すばらしくてNICE CHOICE

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無料配信ミックステープ9月号(2012)
2012年9月に発表された国産ヒップホップのフリーダウンロードミックステープの一覧。JPRAP.COM2Dcolvicsに感謝です。KSKさんはどこ行ったんでしょう。



てっとり早くお勧めを教えてくれという方には上の3枚!左端はJPラップコム制作の若手コンピ。必聴盤。真ん中が名古屋の若手ラッパーNIHA-Cの4作目。新進気鋭のトラックメイカーistが全面バックアップ。右端が客演で少しずつ注目を集めているニコニコ動画出身の若手ラッパーRAqの初作。ジャケットクリックでDL先に飛びます。



【○】yashaken『SWINGING BRAIN』
2012.09.01 / 全8曲24分 / 128kbps / blog
SOUL'd OUTのBro.Hiによる別ユニットDIGIMORAL4CEに参加したり、傳田真央のアレンジなどを手掛けているらしい職業音楽家の別名義プロジェクト。ダブステップ、グライム、ウォブルベース、ラップ曲等々。M6ではRheason LoveというR&B風の女性歌手の曲をリミックス。ここでその彼女のミックステープをダウンロードできるが、ジャケットのゆがみ具合が怖くてまだできていない。ブログに音の説明があり、勉強にはなるかも。


【○】CHEMICAL REACTION『DEMONSTRATE』
2012.09.02 / 全10曲32分 / 320kbps / HP
秋田出身東京在住のトラックメイカーDJ TAMUと、アトランタ生まれのDavid Whitakerによる1MC1DJのユニット。『かなへびコンピ』にも1曲収録されていて気になっていたらまさかのLOH HIGH WHO?からミックステープが出るとは想像もしていなかった。英語を母国語とする外国人、おそらく黒人がラップしてるというだけですでに下駄をはかせてしまうほどに及び腰となるが、音担当の日本人もせせこましい"ドープ"なんてものを狙わず、派手さと分かりやすさが相まった楽しい音を指向している。それ以上の何かがあるかといえばそれはないのだけど。コンピに収録されていた曲の方が良い。


【○】VA『MIND EXTRACTION seq.2』
2012.09.02 / 全9曲29分 / 320kbps / bandcamp
配信終了。1月の前作同様に10月に四日市市で開催するイベント紹介のための出演者の音を詰めたコンピ集。今回のゲストは神奈川からNaoto Taguchiに、福岡のshigge(leeとの絡みでその名前を見る)。ふたりの楽曲と共に、引き続きkatafutaやSinke Button-O、frogらの音を収録。不思議な世界に誘うラプタのラップや、ナガタナオキのとぼけた歌声も面白く、ただの紹介だけに終わらっていないバランスの良い作品。


【○】Andherpackage『Diamond Lp』
2012.09.02 / 全16曲24分 / 320kbps / bandcamp
無料配信終了。OILWORKSに所属するNaoto Taguchiの別名義作。相変わらずの多作家ぶりにもはや驚嘆しかないが、今年に入り10本以上の作品を発表している中で、ひょっとしたら一番聴きやすく楽しめるミックステープかもしれない。彼のトレードマークであるよれたビートの上にジャジーな味付けをした上音が乗る。特に前半が良い。


【○】RAq『Check this Boy』
2012.09.02 / 全6曲22分 / 320kbps / YouTube
東京在住のニコ動ラッパーらしいのだけど、JPRAP.COMが出したミックステープにも選出されていたラッパーで、Goku Greenが8月にアップした作品にも客演している。フロウこそは最新のスタイルを切り貼りした未完成さが際立ち、曲によっては最後まで持つのかと心配になる程だが、その姿勢やリリックが素晴らしい。M1で新しい波を高らかに宣言する、"つくりあげる話 証拠はいらないし 時代遅れ 等身大リアルにバイバイ"は爽快ですらある。トラックは1曲を除き、リミックスとなり、Soulja Boyが2曲、AKLOの「Red Pill」、そしてtofubeats「水星」にも挑戦している。


