかり。3人いるMCはがむしゃらに力押しするだけで有機的に絡むことをしない。

MCバトル司会進行のノンキ―が出てきて、予選通過者の発表。100人の予定だったが受付直前に降った大雨の影響のせいか、結局50人しか集まらず、それでアーティストライブの開始時間が早まったそうだ。

【Sound Luck】 14:46〜14:56 / blog Twitter: ACE HIDE

新宿歌舞伎町を地元とするふたり組。ブラジル生まれのエースは昨年まで計3回行われたU20 MCバトルの2011年の覇者で、今年のバトルでも活動している。ただ、楽曲となるとその際立った攻撃性が薄れ、チャートを意識した聴きやすさ、親しみやすさを追求することにしたようだ。決して悪いことではないけれど、物足りないのも事実。

【菊丸 from 孔雀】 14:56〜15:10 / Twitter blog

続いて町田のヒップホップグループ孔雀から2010年のU20 MCバトルの優勝者でもある菊丸のソロライブ。サウンドラックのライブではなぜかバックDJをしていたが、今度はひとりでステージを駆けまわる。背後を守るのは孔雀のふたりDJ QuilasinaとMPCを操るhokuto。昨年のソロステージの時よりも何度か声が裏返るものの、勢いは昨年以上でここまでいくと若手ならではの魅力に変わる。MPC奏者がいることでビートが生ものとなり太い音を出していた。孔雀からM.Tも参加して披露された「バーニーちゃん」が良かった。

【ZONE THE DARKNESS】 15:11〜15:17 / Twitter

最初誰か分からなかったのだけど、言葉を異常に詰め込む2曲目のフロウが気になり、ステージ前に行ってみれば、遠目ではすかした感じの服装で分かりにくかったが、ずいぶんと多めの刺青を見て、ああゾーン・ザ・ダークネスかと気づく。3曲目は「奮エテ眠レ」。曲終わりのフリースタイルでは、数年前に見たライブのMCや彼のリリックにも登場する佐々木希に"まだあるぜ淡い想い"と告白していたのが良い感じだ。無理して盛り上げるのではなく、もちろん手を抜くわけでもなく自然体でスキルを見せるパフォーマンスには貫録が漂い始めていた。

【PONY】 15:17〜15:27

MCバトルならまだしも楽曲となると光らないので彼のステージはスルー。終わる頃に戻ってきたのだけど、写真を撮り忘れていることに気づき慌ててパシャリ。袖にはけていくところをどうにか小さくではあるけれど撮影できた。ステージ左奥の黄色いキャップがそう。


そんなわけで会場内をグルッと回ってみることに。

上でも書いたけど、ユースト導入は便利。

ステージ全体。

ステージから見て左手後方にあるテント。宮城県石巻のラッパー・楽団ひとりや異色ヒップホップレーベル術ノ穴のブースが並ぶ。

楽団ひとりたちとのテントと直角になる形で伸びるテント群。

そのテントに囲まれるように、例年だとラグジュアリー車が並ぶ場所にコートが設営されている。

そこで行われるのがフリースタイルバスケットボール。器用にボールをコントロールする競技らしい。

ヒップホップといえば今年から中学の体育の授業で必修となったダンス。今年も熱い。

ラップはいつも通り2日間だが、ダンスは金曜日に始まり、計3日間行われた。

トラックの荷台も格好の観客席に。

のび〜るトルコアイスクリーム屋さん。

似顔絵描き屋さん。

G.K.MARYAN屋さん。新譜だけど渋谷でもこんなに面出ししているお店は見たことがない。

お客さんも幅が広く、この人はピエロメイクの美人な外国人で次の日も来ていた。その時はSHINGO★西成のTシャツとタオルを纏っていたので相当にコテコテ好みのようだ。

ご年配の方も楽しむ。

アリーナエリアが空いてるから浴衣でも安心。


【夏木アルバ】 16:27〜16:35 / HP

戻ってきてみるとここ数年減りつつあるビジネス枠の出場者が登場していた。バックダンサーをふたり従えてのR&B風。近々ミニアルバムを出すそうだ。アウェイの中頑張って営業に精を出す。

知名度がなくても実力があれば反応は違うだろうが、どちらもないとステージ前は閑散とする。R&Bも変化球となり楽しめるのだけど、被せに頼りすぎる歌い方では盛り上がるのはさすがに難しい。



