すばらしくてNICE CHOICE

暇な時に、
本・音楽・漫画・映画の
勝手な感想を書いていきます。
08 / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
<< 希望の国 | main | REC/レック3 ジェネシス / [REC]3 Genesis >>
アルゴ / Argo

73点/100点満点中

ゴーン・ベイビー・ゴーン』、『ザ・タウン』に続くベン・アフレック監督作。1979年のイランアメリカ大使館人質事件を題材にしたサスペンス映画。主演もベン・アフレック、共演には『リトル・ミス・サンシャイン』の愉快な祖父役でアカデミー助演男優賞に輝いたアラン・アーキンや、ジョン・グッドマンら。製作費4450万ドル。2012年公開作品。

************************************
1979年イランでは親米国路線の政府が崩壊し、亡命していたホメイニーが帰国。彼を指導者とする新政権が樹立したことでイラン革命が成功するが、その最中に前政権の大統領を受け入れたとしてアメリカへの批判が高まり、民衆が米国大使館を占拠、職員52人を人質にとる事件が起きた。その際、裏口から6人の職員が秘かに脱出し、カナダ大使の私邸に逃げ込んだ。しかし発覚は時間の問題であり、公開処刑は免れない。国務省から協力を求められたCIAの人質奪還の専門家、トニー・メンデスは、ある計画を練り上げる。架空の映画企画をでっち上げ、6人をロケハンに来たスタッフに偽装し出国させるというあまりにも奇想天外なものだった。
************************************

ベン・アフレックの監督3作目。製作費の増加に伴うように1作ごとに作品が派手になり、ここに来てようやく映画として面白いと思える出来になった。本国では高い評価を受け、早速アカデミー賞候補になっているようだ。

本作の良さはまずネタの素晴らしさだ。ハリウッドを巻き込んだ、事実は小説よりも奇なりを地でいく史実はなんとも奇抜で勇敢な話だ。1979年にイランで起きた米国大使館占拠事件。52人の職員が人質となるも、実は6人だけ脱出をしていて、カナダ大使私邸に逃げ込むことに成功する。しかし、そこから母国への帰還をどう果たすか。国務省もCIAも妙案をひねり出せず苦慮していた時に、人質奪還のエキスパート、トニー・メンデスが『最後の猿の惑星』を見て思い浮かんだアイディアが、偽のSF大作映画『アルゴ』の製作であり、そのロケハンとしてイラン入りし、カナダ大使邸に匿われている6人をそのスタッフとして一緒に帰国させるというものだった。

米大使館に押しかけるデモ隊の様子や街の雰囲気を当時の記録フィルム通りに再現することで、西欧とはかけ離れた常識がまかり通る土地で生命を脅かされた6人の恐慌ぶりがよく伝わる。一方でメンデスがハリウッドの知人を頼り、偽映画『アルゴ』を本当に企画されているように画策していく過程も丁寧に描かれる。準備万端となったところで、メンデスはついに単独での現地入りを果し、カナダ大使邸で6人と顔を合わせる。計画を伝えると6人はそのあまりに突飛な作戦に戸惑うも、やがて受け入れ、アルゴ作戦は最後の局面に入っていく。

当時のファッションやイラン市街地の緊迫感、そこここで見え隠れするハリウッド批判というユーモア、テンポよく進む展開。でもなんだか豪華な再現フィルムのようなのだ。中居と鶴瓶の番組でよく流されるたぐいの歴史的大事件の再現ドラマをハリウッド級の予算を付けて作ってしまうとこうなるといった印象を抱く。歴史ドラマは、個人の心の内に踏み込まず、事実だけを描くものとするならば、本作は間違っていない。ただ、藁をも掴む思いでいる6人とはいえ、彼らがメンデスを信頼する決定的な理由がここからは掴み取れない。丁寧に事実を積み重ねていく物語であり、事態が逼迫し、どんな作戦であれ乗りかかるしかないというのも理解できるが、観客としてはメンデスという男に厚みが感じられず、アル中帰り(ラッパ飲みするシーンは思わず心配してしまう)のベン・アフレックでしかない。キャラクターにもう少し肉付けがあれば、もっと楽しめただろう。

その一方でクライマックスの展開ではお決まりの演出とはいえ手に汗を握ぎらせるわけで、終わりよければ全てよしという意味では3作目にしてようやく楽しめる映画ではある。ただ、エンドロールのひと言は蛇足以外の何物でもない。"高潔なる国"うんぬんは茶番もいいところだ。


【追記】2014.11.12
CIA、映画「アルゴ」の史実正す ユーモア交え真相公表 →CNN記事
2012.11.01 Thursday 23:58 | 映画 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
2019.08.20 Tuesday 23:58 | - | - | -
コメント
コメントする











この記事のトラックバックURL
http://gogonyanta.jugem.jp/trackback/3985
トラックバック
Profile
Search This Site
Category
New Entries
Comment


Archives

今日も愚痴り中