【○】CHESTNUT『4 Months』
2012.09.03 / 全10曲24分 / 256kbps / YouTube
昨年末にもミックステープ(DL先)を発表しているニコ動ラッパーの新作。作中でも語るように5月に自律神経失調症を患い、この4ヶ月間の出来事を綴った曲を中心にしていて、病気のことをラップとして昇華するM1やM9でのリリックの誠実さや、けして巧いラップではないがしっかり練れているフックなど聴きどころが多く、またL-VOKALを彷彿させる社会批判を織り込んだM5などテーマも広がっている。それと、3曲でトラックを提供しているShartyというトラックメイカーのメロウな音がかなりツボを押さえていて、甘いながらも低音がよく出ているなどかなり良い。


【○】Andherpackage『Concorde Ep』
2012.09.03 / 全6曲8分 / 320kbps / bandcamp
無料配信終了。今月2作目のナオトタグチの別名義作。同じ声ネタを全編に散らし、統一感を出している。路線的には上記の『Diamond Lp』と同じでお洒落感がある聴きやすいビートであり、本作には落ち着きとメロウさがある。


【◎】VA『REV TAPE VOL.1』
2012.09.05 / 全16曲57分 / 320kbps / bandcmap
JPRAP.COMによる昨年の同時期のコンピレーションミックステープ『#Nibiru』(DL先)に続く第2弾。前回も若手中心だったが、今回はより無名に近いラッパーで揃えてきていて青田買い要素を高めている。M5、9、12のような初めて知るラッパーもいるが、ことごとくレベルが高く。さすがはJPラップコムと感心するばかり。メジャーのポップミュージシャンとの仕事を通してメロディメイカーとしての才を磨いたBACHLOGICに支えられたSALUやAKLOたちが日本語ラップの主流を狙う中で、それとは違うヒップホップのかっこよさを頑なに磨いてきたラッパーを揃えているのが面白い。中にはM16のようなラップもあるが、ほとんどがフックで歌うことがなく、実にラップらしいラップをしている。もちろんこのコンピではそういうラップをしているだけで、他の曲では別の一面を見せるラッパーもいるが、軟派硬派という安直な分け方をするならば、後者で統一させつつもフロウやテーマ、リリックの尖り具合でしっかり聴かせる曲が並び、新人たちによる60分弱と長い収録時間にも関わらず、最後まで飽きさせずに楽しませてくれるわけで、本当によくできている。『かなへびコンピ』のようにみんなで人気投票したくなるし、まだまだ日本語ラップが面白い状況にあることをしっかり伝える作品だ。


【○】Dodge Noledge & Nas『The Remix』
2012.09.05 / 全6曲20分 / 192kbps / YouTube
私でも知っているナズの超がつく有名曲6曲を京都を拠点に活動するトラックメイカーがリミックス。これまでも数枚ラッパーとの共作ミックステープを発表してきたが、それらで感じた面白みが本作には少ない。真っ当にリミックスしている。それは間違いではないし、かっこいいラップにおかしな味付けをする必要など全くないのだけど、今どうしてナズなのかなとは思う。経験を積むという意味では大切な過程ではあるのだろうが。


【△】Takachangman『Sweet Candy』
2012.09.05 / 全10曲34分 / 128kbps / Twitter
NORI aka Takachang名義でミックステープを数本出していた東京の二十歳のソロラッパーの新作。前作(DL先)を出した時に、ソロでのフリーDLミックステープは"ひとまず活動を終了"と語っていたが、前言撤回はラッパーを始めミュージシャンの常だろう。癖のあるネチャっとしたラップが、Lil WayneやKREVA、Perfume、Zeebraといったトラックの上に乗せられる。内容よりもビートにはめることを心掛けているラップであり、リリックを楽しむ日本語ラップ好きには向かなそうだ。「ジンギスカン」リミックスは素直に楽しめた。


【○】ERA『JEWELS XenRoN Remix』
2012.09.09 / 全8曲27分 / 320kbps / Tumblr
フリーDL曲や新曲MVの情報などを集積した日本語ラップのポータルサイトとして始まったJPラップコムがついに立ち上げたレーベル「REV311」が配信限定での作品を数本出した後、ついにCD盤として先月初めてリリースしたエラのミニアルバム『JEWELS DELUX』をまだまだ謎が多いシェンロンが全曲リミックス。今回はサンプリングを廃し、"今までで一番ポップに仕上が"り、その"心地よいメロディに癒されてください"と豪語するようにエラの作品であるにも関わらず、きらめきポップな仕上がりで、そのギャップがかなり面白いことになっている。冒頭からあまり似つかわしくないオルゴールの音が響くのだ。ただ、似つかわしくはないのは今までこんな音に乗せられるエラのラップを聴いたことがなく戸惑いを一瞬覚えるからだ。しかし、これはこれで悪くない。ポップさは正義だ。一方でカラフルな装飾に身を包んだことでエラのラップがよりはっきりと聴こえてくることもあり、つまり雰囲気に逃げることができなくなるわけで、苦手な人にはより一層その意識が強まるかもしれない。