【MC BATTLE 1回戦(ベスト32)】 15:35〜16:36

司会進行はもはや日本語ラップ界が誇るといってもいい名司会者ノンキ―。ブレイクDJは4月にICE BAHNを脱退したDJ BOLZOI。すでに先攻後攻が決められていて、8小節2本勝負。判定はお客さん。下記の表記で先に書かれているのが先攻。写真も左側に立っているのが先攻。

<BAD vs. DEJI>
横浜で活躍するバッドがTシャツの色が黄色だとかラップがダサいと攻め立てるも、デジがことごとく打ち返し、圧勝。


                                        <? vs. SIMON JAP>
SIMON JAPはJUSTY ACE a.k.a JA飛龍というグループで出したミックステープ(DL先)でその存在を知ったが、初めて見る容姿のいかつさに驚く。モヒカンの彼もネタ多めで頑張るけれども、相手に圧迫されて力を完全には出し切れなかった様子だ。


<こば vs. T@K>
先攻は16歳のラッパー・コバ。後攻が大阪のタク。相手がラップしている間もノリノリで楽しんでいるタクはそのフロウもビートの上で弾むスタイルであり、楽しめる。タクの勝ち。


                                      <シンノスケ vs. U-Road>
ユーロードは昨年U20のバトルに出ていたラッパーだと思うのだけど、フロウに幅が生まれて盛り上げていた。が、今度は反対にフロウに頼りすぎて決め手に欠け、その分直球で相手を突いたシンノスケに分があると思ったが、軍配はユーロードに。


<Z.I.O-RAMA vs. 菊丸>
一昨年の優勝者菊丸が今年も登場。相手のジオラマは3月にミックステープを無料配信(DL先)していたラッパー。互いに知り合いらしく、菊丸の"おととい来い"の捨てぜりふには"おととい来いなんていわないぜ現場でずっと会ってるじゃねぇか"と返すなどバチバチにぶつかり合う。しかも相手のことをよく知っているからこそその後の関係は大丈夫かと心配になるほどえぐいラインがあるのも楽しい。勝者菊丸。


                                           <スケ vs. FAIR>
茨城県水戸のスケと横浜のフェアの闘い。どちらも似たようなものだったが、判定は先攻のスケ。


<タイソン vs. ゾンビ>
こちらもMC名のわりには惹かれるライン、フロウがひとつも出ない闘い。ゾンビが辛勝。


                                          <JAP vs. ガッシュ>
後攻のガッシュは今回の大会で台風の目となりそうな印象を与える独特の動きや余裕綽々な態度、ユーモアのある言葉で客を湧かせる。自らを"おじさん"と自認しながら、コミカルに敵の弱点を突きつつ、フロアを味方に付けていき、勝利を掴む。


<ファンシー vs. LOOP>
1本目ファンシーが"ちゃんとビートに乗せていこうぜ"とラップするのだけど、明らかにつまづいて、そこを福島県会津出身のロープがすぐさま"全然ビートに乗れていない"と返した時点でロープの勝ち。


                                          <spu vs. バサラ>
姿格好が貧弱なスプーがヤンキーというかパンク少年なバサラに噛みつく意外な展開は楽しめるが、ラップとしての面白味には乏しい。スプーの勝利。


<天狗 vs. あおりんご>
後攻のあおりんごは昨年もU20 MCバトルに出場していたラッパー。そのMC名にインパクトがあり覚えていた。ふたりとも群馬出身とのことだが、あおりんごの方が言葉もフロウもうまくまとめて勝利。



                                   <サスザマンセー vs. マンティス>
若いラッパーたちが多いためかいかにもなBボーイファッションの参加者は少ないが、それでも襟元の形状や飾りのついたズボンといい秋葉原の正装っぽい出で立ちのマンティスにはさすがに驚く。"お前入っとけ生命保険"で沸かせたり、キレたのび太みたいなテンションの高さを要所で出すなど、構成が巧みなマンティスの勝利。


<ACE vs. 丸省>
昨年のバトルチャンピオンのエース登場。WARUGAKI☆G所属の丸省の負けん気は買えるものの、彼は後攻の利点を少しも生かせず、ずるずると悪口だけ垂れ流して自滅した。エースは危なげなく1回戦突破。


                                      <チェイミー vs. Mr.葉巻>
最初にノンキ―がこれは一番のお勧めカードというものだから期待を高めるが、ネタ的な意味での面白さだった。

"まず最初にいわせてくれボンボクラァ"とチェイミーがいきなりがなり立て、まくし立てると、ミスター葉巻は素っ頓狂な声でラップをし、小節の終わりには"アアァァアァ"と雄たけびまで上げた。"お前ごときがフロウ語るな 俺は玄人お前素人"は本当に頷けるチェイミーの返しだが、ミスター葉巻には道化的な要素も多分にあるのだけど、人を惹きつけるがむしゃらさがある。

