すばらしくてNICE CHOICE

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ステキな金縛り

92点/100点満点中

2011年に公開された5本目の三谷幸喜監督・脚本作品。法廷サスペンスコメディ。主演は深津絵里。共演に西田敏行、中井貴一、阿部寛、浅野忠信、歌手のKAN、竹内結子、小日向文世、芸人の木下隆行、生瀬勝久、戸田恵子、草剛とそれはもう豪華。さらにはほんのチョイ役に佐藤浩市、、篠原涼子、唐沢寿明、その出演が問題になったという大泉洋まで。

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幼い頃に有能な弁護士だった父を亡くした宝生エミは後を継ぎ弁護士になったはいいものの、失敗続きだった。そんな彼女に最後の事件だと所長の速水悠に告げられ、渡されたのが、資産家の妻・矢部鈴子殺害の容疑で逮捕された夫の矢部五郎の弁護だった。五郎は事件当日山奥の旅館で金縛りにあっていたと主張。宝生エミは早速その旅館に向かい、そこで金縛りの元凶・落ち武者の幽霊・更科六兵衛に会う。五郎の無実を確信したエミは幽霊の六兵衛に法廷での証言を依頼。超常現象を一切信じない担当検事・小佐野徹を相手に幽霊が証言台に立つという前代未聞の裁判が始まる。
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不思議と三谷幸喜作品に接することなくここまで来てしまい、彼が監督をする映画は初めて見る。いや、でも彼が脚本を手掛けた『12人の優しい日本人』は素晴らしかったし、"日本初の本格的シットコム"と当人が語っていたドラマ『HR』も毎回楽しんでいた。その流れでNHKの大河ドラマ『新選組!』も序盤だけは見ていたように思う。音楽に関しては聴き始めた頃のような洋楽信仰はもうないのだけど、映画はいまだに"洋高邦低"の考え方をしていて(黒澤明作品を見てもいないのに)、どうにも縁がなかったし、作ろうともしていなかった。

が、何かの映画雑誌の表紙に深津絵里が"コメディエンヌ"と評されているのを見ていたが、それも納得の可愛らしさとコミカルな演技は本作の最大の魅力であり、西田敏行演じる落ち武者、阿部寛扮する上司・速水、そして法廷での小佐野検事役の中井貴一とのやりとりには常に笑いが封じ込められ、ついつい噴き出してしまう楽しさに満ちていて、セリフがそのまま分かる日本映画もいいもんだとなる。

通常は見えない幽霊を証言台に立たせるという設定の妙と、ドジっ子弁護士の人間的な成長、そしてドンデン返しというミステリー的な要素をうまく組み合わせて、142分とやや長尺ではあるのだけど、見せ切ってしまう手腕はさすがだ。茶の間でもお馴染みの出演陣も本当に豪華。流行のアイドルを出すという賑やかし的な"豪華さ"ではなく、きっちり実力派を脇に据えているから驚かされる。もちろん三谷ファミリーといえるメンツではあるのだけど、佐藤浩市や深田恭子、篠原涼子、その旦那の市村正親、気づきもせずに最後のクレジットでようやく出てたのとなった唐沢寿明など、監督の慕われ加減がよく分かる。

三谷といえばビリー・ワイルダーが亡くなった時に、彼が新聞で連載していたコラムにその悲しみを綴っていたのが強く記憶に残っている。日本の古典を見ていないのと同じようにハリウッド映画の古典にももちろん精通していないのだけど、それでもあの当時の作品にあったようなハレの日の娯楽といった趣が本作にはあって、DVDで見るよりも2時間20分間もの間体をしっかり支えてくれる映画館の椅子に着席して、監督や俳優、裏方といった職人たちによって確かな魔法がかけられた世界に没入し堪能することこそが本作を最大限に楽しめる鑑賞の仕方なのだろう。
2012.09.28 Friday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
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2017.03.28 Tuesday 23:58 | - | - | -
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