【○】WATA『FreeManEP』
2012.09.14 / 全7曲18分 / 256kbps / Twitter
配信終了。最初の1小節を聴けば、あああれねとなるラップであり、リリックも彼の出始めの頃の姿勢――"テキトー"とその音楽への情熱や真摯さを照れ隠ししていた頃――を上っ面だけ模倣したものでしかない。まだ物まねの段階で芯が固まっていないのに、そこでラップを崩すものだから重心の定まらないふわふわとしたものになってしまっている。その一方で、懲りずにこのままフリーキーな方向に向かうとどうなるのかという興味が湧くし、昔いじめられていたという過去をくどくならない程度に読み込めるとまた新しいスタイルが生まれるのかなと思えてくる。

楽器や絵画、書き物と同じように、ラップもまたいきなり巧い人なんてそういるものではなく、ある程度の模倣期間を経て、基礎が備わってから、その人なりの独自の表現を模索していくのだと思う。ただ今はこうして録音環境が個人レベルで整えられてきているので、とりあえずラップをしましたという段階でも発表できてしまう。ヒップホップはオリジナルであることを特に尊ぶ音楽ジャンルであるために、その前の道程を公表することにためらいを覚えるはずなのに、好きなアーティストのスタイルなのだから影響は受けるし、似てしまうのは仕方がないとあっけらかんとしているのはどうなんだろうとは思う。


【○】NIHA-C『HITLIST』
2012.09.15 / 全6曲15分 / 320kbps / YouTube
22歳になったニハCからの"逆誕生日プレゼント"となる本作は、最後に収録されたJinmenusagiとの「Red Pill Remix」を除き、前作(DL先)同様にラッパー兼トラックメイカーistが全てプロデュースしている。全曲で傾向を違えるなどイストの才能はいかんなく発揮されているわけだけど、同時にその振り幅の大きいトラックにことごとく対応させるニハCもまたすごいのだろう。ただ、パンチラインに乏しくこれというラインがないために名前は浸透しつつあるにも関わらずまだ諸手を上げての評価とまではいかないのも事実で、でも上でも紹介しているRAqが参加しているM3の恋バナは面白い。


【○】Active×あおりんご『2Dayz EP』
2012.09.15 / 全6曲16分 / 256kbps / Twitter
BBOY PARK MCバトルに出場しているのを見ているふたりのラッパーのコラボ作。バトルでのイメージしかないので、こういうフロウをするのかという新鮮な驚きがある。S.l.a.c.k.以降の柔らかい声音を持ち味としたラップは特に際立つ点はないが、半径1メートルの現実ラップから急にストーリーテリングに飛び出し、サーカスの世界を生み出していくのは意外性もあり楽しめる。それと、スキットが無駄に長い。


【○】VA『裏かなへびコンピ』
2012.09.17 / 全14曲46分 / 192kbps / MediaFire
昨年からBBOY PARKに出店している、若手インディーズアーティストの作品を委託販売するお店「かなへび屋」が今年企画した意欲的な若手を集めた『かなへびコンピ』におまけとして付いてきた『裏』のフリーDL版。めでたく2曲追加されている。表に対する裏であり、どうしても玉石混淆具合はより強く出てしまっている中で、先月初のミックステープをアップ(DL先)したkoedawgが同作品にも収録し、ひときわ暗い光を放っていたM4、以前ミックステープの収録曲としても発表されたことがある10.010のM3、あるいはM9、M11といった応援したくなる楽曲も収録されていて地雷にはまりながらもしっかり楽しめる作品。ちなみにヒップホップファンにとって信頼と期待への担保となるillicit tsuboiは本作の方が表よりお気に入りだという。