判定は意外に冷静でチェイミーの勝ちとした。昨年のダークホース延暦Gみたくなるのが怖かったのでチェイミーが勝てて安心。ミスター葉巻は埼玉県小川町出身の17歳とのこと。最初は映画『サイタマノラッパー』のIKKUが参戦したのかと思った。奇しくも埼玉のラッパーではあったが。


<MEKA vs. 空条ぬー太郎>
孔雀のメカはソロでもミックステープ(DL先)を出したりと注目している若手のひとりだが、対戦相手の空条ぬー太郎もバトル界隈で有名らしく好事家たちの注目を集めているらしい。大きな歓声が上がっていた。

ビートに使われた韻踏合組合の「ジャングル」を最大限に利用し優等生的な先攻のメカに対し、"なんだか楽しくなっちゃうねお前のドヤ顔見てるだけでさ"とファンの身であっても思わず声が出てしまうラインを生み出す空条ぬー太郎。続けてメカのアゴにも言及するが、それも慣れているのか、"カメラにもちゃんと映ってる俺の長いアゴ ****長いものには巻かれとけ"に会場が湧く。空条ぬー太郎は最初は良かったけれど、続かなかったのが残念。


                                       <ディラン vs. コークイー>
ラッパーにしては普通の格好をしているコークイーを先攻のディランが指摘し続けたところ、待ってましたとばかりにコークイーは、"見た目をディスる?それはただの初心者がやることだろが"と正論でたしなめる。お前の口が臭いというありがちな罵倒もことごとく返され、コークイーに"墓標"を建てられたディランの負け。ラップをしていなければ絶対に関わり合いがなさそうなふたりと試合後にノンキ―が評していたが、バトルの魅力のひとつだろう。しかもひ弱そうな方が勝つのだから痛快だ。



【MC BATTLE 2回戦(ベスト16)】
そのままベスト8を決める2回戦に突入。ここからはジャンケンで先攻後攻を決めていく。8小節2本勝負は変わらず。表記、写真の位置も1回戦と変わらず。

<DEJI vs. SIMON JAP>
サイモンジャップがジャンケンに勝ち、後攻を選択。デジはバトルの勝敗とは関係ないがといいわけしながら、サイモンジャップが服役していたことを指摘する。でも本当に関係ないわけであっさり受け入れられ、リベンジ果たせず(以前も彼に負けているらしい)。ほぼ互角な印象だったが、紋切型の言葉といえども凄味のあるサイモンジャップが幾分上だった。


                                        <U-Road vs. T@K>
タクが勝ち後攻に。大阪出身のタクはKOPERUや黄猿のようにリズムに最大限寄り添いラップをする。好きなタイプではあるが、言葉にトゲがなく、聴いてて楽しけどねで終わってしまうのはバトルとしてはもったいない。先攻のユーロードが勝利。


<スケ vs. 菊丸>
名前が読み上げられるとすぐさま"イケメン対決"とのヤジが飛び、司会のノンキ―が一番のイケメンは俺じゃないのかとふざける一幕も。こういうところがノンキ―のうまいところ。緊張と緩和を心得ている。後攻はジャンケンで勝った菊丸が取る。知り合い同士の対決になったが、どちらもまだ遠慮があるようでバチバチとまではいかない。菊丸も巧いがこれというラインが出ない。菊丸勝利。


                                        <ゾンビ vs. ガッシュ>
勝ったガッシュが後攻。山梨出身のゾンビが通り一遍の1本目でお茶を濁したところで、ガッシュが"さっきからAiyo Aiyoいってるけど君の栄養状態が気になるなぁ"や、"何が足りないかなビタミンCかな それとも俺のライムのウルトラCで倒そうかな"などビシバシとパンチラインが決まりまくり、最後には"さあ反論待ってるぜ若造かかって来い"と盛り上げる。

ノンキ―も決着後にいっていたように、ゾンビはガッシュのディスをひとつずつ丁寧に潰していく。"悪いな(顔色の悪さは)皮膚病の持ち主だよ そうやってひとを偏見すんなよ"と。続けて"いらない差別 ビート上でも平等"、"俺はビートが栄養"ときっちり返していく。

