すばらしくてNICE CHOICE

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ハンガー・ゲーム / The Hunger Games

62点/100点満点中

アメリカでベストセラーとなった十代向け小説を原作にしたSFサバイバルアクション。主演は『ウィンターズ・ボーン』で貫録の田舎娘を演じたジェニファー・ローレンス。共演には『テラビシアにかける橋』のジョシュ・ハッチャーソン(ずいぶんと成長しちゃってまあ)、ウディ・ハレルソン、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド、そしてロックスター、レニー・クラヴィッツら。製作費7800万ドル。

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はるか未来の独裁国家パネム。エリート階層が暮らす最先端都市キャピトルとそれに隷属する12の貧困地区で構成されている。スノー大統領は反乱の抑止を目的に毎年、全地区からそれぞれ12歳から18歳までの男女1名ずつを選出し、最後のひとりになるまで殺し合いをさせ、それを完全生中継する"ハンガー・ゲーム"を開催していた。今年の第12地区からは12歳の少女プリムが選ばれてしまう。姉のカットニス・エバディーンはすぐさま身代わりを志願し、男子枠のピータ・メラークと共にキャピトルに向かう。
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本作は2012年3月26日付の全米興行収益ランキングで初登場第1位となった。その額は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(約1億6900万ドル)や『ダークナイト』(約1億5800万ドル)に次ぐ、歴代3位の約1億5500万ドルという驚異的な数字を叩き出し、しかもその後4週にわたり1位に居座り続けたのだ。その一方で設定が日本の『バトル・ロワイヤル』に酷似しているという話も漏れ伝わってくるし、一体どんな作品なのだろうと期待していた。ただ、その数か月後には『アベンジャーズ』が公開3日間で2億ドルというなんともまあと呆れるばかりの収益を上げてしまったものだから本作がかすんでしまったのは否めないが、それでもこうして鑑賞するという所期の目的を達成できたことは嬉しい。

原作の同名小説は2008年に発表され、全3部作となる。ウィキペディアによると、『死のロングウォーク』や『バトルランナー』の著者であるスティーヴン・キングが書評でB評価を付けたそうだ。その『死のロングウォーク』を下敷きにした高見広春の『バトル・ロワイヤル』との類似は当初から指摘されていて、著者は初稿を書き上げた段階ではその存在を知らなかったと述べている。

盗作うんぬんはともかくとして、アメリカでは毎週ひとりずつ志願者が落選していくオーディション番組が依然として高視聴率を稼ぎ、そのような"リアリティ番組"というジャンルに括られる番組では、"素人による濃い人間模様を"映し出すことで人気を博している。また「LOST」シリーズなどの限定された地域でのサバイバルドラマも高い人気を誇ったわけで、ならばそれらの要素をひとつにまとめてしまってはどうだろう的な安易な発想で作品が書かれてもおかしくはない。

ただ、アメリカのレイティングの問題もあるのか、同年代の少年少女が殺し合うという最も興味をそそる要素が中途半端なために物語そのものは不満だらけだ。日本でも『バトル・ロワイヤル』が映画化(小説は読んだけど映像の方は未見)された時に国会で問題になった経緯があるわけで、ましてや青少年への配慮がはるかに行き届いたアメリカでは難しい面もあったのだろうと推測できるが、それでも心を許した木登り少女と闘って欲しかったし、同郷の青年との命のやりとりを見たかった。

そもそも選抜され戦う少年たちに"スポンサー"が付くという設定が分かりにくい。予算の都合もあるのだろうが、誰がスポンサーでその得票数(?)がどうなっているのかといったゲームの行方を左右する大事な点への描写が疎かで、最終的には彼らが目指すゴールのあり方まで変わってしまう始末だ。『死のロングウォーク』にしても『バトル・ロワイヤル』にしてもその厳しい生死の別れをしっかり描いているし、近しい存在をその手にかけるからこそよりドラマ性が高まるのだ。そのゲームとしての最も面白い根本の部分が弱いことで、最後の最後までなんだかなぁな映画で終わる。

それでも143分とやたら長尺な本作を眠らずに最後まで見られるのは、主演のジェニファー・ローレンスが『ウィンターズ・ボーン』での高い評価も納得の演技を今回も見せているからで、他にも『プラダを着た悪魔』や『ラブリーボーン』のスタンリー・トゥッチが嬉々として演じている司会者や、レニー・クラヴィッツが意外にも長い時間出演していると同時に予想以上にまともな演技を披露しているからだ。
2012.10.14 Sunday 23:58 | 映画 | comments(2) | trackbacks(0)
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2017.11.16 Thursday 23:58 | - | - | -
コメント
原作を読んでしまった後だと、キャスティングに問題があると思った読者も多いと思います。主人公はどちらかというと白人系というよりも、ネイティブインディアンっぽいイメージがあったので、なぜそういう女性を選らばなかったのかな、と豪州の友達が疑問に思っていました。
また、主人公の女性が好感を持つ、男性も、キャスティングから間違っているかなという感じです。
武骨で身体ががっちりした男の子だった設定が、変わってしまっていました。

長い小説を短くまとめてしまうと、それぞれの登場人物の心情も上手く描けなくなるため、やはり内容が薄くなってしまったのは否めないなと思います。
映画館ではなく、一時帰国中、機内で観ました。
バトルロイアルは最後まで観られず、途中で観るのを止めてしまいましたが、こちらは最後まで観られました。
リアリティを追求せずに、観客が子供である設定のため、だいぶ薄められた内容だったから最後まで観ることが出来たのかもしれないですね。

(私は、同じヤングアダルトの小説の中では、Lauren OliverのDeliriumのほうが好きでした。きっとそのうち、映画になっちゃうのかな。。予定調和的な話しの進みかただけれども、ただの恋愛小説にならないのは、ジョージ・オーウエルの1984にヒントを貰ったような設定に、プラスアルファーとして、筆者なりの味付けが加えられているからだと思いました。)
Kemeko | 2012.11.13 Tue 03:35
Kemeko様

こんにちは。
お返事に年をまたいでしまい申し訳ないです。

> 原作を読んでしまった後だと、キャスティングに問題がある

確かに原作ファンにとって、その映像化はかなり怖い問題ですよね。私はスティーヴン・キングの小説が好きなのですが、映画化すると結構な確率で駄作になるため、ファンながら(だからこそ、なのかな)見ていないです。

Lauren Oliverという作家は初めて知りました。日本ではまだ翻訳されていないようですし、ちょっと注目してみます。教えて下さり、ありがとうございます。
gogonyanta | 2013.01.14 Mon 17:17
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