【○】GOKU GREEN『Dirty Kids』
2012.09.17 / 全10曲29分 / wav / YouTube
北海道旭川の高校生ラッパー、ゴク・グリーンが先月アップした2本目のフリーダウンロードミックステープがバンドキャンプを無料使用する際に上限となる200DLに達したために、救済策として彼のトゥイッター上で発表されたバージョン。先月版よりも2曲増えている。また、先月聴いた際には少しも気に留めていなかったが、今月発表されたミックステープとJPラップ企画作品で一気に評価を高めたRAqが1曲で客演している。


【○】Crazy T×Spence『T.Y.O.K. EP』
2012.09.19 / 全5曲16分 / 320kbps / Twitter
トゥイッターでの放言を時々見かける日本在住のアメリカン人ラッパーとカンサスのラッパー兼トラックメイカーDanny Spenceとのコラボ作。彼らふたりは英詩であり、スペンスの耳馴染みが良いながらも売れ線ではないという日本人には難しそうなバランス感覚のフックも相まってとても聴きやすいが、本作の売りはそこではなく鎮座DOPENESSと田我流が客演していることだ。しかも鎮座ドープネスが自分のドープネスを開陳する結構珍しいテーマのトラックはEVISBEATS製。田我流も得意の地に足の着いたラップを披露している。ただ、両曲ともそれほどの出来ではないわけだが、それでもフリーでの発表とはずいぶんと気前がいい。


【○】Andherpackage『Illminate Ep』
2012.09.19 / 全8曲9分 / 320kbps / bandcamp
無料配信終了。ナオトタグチの別名義による今月の3作目。上の『Concorde Ep』がメロウ寄りだったのと比較すると本作は陽気な楽曲を並べている。当然聴きやすい。


【△】Terusha『ProCess』
2012.09.20 / 全9曲30分 / 256kbps / Twitter
ドイツ在住の日本人歌手テルシャ。ドイツ語、英語、日本語と三カ国語でラップができるソロラッパーJulian Naganoとのスプリット・ミックステープ(DL先)を昨年出し、本作は初のソロ名義作となる。ラッパーがよくやるように他人のトラックの上でオリジナルのリリックを乗せる形でのリミックスは何もMCたちの専売特許ではなく、向こうではRaheem DeVaughnなどがそのスタイルでミックステープを何本も出している。本作ではFlo RidaやKool G Rap、Musiq Soulchild等の曲のリミックスを披露。歌唱力はあるのだけどいいメロディに出会えないというインディーズで活躍するR&B歌手がひとまず陽の目を見るやり方として、ただ素直にカバー曲として歌うよりもよりオリジナリティを誇示できる方法だろうし、日本でも広まれば面白い。

本作は色々な自分の姿を見せようとして、かなり散漫になっている。気持ちの良い声を出すが、歌唱力で圧倒するタイプでも器用さで魅せるタイプでもない。余技程度のラップなどする前に、ミュージック・ソウルチャイルドの曲をリミックスしたM7のような真摯な歌物をまず歌うことが大事だと思う。本作でも全面的にバックアップしているジュリアン・ナガノのラップも微妙なものが多く、録音の状態もフリーDLであり、仕方ないにしても不安な箇所がいくつかあるわけで、とりあえず歌で魅せることだ。


【○】Nordic Type Writer『Loop Chemist』
2012.09.20 / 全9曲11分 / 320kbps / bandcamp
1分前後のトラックを集めたビート集。ヒップホップというよりもエレクトロニカ寄りというべきなのか。M4のような意外な音の鳴りや、M6やM9がどう展開されていくのか非常に興味深いが、作り手の本作での意図はそこにはないのだろう。けして退屈なインストではないものの、今ここで生まれた音の"化学反応"よりもそれがどう発展し、壮大な宇宙を作り出すのかという、"その先"が気になってしまう。


【○】MARCO『Rebellious Spirit』
2012.09.20 / 全7曲27分 / 192kbps / HP
BIJYUとのユニットMc Brovasとして所属するレーベルのボスB.I.G. JOEの最新シングルに参加していた北海道のラッパー、マルコのミックステープ。DJ DOGGのアルバムにも客演している。本作にはそのビッグジョーや女性ラッパー072らが参加し、トラックもLazySimonや活動停止したX-DOPE ENTのJazadocumentと、北海道勢で固めた1枚になっている。ラップスタイルはビッグジョーの影響下にあり、テーマもまた彼と似た距離感を取り、社会派を気取る辺りなどもそっくりだ。ナツが先ごろリリースしたファーストアルバムでもこんなラップをしていたらもう少し印象が変わったのにという強気な姿勢を前面に出していて良い。マイクリレー曲のM6で2ヴァース目を担う人のフロウもかっこいい。