普通ならそのままゾンビの流れとなるところだが、ガッシュは年の功というのか(10年ぶりのBBPだという)、2本目冒頭で"ごめんなぁ"ときっちり謝り、続けざまに"お前の力になれると思ったんだよ 俺は栄養栄養でオーガニックにこだわっているからさ"。最後にはAKB48みたいに実力がないのにのさばっている若造ラッパーが多いことを嘆いてみせて終了。ガッシュの勝ち。互いのラップが噛み合い、この日のベストバウト。


<spu vs. LOOP>
ジャンケンで勝ったスプーが先攻に。HOMEWORKという同じクループ同士の闘い。バチバチやりそうな言葉を吐くも、結局フロウに逃げていた印象。粘りのあるラップをしたループが勝利。


                                     <マンティス vs. あおりんご>
マンティスもジャンケンで勝ちながら先攻を選ぶ。"まるでここはUMBよりもヤバめなBBP(PUNPEEのPPP...なイントネーションで) まるでこの場は生き字引"とのあおりんごのラインが良かった。マンティスも客の湧かせ方を把握していて、秋葉原なファッションにも関わらず、しっかり盛り上げたが、フロウに柔軟性があるあおりんごの勝ち。


<チェイミー vs. ACE>
エースがジャンケンで後攻を選ぶ。"君のライブさっき見たけどめっちゃダサいやん"と間違いのない事実で関西出身のチェイミーが口火が切るも、エースが硬軟おり交ぜたフロウで次第に主導権を握り始め、結局最後は大差でエースの勝ち。エースは負けない巧さがある。


                                       <MEKA vs. コークイー>
コークイーがジャンケンで後攻に。2本目でメカがコークイーの見た目から"中学生の夏休み"と指摘するが、新橋でサラリーマンをしていると返される。普通なら思い込みによる間違いは相手へのポイントになってしまうが、コークイーは的確にそこを突くことができず、よく分からないまま自滅してしまう。勝者メカ。



【DJ BOLZOI】 16:36〜17:02

DJタイムは正直休憩時間。背中を向けている中央の男は先程までバトルで会場を湧かせていた孔雀のメカ。仲間のM.Tも威神も浴衣の女性と仲良くしているというのに・・・。しかし孤独からこそ勝利の道は開かれる。


【D.D.S】 17:04〜17:16 / blog Twitter

最初にMULBEという仲間のラッパーが出てきて、続いてD.D.S、その後にも数人ラッパーが登場し、クルー(なのかは不明だけど)感を出したステージを展開。昨年も土曜日にソロでライブがあり、その時は音源と変わらない剛のラップだけどそこにしなやかさもあるというパフォーマンスに嬉しくなったものだが、今回は人が変わったかのようにストロングスタイル一辺倒で、まるで千葉茨城の常磐線エリアの人たちのようなラップになっていたのが残念だ。

【NONKEY & DJ CAN】 17:16〜17:27

コミカルに登場したのは横浜のラッパーであり、BBP含め各地で司会業でも活躍する、"日本で2番目にもててるデブ"ことノンキ―。アカペラで始まり、「WINEY THE POOH」から「ツカマエロ!!!!」、最後は大切な人を失う前に愛を持って接しようと歌うしんみりとした「隣の人に愛を」。持ち時間10分間を楽しく盛り上げ続けることもできただろうが、聴き手の心に何か大事なものを残そうとするアーティストとしての矜持が垣間見られた。

最後に歌った曲のテーマをそのまま引用し、"それでは会いたいと思っていた人を紹介します。They are BACK!! ベス&ギネーース!"と叫び、ノンキ―はステージをはけた。

【BES & GUINNESS】 17:27〜17:37 / Twitter(GUINNESS)

最初に出てきたのは青森出身でLibra Recordsに所属していたギネス。2009年にいきなりSEEDAをディスしビーフを引き起こしたかと思ったらいつの間にか逮捕されていたラッパーで、最近はトゥイッターを中心に活動しリスナーとの抗争を展開している。音源をまともに聴いたことがなく(アルバムがまだ1枚も出ていない)、ましてやライブを見るのは初めてなわけだが、ずいぶんと素朴なラップをする。リリックも聴き取りやすく、おかげで言葉をじっくり楽しめ、赤点を付けることができた。


ギネスが2曲ソロで披露した後に真打ちベス登場。1曲目が終わったところで、"俺9月でラップ辞めるぜ"発言が飛び出し、"もう限界限界"と叫んでいたが、確かにその自己診断が正しいようなパフォーマンスだった。出っぱったお腹に手をやる仕草はNIPPSの十八番かと思っていたらベスまでが恥ずかしそうにやっていて、でもその体の変化はともかくとして、ラップには各方面から絶賛されていた当時の面影は皆無。"これで終わり?"という不満が高まる中ステージを去った。

【YOKE】 17:37〜17:48 / blog Twitter

DJ YUTAKA枠。彼が主宰するREHERBというイベントに出演しているラッパーだそうで、賑やかしラッパーのひとり。途中で女性歌手を呼んでいたようだが、一本調子のラップに飽きてしまい人が増え始めたパーク内を散策。

【CHINO from ex.UBG】 17:49〜18:00 / Twitter

今は亡きUBGに所属していたCHINO。今はFes(Far East Siders)というグループの一員として活躍している。Zeebraのコピーみたいなラップを持ち味とし、後半はそのFesの仲間を呼び込み、から騒ぎに終始。こういうラッパーまでスワッグスワッグいい始めるのを聴くと、スワッグもずいぶん安くなったなと思わせてくれる。

【BACK a.k.a パンチ】 18:01〜18:12 / Twitter

妄想族/LEGENDARY ink.のDENが主宰するイベント「A+」に出場し、そのコンピレーションアルバムなどにも参加しているラッパーたちがこの後続々と出てくる。ただ、それをいうならトップバッターだったMC羅漢やWHISKY BOYZもA+をシャウトしていたので、彼らもその枠なのかもしれない。デンの営業力に感嘆するべきか。ただ、BBPとしては途端につまらなくなり、フロアからも人が引き始める。

【ウキ】 18:13〜18:23 / Twitter

A+枠。キャリアなんて関係ないんだと"マイク握って1年"の友達ラッパーをサイドMCにしていたが、巧ければその通りだが、所詮A+枠のラッパーであり、そもそもウキが酷いのにそれよりも下手っぴとなると、疲労が一気に噴き出す。

【雷玄】 18:23〜18:33 / Twitter

A+枠。ひたすら力技で盛り上げようとするラッパー。うんざりも頂点に達し、ぶらぶら探索。そこら中でサイファーしている人達がいて、ヒップホップのイベントを実感する。暗がりではサイモンジャップが男と顔を近づかせていたので、おや?と思ったらステージから聴こえてくるビートでサイファーしていた。欠かさない鍛錬が勝ち上がる要因なのだろう。フランクフルトを食べながら戻ると、水着のねえちゃんをクネクネ躍らせながら雷玄が下世話なライブをしていた。無料配信ミックステープなどでトラックメイカーとしても活躍するサムライコスメチックがその踊り子だけの撮影に成功している⇒こちら(YouTube)

【和み】 18:34〜18:41 / blog

A+枠。"西東京"というこれまでになかった新しい土地の概念を提唱する若手ラッパー。フリーDLミックステープを数本発表し、目立たない土地を盛り上げようとする姿勢は評価するが、この流れの中では差異を見つけられず、二束三文ラッパーに映る。最後は仲間総出で大騒ぎ。

【SILENT HILL'z】 18:41〜18:53 / blog

この日のタイムテーブルでその名前を見つけ少し期待していたグル―プ。"静岡"を拠点に活動するのでグループ名が"SILENT HILL'z"というその笑いのセンスはともかくとして、ウエッサイに括られるMr.Low-Dのレーベルから作品を出すそうで、いつものBBPとは違うラップスタイルが聴けるかと思ったのだ。だが、A+枠の流れに置かれても至極自然なパフォーマンスで、5本のマイクの連携に日頃の積み重ねの成果が見えるぐらい。

【Yuki a.k.a. Juto from STAXEXSESS】 18:53〜19:04 / blog Twitter

A+枠。2009年にも"A+ LIVE BATTLE"というもっと露骨な名前を冠した枠でBBPに出場していたラッパー。その時はスタックスエクセスとして出ていたが、今回はソロでの10分間だった。その時も"燃やすぜウィードウィード"という女性コーラスがなまめかしい曲が耳を惹いたように、この日もその曲だけが目立っていたのは残念だ。あれから3年経つわけで成長した姿が見たかった。これまでのA+枠ラッパーに比べると幾分マシな印象を受けるが、それでもお決まりの語彙を多用したラップに面白味はない。