【○】RONIN BEATS『RONIN BEATS』
2012.09.25 / 全12曲37分 / 320kbps / YouTube
これまでもKO35H32名義でRONIN BEATSシリーズを5作発表してきたトラックメイカーの6本目のビート集。6作も出しているだけあり、こなれたトラックメイクで、特に前半の風景が思い浮かびやすい音の展開は良い。が、それ以上の強い魅力を放っているかといえば、残念ながら私には感じられない。


【○】ACE COOL『THE RATS』
2012.09.25 / 全11曲33分 / 320kbps / blog
配信終了。広島生まれの20歳のソロラッパー、エース・クールの初作。リリックに散りばめられた最近の日本語ラップの名フレーズを持ち出すまでもなく、前半ではAKLOの言葉の組み立て方や姿勢、後半でのSALUのフロウといった流行を巧みに取り込んでいる姿勢からは国産ヒップホップで育ったことがよくうかがえる。

彼のヒーローたちのラップが透けて見えるこの初作を、よくこのレベルに到達できていると賞賛するのか、パクリと否定するのかは聴き手次第だろうが、私の場合は、原曲の良さがあるにせよ、M4を聴きそれまでのマイナスが一気に吹き飛んだ。本編の前後に置かれた2曲以外はすでに評価の高い洋楽トラックのリミックスであり、その品質は保証されている。とはいえ、歌える才能を発揮させ、トラックの良さの強みだけに頼らない点は評価せざるを得ない。

今はかたわらにいない親友への想いを歌ったボーナストラックで聴ける表現力もかなりのものであり、これから先自分自身のフロウを見出すならば期待できる若手ラッパーのひとりになるのかもしれない。それと、M5に参加しているSHOTというラッパーは強い個性を押し出しているわけではないが、エース・クールとの対比もあり惹かれる声だ。


【○】asamiya『Comming Into Bud』
2012.09.29 / 全5曲51分 / 160kbps / YouTube
Low High Who? Productionに所属するトラックメイカー・アサミヤの3枚目となるミックステープ。2日間で制作された音は彼の特徴でもあるピアノを主体とし、その自信の高さゆえか10分台の曲が4曲も収録されている。基本的にはメロウで、流麗なメロディだが、やはり1曲1曲が長いと思えてしまうのは否めない。M4のようなもう少しビートと戯れる曲調や展開があっても良かった。


【○】OYSTAR『New days』
2012.09.30 / 全6曲20分 / 320kbps / bandcamp
前作『Nu-naissance』(DL先)からわずか1ヶ月で早くも5枚目のミックステープを発表してきた神奈川県相模原市のラッパー兼トラックメイカーのオイスター。前回が肉感的なビートを強く押し出していたのに対し、今回は鍵盤を基調に落ち着いたトラックが詰め込まれている。同時期に制作した音を傾向別にふたつに分け、投下したものなのかもしれない。新たな一面見せるM1には惹かれるが、続くインストには以前から感じている展開の弱さがやはり見られる。

前作同様にラップ曲が2曲収録されている。同郷のQNたちと同じく日本語を崩してグルーヴを生み出す今のフロウを聴かせる。彼らにしろバイリンガルラッパーたちも英詞を違和感なく日本語詞に溶け込ませるが、オイスターのそれはVERBALの組み込み方に似ているのが興味深い。



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<まとめ>
2010年〜2011年1月〜8月分 Tegetther
2012年1月分 blog
2012年2月分 blog
2012年3月分 blog
2012年4月分 blog
2012年5月分 blog
2012年6月分 blog
2012年7月分 blog
2012年8月分 blog

・「JPRAP.COM presents "The Se7en Deadly Sins"」 →記事(2011.05.26記)
  2010年の主要フリーダウンロードミックステープについてもある程度まとめてある。
・「昨今の国産ヒップホップ・無料DLミックステープ事情」 →記事(2011.09.30記)
  2011年前半の作品に焦点を当てて書いた記事。
・「VA『Fat Bob's ORDER vol.1』」 →記事(2011.10.07記)
  記事の最後に名古屋関連のミックステープのまとめがある。
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2012.09.30 Sunday 23:59 | 音楽 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.03.22 Wednesday 23:59 | - | - | -
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