【VIKN from TETRAD THE GANG OF FOUR】 19:05〜19:15 / Twitter

ニップス率いるテトラドの一員としてラップしている分には彼を下支えする縁の下の力持ちラップと評価もできようが、ソロとなるとそれまでのA+枠若手ラッパーのような虚ろな派手さを排し、日本語ラップそのものを楽しめるものの、それでもやや地味すぎる。最後に"友達も呼んでるぜ"と始めたのは「Starting 5」。一番手はベス、そのままギネス、さらにはまさかのA-Thug、そして親玉ニップスまで出てきてマイクを回したが、まあ酷かった。ベスは途中で膝ついて休むし、ギネスのラップは朴訥すぎるし、Aドッグはリリックを覚えているのか疑問に思えるほど不安定で、ニップスは声が出ていない。"頑張れ〜"の声が客席から飛ぶほど。ヴァイケンがひとりで10分間こなす方が正しい選択だったかもしれない。なお、バックDJはMajor MusicのB-Money。

【ZORRO from 妄想族/GAS CRACKERZ】 19:16〜19:27

A+枠の最後、アーティストライブのトリを飾るのは、妄想族やガスクラッカーズでデンとコンビを組むゾロ。ソロで成功している般若やレーベルを盛り立てているデン達とは違い、あの人は今状態のラッパーではあるけれど、"まだマイク握ってラップしてるぜ 懲りずに"と自分でもMCで話していたように、素直に首の振れるラップを今も変わらずにしているのは嬉しいものだ。だからこそ最後の曲で、主役のゾロを脇に追いやり、雷玄らA+枠がぞろぞろ出てきて水着のダンサーも再登場させ、馬鹿のひとつ覚えなただ騒がしいだけのステージにしてしまったのはなんとも残念。


【MC BATTLE 準々決勝】 19:27〜19:42
司会進行ノンキ―が現れ、ベスト8をベスト4に絞る戦いが始まる。DJボルゾイ、8小節2本勝負は変わらず。ここからはひと言ごとずつコメントもある。先攻後攻はすでに決められている。下記の表記でも先に書かれているのが先攻。写真も左に立つのが先攻。

<SIMON JAP vs. U-Road>
"知ってんだよお前裏でしてただろ体育座り"のラインでサイモンジャップが湧かせるも、それ以上のパンチラインが出ずに、きれいにまとめられない。Uロードはまくし立てるフロウを駆使ししたり、きれいな着地をみせたりとバトル慣れしている印象。Uロードの勝ち。


                                         <ガッシュ vs. 菊丸>
ヒップホップに込めた"オッサン"の想いを熱い語り口でラップするが、若手の勢いに飲まれた格好。菊丸も決して調子が良いとはいえず、勢いだけだったけれども、ガッシュにはそれまでの余裕が少しも見えず、相手の土俵で立ち口げんかスタイルに立ち入ったことが敗因か。


<あおりんご vs. LOOP>
あおりんごもループやスプーと同じホームワークというグループの一員で、ループはこれで仲間と連続で当たったことになる。結果は大差であおりんごの勝利となったが、フロウの引き出しや言葉の鋭さの点などでもそれほど差があるようには見えない。強いて上げれば、あおりんごのTシャツがカート・コベインでいかしてたことぐらいか。


                                          <MEKA vs. ACE>
最後に注目の一戦が残されていた。ノンキ―も試合後に"今日イチが出たね"と語るほど。

最初のひと言で、メカの"決勝で菊丸とやりたいんで勝ちます"に対し、エースは"無理"と切り捨てる。エースはメカの言葉をひとつひとつ取り上げて返していくのは面白いが、いくら早口で畳み掛け盛り上げる術を知っていても、終始ビートに気持ち良く乗ってラップしていたメカの前ではそれが反対に不器用さに映ってしまった。

把瑠都関のような負けないバトルをするエースはなかなか越えられない壁だと思っていたが、ここで敗退するとは想像していなかった。しかもメカは先攻で負かしたわけで立派だ。


【DJ YUTAKA】 19:42〜19:45

最後にDJユタカが引率の先生のように分かりやすい注意事項を伝え1日目が無事終了。
2012.08.18 Saturday 23:59 | 音楽 | comments(2) | trackbacks(0)
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2017.03.28 Tuesday 23:59 | - | - | -
コメント
今年もお疲れ様です!
客で僕写ってました!
yamamox | 2012.08.23 Thu 23:43
yamamox様

こんばんは。
急いで対処した方が良いのかとリプライしましたが、寛大な対応&許可ありがとうございます。拡大してまじまじと見てみます!
gogonyanta | 2012.08.26 Sun 22:11
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